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「TBSドキュメンタリー映画祭 2023」オープニングイベント& 『東京SWAN 1946 ~戦後の奇跡『白鳥の湖』全幕日本初演~』舞台挨拶

©TBSテレビ

 TBSは魂を揺さぶる良質のドキュメンタリー映画の発信地となるべく立ち上げた、新ブランド「TBS DOCS」 のもと、今年も 『TBSドキュメンタリー映画祭 2023』を開催する。
 第3回目となる本映画祭は、【東京:ヒューマントラストシネマ渋谷/3月17日(金)~30日(木)】 【大阪:シネ・リーブル梅田/3月24日(金)~4月6日(木)】【名古屋:伏見ミリオン座/3月24日(金)~4月6日(木)】【札幌:シアターキノ/4月15日(土)~21日(金)】と、前回を上回る規模で実施。

 現在都内劇場で開催中の「TBSドキュメンタリー映画祭2023」にて3月17日、『東京SWAN 1946~戦後の奇跡『白鳥の湖』全幕日本初演~』が上映され、宮武由衣監督、LiLiCo、バレエダンサーの宮尾俊太郎と浅川紫織が舞台挨拶を行った。

 焼け跡の東京で食べ物も稽古着もない中、手探りで作り上げた奇跡の舞台『白鳥の湖』の歴史秘話に迫るドキュメンタリー。宮武監督は「終戦後にこんな出来事があったのかと驚きました。どん底にいた日本人が高尚であったであろうバレエでみんなをフィーバーさせたのはなぜなのか?とても知りたくなった」と企画理由を明かした。先んじて本作を鑑賞した同映画祭のアンバサダーを務めるLiLiCoは「この映画から皆さんがどんな言葉を持って帰るのか? 楽しみです」と期待を込めていた。

 宮尾は「楽譜すらない戦後の大変な時に、焦土と化した道を歩いて稽古場に行ったという当時のダンサーたちの情熱と動機を知りたかった」と本プロジェクト参加の理由を述べて「とはいえ当時のものをやる意義は何だ?との疑問が沸いた。当時の『白鳥の湖』は今に比べて洗練されておらず、今踊ると滑稽になるのではないかと。それを監督に話したら監督はフワッとしていて(笑)。宮武監督の『その理由を探りましょうよ!』というところから本当のドキュメントが始まりました」と回想。宮武監督は「私がフワッとしていたからか、宮尾さんは常に不機嫌でしたよね」と大笑いで暴露していた。

 一方、浅川は「当時の『白鳥の湖』を踊るなんて経験は今までないことで光栄でした。当時の形を今表現できるのか?それを今やることに意味があるのか?と不安や疑問はありましたが、今後の自分に活かせるよう、勉強しながら真摯にやりました」と報告。宮尾は当時の資料や写真を見ながら踊りを掴んでいったそうだが「心で踊るとは何か? その答えを見つけなければいけない。そこから旅が始まった気がする。先人たちの写真を見たときに、ゾクッとした。当時の人たちは中途半端に生きていない。今回の旅を通して、生きるとはどういうことか?を考えさせられました」と糧を得たという。

 当時と現在の踊り方の変化について宮尾は「資料が写真しかないので、それを元にフォルムや形を真似して再現をしたけれど、リフトひとつにしても形が違う。また現在の『白鳥の湖』の定番場面には登場しない人がいたりして、そもそも違う」と変遷に驚き。浅川は「衣装やシューズについても現代のように何でも可能な時代ではないので、ベースの流れで変わっていないところはあったとしても、踊るのが難しいところもあった」と実感していた。

 クライマックスでは当時の『白鳥の湖』を宮尾と浅川が再現。宮武監督は「宮尾さんたちに『心で踊って欲しい』と何度もお願いしたりして嫌われていないかと思ったけれど、最後はエネルギーを発するように踊られていて『心で踊っている!』と思った。皆さんそれぞれが歴史の1ページを作るというような意気込みを感じました」と大絶賛。完成した作品での当該場面を見て「涙が出た」という宮尾は、宮武監督から何度も『心で踊って!』と粘られたというが「結果的にいいものを引き出していただきました。宮武さんは素晴らしい監督です!」と称賛していた。

 登壇者:LiLiCo(2023映画祭アンバサダー)、宮尾俊太郎、浅川紫織、宮武由衣監督

『東京SWAN1946 ~戦後の奇跡『⽩⿃の湖』全幕⽇本初演~』

©TBSテレビ

 監督︓宮武由⾐、上映時間:81分

 1946年、敗戦直後。京城出⾝の⻘年・島⽥廣は⾃⾝のバレエの才能を⾒出したロシア⼈の師匠・エリェナ・パァヴロヴァの悲願を成し遂げるために前代未聞の『⽩⿃の湖』全幕初演という無謀な挑戦に奔⾛する。
 次々と仲間を増やしていく島⽥の前に現れたのは、若き⽇に密航し、上海でスターダンサーに昇りつめた謎の男・⼩牧正英。
 ⾷べ物も稽古着もないなか、⼿探りで作り上げる奇跡の舞台。
 焼け跡の東京で起きた感動の歴史秘話。

(オフィシャル素材提供)

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