インタビュー

『スターリンの葬送狂騒曲』アーマンド・イアヌッチ監督 オフィシャル・インタビュー

© 2017 MITICO・MAIN JOURNEY・GAUMONT・FRANCE 3 CINEMA・AFPI・PANACHE・PRODUCTIONS・LA CIE CINEMATOGRAPHIQUE・DEATH OF STALIN THE FILM LTD

 ソ連の独裁者スターリンが急死! 絶対的な箝口令により、現在まで決して明かされることのなかった禁断の≪真実≫が今、明かされる――。ロシアで上映が禁止され話題を読んだ問題作『スターリンの葬送狂騒曲』が、8月3日(金)より全国順次公開となる。辛口政治コメディに定評のあるアーマンド・イアヌッチ監督のインタビューが到着した。

アーマンド・イアヌッチ監督

 1963年、スコットランド生まれ。監督、脚本家として活躍。
 TVシリーズ「官僚天国! ~今日もツジツマ合わせマス~」(05~12)で英国アカデミー賞を受賞し、イギリスの無能な大臣の失言から始まる大混乱を追った『In the Loop』(09)ではアカデミー賞®脚色賞と英国アカデミー賞にノミネートされ、アメリカの女性副大統領の悪戦苦闘を描いたTVシリーズ「Veep/ヴィープ」(12~17)でエミー賞を受賞するなど、辛口政治コメディを描く手腕を高く評価されている。
 本作でも、英国アカデミー賞脚色賞にノミネートされた。
 新作は、ティルダ・スウィントン、ベン・ウィショー出演の『The Personal History of David Copperfield』。

 悲劇的なコメディを作るつもりでいたんだ。悲劇的なコメディというのが一番ぴったりくる表現だと思う。全編を通してコメディと悲劇があり、しばしばこの二つは同じシーンに起こる。強烈な緊張と不安と恐怖が絶妙に混ざることで、神経衰弱ぎみな状況から奇妙なおかしさが込み上げてくるものだ。

 登場人物は皆、残忍で凶悪なところがある。一部のキャラクターは特にそうだ。観客が共感をおぼえる人物や、毛嫌いしたくなる人物もいる。しかし常に覚えておいてほしいことは、たとえ登場人物を応援したくなったとしても、外の世界では彼らの行動が普通の人々にひどく壊滅的な影響をもたらしていたということだ。

 本作を手がけるにあたって意識していたのは、1930年代から40年代、50年代にかけて当時何百万もの人々が命を落とし、姿を消したという事実を決してないがしろにしてはいけないということだ。避けて通ったり、軽いジョークで簡単に片づけられる歴史ではない。映画制作のすべての段階においてこのことを念頭に置き、細心の注意を払う必要があった。

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 作中の権力者たちの実際の行動にはいじめっ子や子どもみたいな振る舞いが見られ、どこか不思議と喜劇的な部分があった。

 政治局の連中がスターリンの後継者を決めた過程の詳細はよく知らなかった。劇中で描くことになった、スターリンが自分の尿にまみれたまま放っておかれたという本当の出来事についても知らなかった。スターリンが自分の護衛をひどく畏縮させていたせいで、誰も彼の様子を見ようとしなかったんだ。

 私たちはクレムリンを見て回り、スターリンの銅像やモスクワの公園、巨大な公共の建物を訪ねることで、作品の見た目の感覚をつかんだ。そして、その外観をロンドンで再現したんだ。撮影はほとんどロンドンで行い、屋内シーンはすべてイギリス国内で済ませた。けれど、私たちはロンドン市内や近郊で作品の舞台と本当によく似たロケーションを見つけることができた。

 最初にこの企画について話し合ったのは2、3年くらい前のことだ。その頃はトランプのことは有名人だから当然知らなかったわけじゃないけれど、誰も彼が大統領になるとは思いもしなかったし、イギリスのEU離脱をめぐる議論もまだ浮上していなかった。でもその当時から私は非常に意識的に、独裁政権や権威主義、実際にカリスマを持ち合わせているわけでもない一人の人物によって国家が恐怖に陥れられるさまなどについて作品を作ろうと志していた。

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 作品から学んで今日の現実に活かせることがあるとすれば、それは政府が情報の流れをコントロールし、何が真実で何がそうでないかを決めつけだしたときには注意して動向に目を向ける必要があるということだ。それこそが警戒信号だからね。

 作品の序盤ではベリヤが悪役で、フルシチョフが面白おかしい男として登場する。そして物語の中で、二人が交わり、フルシチョフは冷酷な人間に変わっていく。一方、ベリヤは善玉になるわけではないが、リベラル派に転身し、より人間らしい一面も少しだけ見えてくる。

公開表記

 配給:ギャガ
 2018年8月3日(金)、TOHOシネマズ シャンテほか、全国順次ロードショー

(オフィシャル素材提供)

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