作品紹介

『パリのどこかで、あなたと』

©2019 / CE QUI ME MEUT MOTION PICTURE – STUDIOCANAL – FRANCE 2 CINEMA

イントロダクション

 『スパニッシュ・アパートメント』(01)や『おかえり、ブルゴーニュへ』(17)など、都会や田舎を舞台にごくありふれた人々とその日常を映し出してきた現代フランス映画界を代表するセドリック・クラピッシュ監督の最新作『パリのどこかで、あなたと』が、2020年12月11日(金)より全国順次公開となる。

 本作は、SNSでは埋められない孤独や、仕事に対する不安を抱える男女が、葛藤しながらも過去を受け入れ前進する姿を描いた物語。主演を務めるのは、フランスの映画・テレビ・演劇界で活躍するアナ・ジラルド。マッチングアプリで一夜限りの恋を繰り返すも、ありのままの自分をさらけ出すことができずに悩む女性メラニーを繊細に表現した。さらに、第72回カンヌ国際映画祭で将来の活躍が期待される若手俳優に贈られるショパール・トロフィーを受賞し、フランスでいま人気急上昇中のフランソワ・シヴィルが、仕事に悩みやストレスを抱えながらも前向きに生きようともがく男性レミーを演じている。

©2019 / CE QUI ME MEUT MOTION PICTURE – STUDIOCANAL – FRANCE 2 CINEMA

ストーリー

 パリの隣り合うアパートメントでひとり暮らしをしている30歳のメラニーとレミー。がんの免疫治療の研究者として働くメラニーは、元恋人との恋愛を引きずりながらも仕事に追われる日々を過ごしていた。一方、倉庫で働くレミーは、同僚が解雇されるも自分だけ昇進することへの罪悪感とストレスを抱えていた。その影響から、メラニーはいくら寝ても寝足りない過眠症に、レミーは眠れない不眠症に苦しむ日々が続き、2人はそれぞれセラピーに通い始める。

 そんな中、友人からマッチングアプリを勧められたメラニーは、出会った男性たちと一夜限りの関係を繰り返していたが、過去の失恋で空いた心の穴を埋められずに思い悩む。かたや、元同僚への罪悪感を抱えながら孤独な日々を送るレミーは、職場で出会った女性とデートをするも、うまく距離を縮めることができない。

 都会の喧騒の中で、同じ電車に乗り、同じ店で買い物をして、同じように孤独を埋められない2人は、道ですれ違うことはあっても知り合うことはない。世界で最も美しい街・パリに住む2人の人生が交わることはあるのか? そして、その出会いは2人の人生を変えるものとなるのか?

  (原題:Deux Moi、2019年、フランス、上映時間:111分)

キャスト&スタッフ

 監督:セドリック・クラピッシュ
 脚本・セドリック・クラピッシュ、サンティアゴ・アミゴレーナ
 提供:木下グループ
 出演:アナ・ジラルド、フランソワ・シヴィルほか

ギャラリー

予告編

オフィシャル・サイト(外部サイト)

パリのどこかで、あなたと【公式】 – セドリック・クラピッシュ監督最新作、パリのどこかで、あなたと

 クラピッシュが描いてきたような屈託のない青春の日々が過ぎ去り、愁訴を胸に秘めながらもそれに蓋をし、都会の片隅で孤独に淡々と日々を過ごす人々の姿はまるで、日本の日常とも似ており、自分と隣人の物語であるかのようだ。

 前半の虚ろな眼差しの二人が、心に溜まっていた燠を少しづつ取り除かれていくにつれて、温かな感情を取り戻していく軌跡を見事に演じていて、あらためて注目していきたい俳優たちだ。

 そして、心震えるような美しいラスト・シーン。単なるボーイ・ミーツ・ガールの物語を超える奥行きはさすがクラピッシュで、何があっても生きることへの肯定を声高ではなく伝えている、心に残る作品。

 (Maori Matsuura)

公開表記

 配給:シネメディア
 2020年12月11日(金)よりYEBISU GARDEN CINEMA、新宿シネマカリテほか 全国順次ロードショー

(オフィシャル素材提供)

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