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『劇場版 ソードアート・オンライン -プログレッシブ- 冥き夕闇のスケルツォ』待ち合わせ舞台挨拶

©2020 川原 礫/KADOKAWA/SAO-P Project

“12月29日 22:00 ステージで“待ち合わせ”したのは、異色のメンツ!?

 2022年10月22日の公開から、早くも10週が経過した『劇場版 ソードアート・オンライン -プログレッシブ- 冥き夕闇のスケルツォ』。“待ち合わせ舞台挨拶”と題し、12月29日の22:00にステージに集合したのは、キリト役・松岡禎丞、そしてジョー役・逢坂良太。

 本編をご覧になっているファンの皆さんはお分かりのとおり、まさに同日・同時刻にダンジョン内で待ち合わせしていたのがジョーとモルテ。松岡に続いて姿を見せた逢坂は、フードを目深に被りジョーのようにミステリアスな出立ちで、会場からはどよめきと笑い声が起こる。松岡もそんな逢坂を、「どんなテンションで行くのかと思って」と興味津々に見つめていた。

 逢坂は、残念ながら出席が叶わなかったモルテ役・小林裕介から、メッセージを預かったと代読。「待ち合わせに来ないとか、まじ激サックもんですよ、あははー! ……ほんとにすみません……」と本編のセリフに合わせつつも無念さが滲み出た言葉に、客席からは温かな拍手が沸き起こる。

 ちなみにふたりとも、本イベントが2022年の仕事納めになるとのこと。「深夜テンションで、若干舌も回らなくなってます」と逢坂が冗談を挟みつつ、改めて年の瀬が迫る夜遅くにもかかわらず大勢のファンの方が集まってくれたことについて、ふたりは驚きと共に感謝の想いを表していた。

キリトが《SAO》の世界を救えたのは、ジョーのおかげ?

 まずは本イベントのオファーを受けた際の心境を聞かれ、「やってくれたなと思いましたね」と語った松岡。「今日はまさに(劇中の待ち合わせ)当日ですし、今年の《SAO》は“その日”を大事にしていました。『ソードアート・オンライン -フルダイブ-』もそうでしたしね」と、11月6日にあったリアルイベントを思い起こす。

 逢坂は登壇前の裏話も交えながら、「作中の待ち合わせが朝8:00だったら、大変だった。そうなったら皆さん、朝6:00から鑑賞しなきゃいけなかったわけですよ?」と、“待ち合わせ”が夜でホッとした表情。松岡も逢坂も、そもそも22:00という遅い時刻から始まる舞台挨拶は、これまで経験がなかった様子。松岡が「《SAO》の女性陣だったら、『12月29日の22:00!? 行くわけないでしょ~!?』って言いますよ」と、アスナ役・戸松 遥の真似をしてみせ、逢坂も客席のファンの方々も笑い声をあげていた。

 今回のイベントの知らせを受けて、逢坂は「TVアニメから出演はしていましたけど、本作の尺的には10分の1も出ていませんから、『どこを呼んでんだ?』と思いました」と、予想外だった様子。すると「半殺しにされましたから」と、逢坂演じるTVアニメのキャラ〈ジョニー・ブラック〉との思い出を振り返る松岡。これに逢坂は、「俺が半殺しにしなかったら、《SAO》の世界を救えてないからね。感謝して?」と返し、松岡も「ほんとよ。(そうなっていなければキリトは)ユージオにも会えてないしね。ありがとうございました」と、納得と共に感謝。《SAO》の物語にとっては不可欠だったと知る客席からは、同意するかのような拍手が起こった。

 その後も「あの毒武器に感謝して」「分かった、伝えとく」「いつでも刺すから」「いや、もう出るな(笑)!」と、阿吽の呼吸を見せるおふたりは、実は同い年。ただしこんなにも息ピッタリでありながら、実はふたりきりでイベント等に出席するのはおそらく初めてなのだとか。その理由について逢坂が語るには、「(オーディションで)受けるキャラが被るから、片方が受かると、もう片方は出演しないということが多々ありまして。あとは(本作のように)ちょっとした悪役などで呼んでいただいて関係性ができることもあり、それはそれで面白いです」とのこと。

