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Netflixシリーズ『THE DAYS』ワールドプレミア舞台挨拶

製作・提供:Netflix

 ヴィム・ヴェンダース監督作『PERFECT DAYS』で第76回カンヌ国際映画祭最優秀男優賞を受賞した役所広司が、都内にて開催されたNetflixシリーズ『THE DAYS』ワールドプレミア舞台挨拶に、共演の竹野内豊、小日向文世、小林 薫、遠藤憲一、石田ゆり子、増本 淳プロデューサー、西浦正記監督、中田秀夫監督と共に登壇して、多くの祝福の言葉と会場からの大きな拍手を受けた。

 周りからの「本当におめでとうございます」の言葉に、「皆さんの応援がカンヌに届いていました。ありがとうございます」と終始笑顔の役所だったが、本作への出演に当初は躊躇していたことを告白した。

 福島第一原発の吉田昌郎所長役を演じた役所は「最初に増本プロデューサーからお話をもらった時は、実際に起きた福島の原発の事故で、家族を亡くした方々がたくさんいる中で『これをドラマにしていいんだろうか』と思い、躊躇しました」と話す。“あの場所で、本当は何が起こっていたのか”と話す増本プロデューサーの熱い思いを受けて出演を決断したことを明かした。そして、「この作品はみんなで本当に力を合わせて、志を持って作った作品です」と伝えた。

 西浦監督は「我々が日々紡いだ気持ちを残した“映像”です」。増本プロデューサーは「この企画を役所さんに提案したのは2018年の暮れでした。コロナウイルスの流行で1年以上中断となり、5年越しで、やっとここまで来れました」と感謝を口にした。

 1、2号機の当直長役を演じた竹野内は「極限状況下における当時の作業員の方たちの精神状況は、我々の想像をはるかに超えるものだったと思います。自分に何度問いかけても答えが出ないシーンばかりだったので、気持ちだけは大事にしていこうと思って演じていました」と実際に起きた事故を描いた作品に出演する上で、心がけたことについて語った。また、役所との共演については「役所さんとのシーンは少なかったのですが、オンラインから聴こえる役所さんの声だけでも、何か引っ張られるものがあって、助けていただきました」と振り返っていた。

 1、2号機のベテラン運転員を演じた小林は「ずっと防護服を着ていたので大変でした」と苦労を吐露し、作業中のハァハァという息遣いに苦労したことを明かし、「“お国のため”というか、家族や身近な人ため、自分の仕事の誇りのために人はこんなに命懸けになれるんだと、演じていて思いました」とコメントした。

 遠藤はまず、「役所さん、おめでとうございます。ノリノリじゃないですか! でもよく考えたら役所さんはずっとノリノリですよね。そのパワーを尊敬しています」と役所のカンヌでの快挙を祝福した。遠藤は、今作で行方不明になる運転員の父役を演じているが、「緊迫した刺激的な現場で、勉強になりました」と真摯に語った。

 遠藤の妻役を演じた石田は、全8話をいっき見したことを明かし、「台本だけでは分からなかったことが、映像になるとこんなことがあったんだと分かる。そしてそれが事実に基づいていることが胸に迫りました。このことをドラマにするのは、とてもつらいことだし、勇気のあることだと思います。私のセリフは少なかったのですが、心の中にいっぱい言葉が詰まっていて。口には出さないけど、密度の濃い“祈り”でしたね。濃い、重たい現場でした」と振り返っていた。

 内閣総理大臣役を演じた小日向は「日本の俳優たちを世界に発信することができて、本当に光栄だと思います。この配信ドラマをきっかけにもう一度あそこに立ち返って、考えていただきたいなと思います」と話した。「台本をいただいて、いかに現場がすさまじい状況だったかを知りました。総理を演じるにあたって総理は、実際はどうだったのかと、台本を読んでみて興味がわいて、演じてみたいなと思いました」と語った。

 4、5話を監督した中田監督は「いつもはホラーを監督することが多く、史実に基づく作品は初となり感慨深いものがあります」としみじみ。

 最後に役所は客席に向かって「汗だくになって演じた俳優たちもみんな、頑張りました! ドラマは配信されますが、皆さんも発信してください。いま世界中がエネルギーについて考えなければいけない時期になってきます」と祈るような気持ちで伝えた。

 本作は、2011年に起きた東京電力福島第一原発事故を全8話で描くシリーズ・ドラマ。入念なリサーチに基づいて“あの日、あの場所で、本当は何が起こっていたのか”を、政府、会社組織、原発所内で事故に対峙する者たち、それぞれの視点の物語を実話に基づき、克明にとらえて描く。

 企画・脚本・プロデュースは、『コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-』シリーズ、『白い巨塔』、『はだしのゲン』といった骨太な社会派ドラマを世に送り出してきた増本 淳。『コード・ブルー』シリーズの監督として増本と長年タッグを組んできた西浦正記と、『リング』シリーズの中田秀夫がダブル監督を務めている。

 Netflixシリーズ『THE DAYS』はNetflixにて6月1日(より世界独占配信。全8話。

 登壇者:役所広司、竹野内豊、小日向文世、小林薫、遠藤憲一、石田ゆり子、増本淳プロデューサー、西浦正記監督、中田秀夫監督

(取材・文・写真:福住佐知子)

Netflixシリーズ『THE DAYS』

 配信情報:2023年6月1日(木)より、 Netflixにて世界独占配信!

  出演:役所広司、竹野内豊、小日向文世、小林 薫
    音尾琢真、光石 研、遠藤憲一、石田ゆり子ほか

 企画・脚本・プロデュース:増本 淳
 監督:西浦正記、中田秀夫
 原案:門田隆将「死の淵を見た男 吉田昌郎と福島第一原発」(角川文庫刊)
 エグゼクティブ・プロデューサー:高橋雅美、高橋信一
 プロデューサー:関口大輔、増子知希、髙田良平
 製作:ワーナー・ブラザース映画
 制作:リオネス

Netflix作品ページ:https://www.netflix.com/title/81233755(外部サイト)

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