インタビュー

『仮面ライダー THE NEXT』加藤和樹 単独インタビュー

©2007「仮面ライダー THE NEXT」製作委員会
©2007 石森プロ・東映

俳優としてのさまざまな経験を歌に生かして行きたい

 石森章太郎原作の原点に戻り、制作された『仮面ライダー FIRST』。続編を望むファンの熱い要望で、新たに『仮面ライダー THE NEXT』が制作された。歴代ライダーの中でも絶大な人気を誇るV3役で今回登場している加藤和樹に会って、話を聞くことが出来た。俳優、歌手として活躍する彼の本音と素顔に迫った。

加藤和樹

 1984年愛知県生まれ。TVドラマ「仮面ライダーカブト」(風間大介/仮面ライダードレイク)、「ホタルノヒカリ」、舞台ミュージカル「テニスの王子様」、俳優、歌手としても活躍。

まずは『仮面ライダー THE NEXT』に出演が決まるまでのいきさつから教えてください。

 カブトの撮影が終わった頃に『FIRST』の続編の『THE NEXT』にV3の役で、というお話がありました。出来るなら、是非やりたいと思っていました。トントンと話が進んで、V3の風見志郎が出来るということで、驚きがありました。

仮面ライダーへの想いは?

 はじめにカブトに出演が決まったときは、素直に“ヒーローになれるんだ!”という喜びがありました。今回、V3になれるということで、さらに大きな喜びがありました。V3といえば、歴代ライダーの中でも一番の人気を誇っていますし、最強のライダーなので、その役が出来るというのは、男としても最大の喜びですね(笑)。

実際にライダースーツを身につけたときの感想は?

 カブトのときは着ていないので、今回自分のサイズに合わせて作っていただいたということはうれしい限りです。

身に着けたスーツはいただけないのですか?

 出来ないらしいんですよ。何度もお願いしているんですけれど……(笑)。しょうがないので、フィギュアでガマンします。

芸能界に入ったキッカケを聞かせてください。

 芸能界には「JUNON SUPER BOY」のコンテストがキッカケで入りました。当時は高校を卒業したばかりで、ただTVに出たいとか、有名になりたいという気持ちだけが強くて、何になりたいということはなかったんです。まずは役者の仕事をしていて“ぜんぜん面白くないなあ。自分は何がやりたいんだろう”と思っていて、芸能界から離れて1年くらいアルバイトをしていた時期がありました。名古屋に帰ろうかな、とか大学に入り直そうかな、と思ったりしていたのですが、“このまま終わりたくない”と思う気持ちが大きくて、その時、ザ・ベイビースターズの「去り行く君へ」という曲に出会って、感動して泣いてしまったんです。その時に自分も人の心を揺さぶりたい、歌を歌いたい、というハッキリとした目標が出来たんですね。その後、ミュージカル「テニスの王子様」の舞台出演が決まって、仮面ライダーのお話もあって……。今後は役者で得る人間的な部分を歌に生かして行きたい、基本的には歌でやりたいと思っています。

本作はアクション・シーンが素晴らしかったのですが、どんな訓練をされたのでしょうか?

 アクションに関しては他の二人(黄川田将也、高野八誠)に負けたくない気持ちがあり、僕自身、少林寺をやっていることもあって、アクションの部分はしっかり練習しました。アクション監督の横山 誠さんには、二人(黄川田、高野)がライダー・キックを練習している側で、やられる側のアクションを練習して、と言われました。バクチュウ(後宙返り)が出来るので、ラスト・シーンで怪人に飛ばされて腹落ちするシーンも僕自身が演じています。やるからには中途半端にやりたくなかったので、マスク(仮面)をはずしているシーンは、全部自分でやりたいという気持ちが強かったですね。

本作ではライダー1号2号の友情と風見志郎(V3)と妹の関係が深く描かれていますね。

 Chiharu役の森絵梨香ちゃんが半身怪人の姿になって僕の前に立つ場面ではすごく悲しくなって、何でこんな姿になっちゃったんだろう……という感情移入があって、自然と気持ちが入りました。

どのシーンが印象に残っていますか?

 スゴイ!!と思ったのはバイク・アクションですね。前作より飛びぬけてスゴかったので、“ここまでやるか!”と呆気にとられました。

共演者とのエピソードについて聞かせてください。

 黄川田さんはクールな大人の人かなと思っていたのですが、よく話す方だし、作品に取り組む姿勢が人一倍すごくて、見習う部分がたくさんありました。八誠さんは、口数は少ないんですが、言うことが面白くて……(笑)。でも、大人だなと思えました。二人のコンビネーションというか、信頼関係が目に見えて分かって、ちょっと羨ましいな、と思いましたね。

撮影の間はどんなお話をしていましたか?

 「普段は何やってんの?」とか、「お酒は飲むの? 今度飲みに行こうよ」とか話していました。

“真のヒーロー”とはどのような人物だと思いますか?

 人のために、自分を犠牲にしても何か行動できる人だと思います。僕は、自分を捨てても人々を救いたい、守りたい、という気持ちがカッコイイなと思います。

もし改造されるとしたら、どんなパワーを持ってみたいですか?

 そうですね……。強大な力を手に入れたいとは思います。その力を何か世の中のためになることに使いたいですね。僕個人としては、空を飛べたらイイナと思います。

今後はどのような活動を目指していますか?

 役者としてドラマに出させていただくことは、いろいろな感情が入ってくるので、人としてのキャパシティーが増える気がします。そんな部分をアーティスト・加藤和樹として見せることができるので、加藤和樹という人間の見せ方に通じるものがありますね。たとえば、V3は加藤和樹で良かったね、この歌は加藤和樹じゃないと歌えないよね、と言われるような、“オンリーワン”の存在になりたいと思っています。

仮面ライダーはシリーズとなって、多くの人々に愛され続けていますが、それにはどんな理由があると思いますか?

 カッコイイ部分だけでなく、人間ドラマが含まれているところじゃないでしょうか。そんなところに教えられたり、引きつけられたりするんじゃないかな。『カブト』、『THE NEXT』と、シリーズに関わって、そういう人間ドラマの部分って温かいな、と感じたんです。そこが一番の魅力じゃないかと思いますよ。

最後に、本作の見どころとファンの皆さんへのメッセージをお願いします。

 見どころは全部だと言いたいんですが(笑)、バイク・アクションが特に素晴らしくて、瞬きするのももったいないくらいなので、楽しみにしていただきたいことと、志郎とChiharuのシーンを注意してみて欲しいですね。よろしくお願いします。

 「JUNON SYPER BOY」コンテストが芸能界入りのキッカケ。181センチの長身。自分の顔でどこが好き?と聞くと、「目」と答えた加藤さん。前を見つめる、澄んだ瞳の輝きをいつまでも大事にして欲しい。続編が作られたら「出来ることならやりたい」と加藤。ぜひ出演して欲しい。今後の活躍が楽しみだ。

(取材・文・写真:福住佐知子)

公開表記

 配給:東映ビデオ
 2007年10月27日(土)より、全国ロードショー

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