 またふたりの共通点として、ピュアな性格でハーレムの中心にいる役柄のイメージが多いのに加え、近年はトリッキーな役柄も増えてきていることを指摘されると、「最近はトリッキーな役しかやってないんですよ。まともなキャラはあまりないです」という松岡。一方逢坂は、最近またその系統の役が増えてきているのだそう。これに松岡は、「あれはあれで大変だよね。現場でどこにいたらいいか、分からないもん」とポロリ。それに対して逢坂は、「禎丞は尻に敷かれるタイプだもんね。僕はピエロになって、わりと周りをイジるタイプだから。それでみんなが仲良くなったらいいなって」と、収録現場での様子を明かす。

 さらに現場では端っこにいがちと語る松岡について、《SAO》TVシリーズ第1期では、「(松岡さんが現場で)しゃべっていた記憶がないです」と暴露。「今はそこそこしゃべってるよ?」という松岡だが、「誰と? 戸松さん?」と逢坂が尋ねると、松岡はしばし沈黙。今も自分から積極的にしゃべるわけではないかもという松岡だが、強いアスナ、そして彼女を演じる戸松とやはり収録が一緒になることが多いようで、そうした10年の間に松岡自身にも変化があることが伝わってきた。

同い年のふたりでおやじトーク? 新年の抱負はやっぱり“●●”!

 公開から2ヵ月が経つ『劇場版 ソードアート・オンライン -プログレッシブ- 冥き夕闇のスケルツォ』について、改めて周囲の反応を聞かれ、ファンの方から絶えず本作の話が届くと語ったのは松岡。こうして舞台挨拶に登壇するたび、そこでの言葉や想い一つひとつを汲み取ってもらえているとし、「本当にアツいものを毎回いただいています。ありがとうございます」と改めて感謝を述べる姿に、温かな拍手が送られていた。

 話は変わって、作中では2日後に当たる12月31日に第5層フロアボスを攻略し、カウントダウン・パーティーが行われ、その翌日に新年を迎える。ということで、ここで来年の抱負を聞かれると、定番の質問かつ年を重ねるごとに健康面での不安を実感していることから、「健康でいたい」と答えることが多いと語る逢坂。松岡も「無病息災、悪即斬、みたいなね?」と頷くと、「悪即斬は、人間に対してだから(笑)」と逢坂の鋭いツッコミが入る一幕も。

 「傷の治りの遅さから年齢を実感するよね」と意気投合するなか、ふと「スゴいおやじトークになってますよね?」と心配する松岡。というのも最近、松岡の所属事務所に入ってくる方のなかには、「小学生の頃に《SAO》を観てました!」という方もいるのだそう。10周年を迎えた《SAO》の長い歴史に、ふたりとも感慨深げだった。

 その一方で、《SAO》はふたりと同年代のファンの方も多い作品。改めて本作の魅力について聞かれると、「どの世代にも刺さる部分があるところ」と松岡は答える。「《SAO》は、ゲーム内で死ぬと現実世界でも死ぬかもしれないという、当時としても珍しく、でも男の子なら考えたことがある設定だと思うんですよね。僕自身そうですし。お話もどちらかといえば王道。キリトもやるときはやる人ですが、弱いところもあるし、何度も折れそうになって、そこをみんなに支えてもらったおかげで、先に進んできた。そういう姿にも、共感していただけるのかなと思います」と語った。

ジョーに合わせて、モルテは調整も。収録秘話、続々

 逢坂は《SAO》の魅力について、「自分のようなポジションの人でも、イベントに呼んでくれる懐の深さ」と回答。「普通の作品ではまず呼ばれないです。小林裕介も同じことを言うと思う」と述べると、松岡から「裕介は本当に昔から『禎丞と《SAO》で掛け合いたい! 自分も出たい!!』と言っていて」と、小林にまつわるエピソードが飛び出す。何でも小林は松岡のことが大好きらしく、当の松岡も「否定はしません」と容認。「本作に出ると決まったときも、スゴいテンションの連絡が来て。だから本人は、今日のイベントをめちゃくちゃ楽しみにしていたと思う」と明かしてくれた。

 そんな小林と一緒に収録を行ったのは逢坂だったそうで、「今の話を聞くと、禎丞とじゃなくてごめんねと(笑)」と小林のことを慮りながら、ここでジョーとモルテがどのように作られたのか、その制作エピソードが語られる。

 逢坂演じるジョーと、小林演じるモルテは、当初声質が似通っていたことから、小林が声色を若干低めにすることで調整が行われたのだそう。「悪役の咬ませ犬感があるキャラって、そっちの方向に寄せたくなるから、最初の演技プランが似ることがあるんです」としつつ、「現場に行って、みんなと一緒に作っていくのが醍醐味。自分ひとりじゃ作れないものがたくさんあります。ジョーもTVシリーズ第1期の頃を思い出しながら演じていますが、当時の僕と今の僕を比べるとやれることが増えているので、今の自分にできるいろいろな表現を使って、もっとこのキャラクターを面白くできたらいいなと考えています」と、役作りについて教えてくれた。

