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『かがみの孤城』ティーチイン上映会

©2022「かがみの孤城」製作委員会

 2018年本屋大賞を史上最多得票数で受賞した辻村深月のベストセラー小説「かがみの孤城」。子どもから大人まで幅広い世代に愛され、累計発行部数・170万部を突破した人気ファンタジー・ミステリー。そんな話題のベストセラー小説を『映画クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲』などを手掛け、泣けるアニメーションの名手と呼び声高い原 恵一監督が劇場アニメ化! 當真あみ、北村匠海、吉柳咲良、板垣李光人、横溝菜帆、高山みなみ、梶 裕貴、芦田愛菜、宮﨑あおいなど豪華声優陣を迎え大ヒット公開中。

 この度、その反響に応えて原 恵一監督と原作者の辻村深月が招かれ、ティーチインイベントが開催された。ここでしか聞けない映画の制作秘話や大ヒットの感謝の気持ちを話し、来場している観客からの熱い感想や質問を聞くQ&A形式のトークを繰り広げた。

 上映後のティーチインイベントということで、映画の余韻が冷めやらぬ中、会場の温かな拍手に包まれながら、原 恵一監督と原作の辻村深月が登壇。公開から1ヵ月以上が経ったが、原監督は「遅い時間の上映に来ていただき嬉しいです。観た人の熱気でしょうか、会場がとても暖かいです」と少しお茶目に挨拶をし会場を沸かせ、辻村深月は「たくさんの方々に観ていただけて胸がいっぱいです。そして第46回日本アカデミー賞優秀アニメーション作品賞の受賞おめでとうございます」と原作者として感無量の気持ちを明かし、会場からも温かい拍手が贈られた。
 『かがみの孤城 』大ヒットの反響を受けて、原監督は「鑑賞者からの感想も嬉しいが、原作を担当した辻村さんから『私が思い描いていたものがそこにありました』と言っていただけたことが嬉しかった」と語り、辻村が「子どもの頃、原さんのアニメを観て育ったので、今回一緒にお仕事ができて嬉しかったです。また、話題になっているエンドロールなど、様々なアイデアで原作を超えたものを作っていただけて、お客様を喜ばせるために最後の最後まで粘る演出など仕事ぶりを間近で観ることができて幸せでした」と明かした。


 そして、今回のイベントでは特別に原監督が実際に使用したアフレコ台本を公開! 脚本にはなかったセリフを原監督が直筆で追加しているシーンなど、なかなか見ることのできないものをスクリーンに投影し、客席からは感動の声が洩れた。
 そして、複数の観客から直接質問いただき、原監督と辻村が回答。「共感するシーンがたくさんありましたが、学校に行けないと心情は、なぜあんなに明確に描くことができたのでしょうか」という質問に辻村は「自分自身、学校生活がすごく充実して楽しく過ごした学生時代ではなく、きっと順風満帆な学生生活を送っていたら学校を舞台にした作品を書かないと思います。私の小説で学校を舞台にした作品が多いのは、きっと何か忘れ物があるから、何度も書いてしまうのかなと思います」と明かし、原監督は「学校に行けない子たちに『学校に行きなさい』という言うわけではなく、『今は何もしない時なんだね』という言葉をかけられる大人や周りの友達がいることが大事で、傍観者が話を聞いてあげて欲しいというメッセージが原作や映画に込められている」と今悩んでいる人やその周りにいる人へ、本作に込めた想いを明かした。また「『バカみたい』というセリフが、複数のシーンで使われていて、それぞれ異なる意味合いで使われていた点が印象に残っています」という感想に、辻村は「終盤の『バカみたいだよね、たかが学校のことなのにね』という東条さんのセリフは、同じ中学生なのに、外側からの視点を持っている子のことを書けて良かったなと思いましたし、私自身本を書きながら驚かされました。この言葉が心に残ったと言っていただけて嬉しいです」答えた。

 原監督は「こころと東条さんのシーンは作りながら僕も気に入っていて、東条さんの『たかが学校のこと』というセリフは学生に届いて欲しいセリフです。学校生活より社会に出てからの時間のほうがよっぽど長く、今学校に行けてなく悩んでいる人に、『辛い時間は永遠には続かないよ』と言ってあげたい」と語った。また「たくさんの伏線が張り巡らされた作品ですが、気を配られた点はありますか」という質問について、SNS上で話題になっている高山みなみさん演じるマサムネが言った某名探偵の決め台詞に関して、「単なる悪ふざけではなく、あれもちゃんとした伏線です。後付けですけど(笑)」と明かし、伏線の理由を説明 。また、前半と後半のこころの靴の描き方に変化をつけることで、こころの心情を表現している点も注目してほしいと明かした。


 最後に、辻村は「映画になって、多くの人に届いて嬉しいです。こころたちを原さんにお願いして良かったです。2回目を観ると気づくことがたくさんあり、自分で書いたのにいろいろなポイントで涙が出ます。何度観ても驚きがあって、何年先にも残るアニメーションになりました」と語り、原監督は「この原作はすごく共感をしてくれる物語で、たくさんの人に観ていただけてとしても嬉しかったです。こういうトークショーは楽しいです」と語り、時間いっぱいに語りつくし、惜しまれつつイベントは幕を閉じた。

登壇者:原 恵一監督、辻村深月(原作)

(オフィシャル素材提供)

公開表記

 配給:松竹
 大ヒット公開中

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