イベント・舞台挨拶

『aftersun/アフターサン』スペシャルトークイベント付き試写会

©Turkish Riviera Run Club Limited, British Broadcasting Corporation, The British Film Institute & Tango 2022

 本年度アカデミー賞®主演男優賞にノミネートされている注目作『aftersun/アフターサン』が、5月26日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿ピカデリーほかにて全国公開される。
 5月18日(木)、本作の公開に先立ち、コラムニストの山崎まどかと、『少女邂逅』(2017)などで知られる映画監督の枝 優花監督をゲストに迎え、スペシャルトークイベント付き試写会が行われた。

 いよいよ来週5月26日に公開を迎える映画『aftersun/アフターサン』。それに先立ち、5月18日に東京・ヒューマントラストシネマ渋谷にてスペシャルトークイベント付き試写会を実施。今回ゲストとして登壇したのは、コラムニストで主演ポール・メスカルが一躍脚光を浴びるきっかけとなったドラマ『ノーマル・ピープル』原作本の翻訳を手掛けた山崎まどかと、『少女邂逅』(2017)などで知られる映画監督の枝 優花。共に本作へ絶賛のコメントを寄せている2人。脚本家・写真家・監督とマルチな才能をみせる枝は「娘と父の切り取り方が独特で、父が見たい顔を見せてくれない、背中のショットがすごく多かったり、ベランダ越しだったりというのがすごく気になりました」と感想を語った。先月本作のメガホンを取ったシャーロット・ウェルズ監督の来日取材時にカメラマンを務めた枝。ウェルズ監督については「そのまんまこの映画のような人でした。あまり語りたがらないシャイな人だけど、自分の興味のあることだと前のめりになってしゃべってくださって。自分をこう見せたいとか、こうありたいとかのエゴがなく監督が自分自身と向き合って作った作品なんだなと感じました」と言葉を交わした際に感じた印象を語っていた。

 監督の自叙伝的な要素を持つ本作について、山崎は「子どもの主観というものが大きなテーマになっていて、ホームビデオの映像が地続きになっているんですよね。本作は彼女が映画みたいに何回も記憶を再生した結果出来上がった思い出であり、父親がどういう状況を抱えているのかなど、彼女が知りえないことは何も描かれていないんです」と本作の主観性を説明。さらに、山崎はその主観的な視点を枝の長編1作目である『少女邂逅』にも感じたという。枝は「主観で進んでいく話が好きなので、お客さんにどう画面を追いかけてほしいか、ここの説明を省いた方がいいとか、観終わったあとどんな気持ちになってほしいかを逆算して視点を作っていくのですが、この作品を観たときにものすごい高度なことをやっているな思い、完全に心を操られました。父・カラムと過ごしたことがないのにあたかも一緒に過ごしたような気持ちになって。このバランスを作り出すことが難しいことは分かっているので作り手の視点としてもすごいなと思いました」とクリエイターとしての自身の経験を交えながら本作を絶賛していた。

 最後に、作品の感想として“エモい”という言葉が頻繁に使われていることに関して山崎は、「若い人がこの映画を“エモい”というのはフィルムカメラ、フィルターの雰囲気に90年代のノスタルジーが映像の質感にあるからだと思います。今のデジタル映画のパキッとした感じを避けた柔らかい質感、それが“個人的な思い出感”というものを醸し出していたのだと思います」と分析。映画でありながらどこか親密さを感じ、物語を観ている感じとは少し違った感情を抱いたと振り返った。その点には枝も深く賛同し、いつの間にか「監督の記憶を辿っているはずだったけど自分の記憶になっていました」と多くを語らず、それゆえにそのミニマリスティックな“余白”が観客の大切な記憶を想起させる本作の魅力について語り、イベントを締めくくった。

 登壇者:山崎まどか、枝 優花監督

公開表記

 配給:ハピネットファントム・スタジオ
 5/26(金) ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿ピカデリーほか全国公開

(オフィシャル素材提供)

関連作品

スポンサーリンク
シェアする
サイト 管理者をフォローする
Translate »
タイトルとURLをコピーしました