イベント・舞台挨拶

映画『零落』公開記念「零落ナイト」トークショー

©2023 浅野いにお・⼩学館/「零落」製作委員会

 浅野いにお原作による漫画家の“極限の業”を描いた衝撃作を完全映画化した『零落』。現在⼤ヒット中の本作のさらなるヒットを祈願すべく、4⽉4⽇(火)にLIQUIDROOMにて「零落ナイト」が開催された。ハナレグミ、東京スカパラダイスオーケストラ、ドレスコーズら『零落』に参加したミュージシャンが⼀夜限りの⼤集結。熱のこもったライブ・パフォーマンスを繰り広げたほか、斎藤 ⼯、MEGUMI、⽵中直⼈監督、浅野いにおがトークを⾏った。

 チケット・ソールドアウトの場内は、『零落』にカメオ出演したDJ⾼⽊ 完による⾳楽が流れ、ライブ開始前から準備万端。オープニング・アクトとして登場したのは、国分寺からやって来たという“流しの歌⼿”チャーリー・ボブ彦。どう⾒ても⽵中にしか⾒えないボブ彦は「⽵中監督にこの場を温めてほしいと⾔われたので、みんなの⼼を温めに来ました!」とギターの弾き語りで謎の歌を熱唱して、会場のボルテージを⾼めていた。

 そんなボブ彦に紹介されてステージに登場したのは『零落』主演の斎藤 ⼯。「どうもディーン・フジオカです。おディーン様です。……今⽇はこんな感じのイベントです!」と⾃⼰紹介ボケをかまして場を盛り上げながら「これから登場するアーティストさんはみんな本物! このイベントを開催できるのは、今の時代に寄り添ってマスクをしながら楽しんでくれている皆さんのお陰です」と詰めかけた観客に感謝。ボブ彦からやっとプレーンの⽵中直⼈に戻った⽵中監督も「今⽇は凝縮した忘れられない夜になるはず!」と呼び掛けていた。

 トップバッターは斎藤 ⼯演じる漫画家・深澤の担当編集者役として『零落』で演技に初挑戦したハナレグミの永積 崇。弾き語りのスタイルで「⾳タイム」、⽵中直⼈監督5作⽬の主題歌「サヨナラCOLOR」、そして故・坂本⿓⼀と⽵中の共作「君に星が降る」を⽵中とデュエット。曲紹介では⽵中監督から教授とのエピソードが語られる⼀幕もあり観客の注⽬を集めていた。最後は「⼤安」で締め、永積は撮影を振り返り「セリフまでいただいて……。とてもいい経験をさせてもらいました」と話した。

 2番⼿はパーカッションの⼤森はじめが劇中歌に携わった東京スカパラダイスオーケストラ。「今⽇は⽵中直⼈ファミリーの⼀員として盛り上げに来ました!」と30年以上の仲という⽵中監督の『零落』公開を祝福するように、ベテラン・ライブ・バンドとして縦ノリ激熱パフォーマンス。ハナレグミ・永積タカシをボーカルに迎えた「追憶のライラック」を「追憶の“レイラック”」と洒落をきかせて抜群のコラボステージを披露。MCでは永積が⼤いに緊張して臨んだクランクイン・シーンのセリフを今でも覚えている話になり、「深澤先⽣、8年間の⻑期連載、お疲れさまでした」と映画本編のセリフを⼀⾔。さらに⽵中監督も⼤好きだというフィッシュマンズの「いかれた Baby」をカバーしてオーディエンスを興奮の渦へと引き込んでいた。

 そして、⾼⽊ 完のDJを挟み、⽵中監督、斎藤 ⼯、MEGUM のトークコーナーに。さらに急遽、原作者の浅野いにおもステージに登壇! ⽵中監督は「スカパラで⼤興奮!」、斎藤は「『サヨナラCOLOR』で泣きました」、MEGUMIも「私も聴きながら袖で泣きました」と⼀観客として「零落ナイト」を満喫。


