イベント・舞台挨拶

『AKAI』公開記念舞台挨拶

©映画『AKAI』製作委員会

 映画『AKAI』の公開記念舞台挨拶が都内で行われ、主演の赤井英和と赤井の長男で同映画の監督を務めた赤井英五郎が登壇して映画について語った。当日は、赤井と親交がある歌舞伎俳優の坂東玉三郎が、公開祝いに大きな赤い(AKAI)花束を持って駆けつけた。

 本作は、80年のプロデビューから12連続KO(試合時間計72分)の日本タイ記録を持ち、かつて“浪速のロッキー”と呼ばれた、赤井のボクサー時代の素顔に迫るドキュメンタリー作品。現役プロボクサーであり、米国で映像制作を学んだ英五郎がメガホンをとり、数々の名試合の映像やインタビューなどで構成されている。

 公開初日の上映を劇場で観賞したという赤井(英和)は「言われてもいないのに、サプライズで舞台に立って挨拶しました」と明かし会場を沸かす。

 赤井監督は「友人から面白かった、元気をもらった。頑張らなくちゃ……と思わせてもらった、と言ってもらえました」と話す。「感謝しかない」と手助けしてくれた方たちに頭を下げた。初めての映画作りで戸惑いながらも母をはじめ、周りの人たちに助けられて完成したことに「心を込めて感謝し、今後も活躍していきたい」と恩返ししていくことを心に誓っていた。

 母校の近畿大学でも試写を行ったという赤井(英和)は、「引退してもう38年になります。今は僕がボクサーだったことを知らない世代もたくさんいますが、喜んでくれました。嬉しかった」と話した。

 赤井監督はもともと映画が大好きで祖父に連れられてよく観に行っていたという。「映画が好きで海外へのあこがれも生まれました」と語った。赤井(英和)の画像編集をしていて、現役時代の赤井のハードな試合場面に加え、「試合のすごさ以上に僕が感動したのは、観客の顔や歓声。見たり、聞いたりして『すごいな!』と思いました。準主演は観客であり、支えてくれた方々だと思います。観客の皆さんが没頭できるようなものを作りたかった」と話した。

 赤い花束を手に駆けつけた玉三郎は、赤井英和との出会いについて語った。知人を介して現役ボクサー時代の赤井と知り合い、親交を深めてきたことを明かした。玉三郎は「映画では知らない赤井さんが見られて感動的でした。赤井さんの試合前後の素顔が見られて胸に刺さるような思いがしました。赤井さんにはこんな息子さん(監督)がいて素晴らしい。赤井さんは幸せです」しみじみと語った。

 赤井が若く美しい横顔を見せてたたずむ映画のポスターは、赤井が23歳の時に写真家・篠山紀信によって撮影された。自然光での写真だという。心に刻まれる印象的な写真となっている。同氏を紹介したのも玉三郎だという。玉三郎は「米国にトレーニングに行く前の赤井さんの美しい肉体を撮っておくべきだという単純なインスピレーションで思いつきました。皆さんの目に触れることのない記録として保管していたものを英五郎くんが見て、お父さんへの想いとしてつながって今回のポスターに使用されたのです」と解説した。

 赤井は、「若旦那(玉三郎)には感謝しかありません。この映画は若旦那がいらっしゃらなかったらありえないこと」と心からの感謝を伝えた。玉三郎は、「美しい青春の1コマですね。赤井さんには野生的な雰囲気があって、この写真も無意識の中で撮られたもの。意識するとこういう雰囲気は出ません。ですから赤井さんはほとんど動物(笑)」とたとえて周りを笑わせた。

 おしゃべりだという赤井の性格を考え、映画は公開が決まるまで内緒にされていたという。さぞや赤井はびっくりしたことだろう。

 最後に赤井は、「勇気が出る映画になってます。観て帰ったら5人、10人の人に宣伝してください!」と作品をアピール。

 赤井監督は「映画を観て終わりではなく、作品に込めた僕の想いが伝わりますように。想いは今後も大事にしていきたい」とメッセージを伝えた。

(取材・文・写真:福住佐知子)

公開表記

配給:ギャガ
新宿ピカデリー他 絶賛公開中

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