
2025年11月14日よりBunkamuraル・シネマ 渋谷宮下ほか全国順次公開となる映画『石炭の値打ち』の予告編が解禁となった。
また、11月14日公開を控えたこの度、各界著名人7名からの賞賛コメントが到着した。映画監督の呉 美保は「ケン・ローチ監督は私を裏切らない!」とケン・ローチ監督へのリスペクト溢れるコメントし、専修大学の河野真太郎は「これは遠い時代の遠い国の話ではない。必見」と50年前の作品であるが今こそ見るべきだと訴える。そして前東京国際映画祭ディレクターの矢田部吉彦は「ユーモアには反骨スピリッツが、そしてシリアスには愛情が注がれ、名匠への道は既にここから始まっていたのだ」と、ケン・ローチ監督の手腕に賛辞を寄せた。
コメント
呉 美保(映画監督)
ケン・ローチ監督は私を裏切らない!
新作が公開されるたび劇場に通い続けてきた。まるで自分もそこに居るかのように市井の人々の悲喜交々を味わえ、観終わった後はギュッと映画を抱きしめたくなる。人生における明と暗の瞬間が違和感なく描かれたこの2本のことは、これから先、映画作りの途中途中で、必ず思い出すだろう。
大谷賢治郎(演出家)
こんな幻の傑作があったとは。「怒り」を原動力に「声なき声」に耳を傾けるケン・ローチ監督の真骨頂。淡々と描かれる家族の日常ゆえに心が抉られる結末がいつまでも心に残ります。今日本で公開される意義を強く感じます。
岡 俊彦(サム・フリークス主催者)
ケン・ローチのルーツ回帰かつ「全部乗せ」な大傑作!
はみ出し者映画の特集イベント「サム・フリークス」での上映がきっかけとなって劇場公開に結実し、主催者の私としても感無量! 幻の名作がついによみがえる!
河野真太郎(専修大学)
『ケス』の原作・脚本のバリー・ハインズとタッグを再結成したケン・ローチの幻の傑作は、人びとの生活を支える石炭の値打ち/代償(プライス)を誰が支払っているのかを重く問いかける。これは遠い時代の遠い国の話ではない。必見。
西口 想(文筆家・労働団体職員)
登場人物とともにミルトン炭鉱で過ごしたかのような、忘れがたい鑑賞体験だった。
いまの職場、働き方とはなにが変わり、なにが変わっていないのか。
この作品は半世紀後の労働者に贈られたギフトであり、警句であり、詩である。
ピーター・バラカン(ブロードキャスター )
ぼくが日本に来た1970年代、全く紹介されていなかったイングランド北部の労働者階級、具体的には炭鉱労働者の現実がそのまま描かれています。ロンドン育ちのぼくもほとんど外国のように感じる時があり、字幕を追わないと聞き取れないヨークシャー訛りが強い!
矢田部吉彦(前東京国際映画祭ディレクター)
苦境にある弱者たちに寄り添い続けたケン・ローチのルーツを見た。物語がヘヴィーであっても、いとも鮮やかに惹き込まれる脚本と演出の技術が既に確立されていることにも驚く。ユーモアには反骨スピリッツが、そしてシリアスには愛情が注がれ、名匠への道は既にここから始まっていたのだ。