 出演者であり本作のプロデューサーも引き受けたMEGUMIは「⽵中さんがかなり読み込んだ『零落』の漫画をお持ちになりながら『俺はどうしてもこれを映画にしたい!』と⾔われて。レジェンドがそこまで⾔うならば、私も酔っぱらった勢いで『やります!』と引き受けました」と製作の舞台裏を回想。⽵中は「酔っぱらった勢いってショックだよ!」と苦笑いも「この映画は浅野さんに向かって作った映画。浅野さんにラブレターを送ったつもりで作りました」と想いを述べた。

 ⾃⾝の経験も作品に反映されているという浅野は、主⼈公・深澤 薫を演じた斎藤について「斎藤さんがイケメンだからこそ、僕との齟齬をどうするべきかという葛藤があった」と笑わせつつも「SNSでは、深澤はクズ男だけれど斎藤 ⼯がエロいから⾒ていられるという感想がほとんど。ずっとうんざりしている斎藤さんを2時間8分も⾒られるのは貴重です!」とキャスティングに納得の表情。完成作について問われると「どう考えたって素晴らしい映画です。こんなに完璧なキャストで監督も最⾼。僕はエゴサーチ魔なのですべての感想をチェックしていますが、評判が本当にいい! 僕は幸せ者です」と喜⾊満⾯だった。

 MEGUMIは「本当に何回も頓挫しそうになった。⽵中監督というレジェンドの勢い、熱量に吸い寄せられるようにたくさんの⼈が集まって形になった奇跡のような作品です」と⼀筋縄ではいかなかった『零落』の制作を振り返った。また斎藤は「実はMEGUMIさん、原作の浅野先⽣、⾳楽の志磨くん、僕と4⼈が同年代なんですよね。偶然だけど必然のような不思議な縁がありました。経験してきたカルチャーとかも似ていて」と意外な共通点を発⾒。すると⽵中監督も「漫画家のつげ義春さんもね」と話をふり、⽵中監督の初監督作品『無能の⼈』はつげ義春の同名漫画が原作、斎藤は朝ドラでつげ義春役を演じたことがあり、浅野は漫画家を志したきっかけがつげ義春の『ねじ式』とこちらも不思議な偶然が明らかになった。

 ゆかりのあるミュージシャンが集結した豪華な⼀夜に、⽵中監督は「⼤好きなミュージシャンと俳優と原作者とそして皆さんとここに存在していることが信じられない」としみじみ。斎藤が「坂本⿓⼀さんが好んだ『芸術は⻑く、⼈⽣は短し』という⾔葉があるように、作品とは作った本⼈たちの寿命よりも⻑いのかもしれない。映画も作品が完成して上映して終わりではなく、そこから始まるものもある。まさにサヨナラからで、『零落』もサヨナラから始まる作品にしたい」と意気込むと、⽵中監督は「斎藤 ⼯が綺麗過ぎるゾ!」とその⾔葉に感動していた。

 この⽇のライブのトリを務めた『零落』の⾳楽・主題歌を担当したドレスコーズ。⽵中監督と浅野の間では「『零落』の⾳楽は志磨遼平しか考えられない」と制作前から話していたとトークショーで話題に。映画本編で、ちふゆが⾼校時代に聞いていた曲として登場する「スーパー、スーパーサッド」、主題歌「ドレミ」を含む6曲を全⾝全霊で熱唱。志磨遼平は「最⾼のキャスト、スタッフ、メンバーで最⾼の映画ができました!」とアピールしていた。そしてラストは、ステージに全員が集まり、観客と記念撮影。⽵中監督と斎藤は「映画はまだ上映中なので、映画館で待ち合わせましょう!」と『零落』のさらなる広がりに期待を込めていた。

 登壇者:ハナレグミ、東京スカパラダイスオーケストラ、ドレスコーズ
     斎藤 ⼯、MEGUMI、⽵中直⼈(監督)、浅野いにお(原作者)DJ高木 完

公開表記

 配給:日活/ハピネットファントム・スタジオ
 絶賛公開中

(オフィシャル素材提供)

関連作品

スポンサーリンク
シェアする
サイト 管理者をフォローする
Translate »
タイトルとURLをコピーしました