 すると「TVシリーズ第3期《アリシゼーション》編のときなんて、歌舞いてたもんね?」と振り返った松岡。それに逢坂も、「自分ではそんなつもりなかったんだけど(笑)、(声の芝居に合わせて)画(え)に表してくださって。最初は別の普通の絵だったのに、動きも付けてくださった。そういうところが《SAO》のスタッフさんはスゴいし、ありがたいです」と制作陣への想いを述べる。それに松岡も「『何でもやってください! 画(え)はこっちで何とかしますから』と、毎回言ってくださるんです。(アニメーション制作を担当する)A-1 Picturesさんは本当にスゴい」と労いの言葉を送り、「役者冥利に尽きますよね」と逢坂も頷き返していた。

3人揃って“待ち合わせ”する日が来ることを願って

 最後に、劇中での第5層フロアボス攻略、そして本作の興行収入10億円突破を記念して、第5層ボスダルマに目入れを実施。初日舞台挨拶にて戸松が片目を入れていたダルマが登場し、今回は松岡がこの大役を任される。「絶妙に気味が悪い顔のダルマですよね」という松岡に、初めて生で見た逢坂も「ほんとだね!?」と慄きつつ、無事目入れを終え、会場は拍手で包まれた。

 同年代の気の置けない声優仲間同士、笑いの絶えないトークを繰り広げてくれたふたり。「今日は好き勝手にしゃべっていましたが、楽しい時間を過ごさせていただきました」という逢坂に、「何のイベントだったっけ?みたいなね(笑)」と頷く松岡。

 最後の挨拶として逢坂は、「年末の遅い時間にお越しくださり、ありがとうございます。《SAO》は僕も新人の頃から付き合わせていただいている作品なので、これから先も続いていってほしいです。今年2022年はナーヴギアが発売された記念すべき年。今後本当にナーヴギアが作られればいいなと思いますし、《SAO》の世界を体感できるゲームも登場すればいいなと願っています。僕も元々原作読者だったので、感慨深い気持ちです」と語るとともに、「残念ながら今日小林くんは来られなかったですけど、もしかしたら……」と無念そうにポツリ。「でも、もう(自分たちが集まる機会は)ないかなぁ?」とこぼすと、「きっとスタッフさんに頼めば」と、再会を望む松岡。これには客席からも期待を込めた拍手が送られ、逢坂は「いつか彼のリベンジを果たせればいいなと思います」としながら、「多分来たら、禎丞への想いをぶち撒けてくれると思います」と笑顔。「ここで告られちゃうの?」と松岡も楽しそうな笑顔を見せ、「可能性は大いにある(笑)」と返した逢坂は、「それが実現できるよう、引き続き応援していただけたら嬉しいです」と会場へ呼び掛けた。

 2022年最後を飾る《SAO》イベントを締め括ったのは松岡。「年末のこの日、この時間にお越しくださり、改めてありがとうございました」と、会場へ足を運んでくれたファンに再び感謝を伝え、「自分たちが心血を注いでお芝居させていただき、すべてのスタッフの皆様が支えてくださり、そんな作品をこうして皆さんが楽しんでくださる……。こんなウィンウィンの関係はほかにないと思います。何回も観てくださって、本当にありがとうございます。作品が10周年を迎え、また新たな10年に向けて頑張っていきたいと思っていますので、これからも『ソードアート・オンライン』をよろしくお願いいたします。皆さん、良いお年を」と挨拶し、大きく温かい拍手が会場を包んだ。

 短いながらも、劇中同様“12月29日22:00 待ち合わせ”という、特別な時間になったこの日のイベント。12月31日からの公開11週目には、来場者特典として4種ランダムの「スタッフセレクト・ミニ複製アフレコ台本」が配布されるなど、まだまだ作品は盛り上がりをみせる。年末年始はぜひ劇場で、『劇場版 ソードアート・オンライン -プログレッシブ- 冥き夕闇のスケルツォ』を楽しもう!

登壇者:松岡禎丞、逢坂良太

(オフィシャル素材提供)

公開表記

配給:アニプレックス
10月22日(土)より全国公開!

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