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『イ・チャンドン レトロスペクティヴ4K』8月開催決定!

 韓国を代表する巨匠イ・チャンドン。代表作『シークレット・サンシャイン』『バーニング 劇場版』を含む全監督作6作品、そしてフランスのドキュメンタリー映画監督アラン・マザールと共に製作したイ・チャンドン自らが過去作を振り返り、創作活動の原点とその歩みを見つめる日本初公開の新作ドキュメンタリーで編成されたイ・チャンドンの本格的な特集上映『イ・チャンドン レトロスペクティヴ4K』が8/25(金)より、ヒューマントラストシネマ有楽町他、全国順次公開が決定した。あわせてWEB限定のティザーポスターが解禁された。

99分のタイムトラベル。見えない物の真実を探す――。イ・チャンドン監督自らが辿る原点と歩み。

 イ・チャンドン作品に魅了されたフランス人ドキュメンタリー映画監督の発案でスタートしたプロジェクトは、コロナ禍での困難を逆手に取る形で当初被写体であったはずのイ・チャンドン監督が、彼の制作会社パインハウス・フィルム全面協力のもと水先案内人として本作に深く携わる。新作ドキュメンタリー映画『イ・チャンドン アイロニーの芸術』(監督:アラン・マザール)は、43歳にして小説家から映画監督に転身した異色のキャリアを、かつてないほど率直なイ・チャンドン本人の述懐、ゆかりの地にふたたび自ら足を運ぶ“聖地巡礼”だ。これまでのフィルモグラフィーを彩ってきた豪華俳優陣ソル・ギョング、ソン・ガンホ、チョン・ドヨン、ムン・ソリ、ユ・アイン他、錚々たる顔ぶれも次々と登場し撮影当時を振り返る。自身のこれまで語られることのなかった芸術に対する思い、揺れる時代に向き合い芽生えたアイデンティティ、創作の原点に迫る――。もう一度観返したくなる、初めての作品に触れたくなる、新作を撮るごとに世界中から熱い注目を集める寡作な巨匠の記憶の深淵を旅する圧巻のドキュメンタリーが誕生!

4Kレストアで堪能する珠玉の全6作品!

 初の本格的なレトロスペクティヴの上映プログラムは、イ・チャンドンの名を初めて世界に知らしめた初期の傑作(過去唯一4Kで上映)『ペパーミント・キャンディー』(99)に加え、第71回カンヌ国際映画祭〈国際批評家連盟賞〉受賞作『バーニング 劇場版』(18)、第63回カンヌ国際映画祭〈脚本賞〉受賞作『ポエトリー アグネスの詩』(10)、第60回カンヌ国際映画祭〈主演女優賞〉をチョン・ドヨンにもたらした『シークレット・サンシャイン』(07)、第59回ヴェネチア国際映画祭〈最優秀監督賞〉ほか数々の賞に輝いた『オアシス』(02)、そして長編デビュー作『グリーンフィッシュ』(97)が新たに4Kで蘇る。これらはすべて、韓国にてイ・チャンドン監督自らがレストア作業を担当。修復の様子は、新作『イ・チャンドン アイロニーの芸術』でも垣間見ることができ、4Kに対する監督のこだわりを感じられる。日本での初のレトロスペクティヴ上映の開催決定に際し、イ・チャンドン監督からコメントが寄せられた。

 (レストア作業は)映画を保存するため、過去の映画と新たな観客と出会い結び付けるためにも、必須だと思います。元々のクオリティを維持するための綿密な作業には時間と費用を要し、その映画に関わった監督やスタッフが作業に携われない場合もありますが、幸いなことに、私は今回その機会を得ることができました。当時の映像の雰囲気や印象、そして感情を味わえることに努めてアップグレードしましたので、そこに注目して観てもらえたらと思います。
 (今回の日本での上映について)とても嬉しく、大きな期待を寄せています。私はいつも韓国のほか日本、欧米など遠くにいて違う文化圏にいる観客であっても、人間であれば、根本的に共有や理解、意思の疎通ができると思っています。今回のレトロスペクティヴを通して、私たち人間について、人生について、皆さんと分かち合えればと思います。新しい日本の観客の皆さんとお会いできることを楽しみにしています。

 上映プログラム作品と呼応するような新作ドキュメンタリー映画『イ・チャンドン アイロニーの芸術』とともに、イ・チャンドンの映像世界を存分に味わうことのできる珠玉のレトロスペクティヴ。海外映画祭の監督特集や企画展などを除けば、この日本でのイベントが一般上映としては世界初となる。イ・チャンドンに魅了されてきた長年のファンにとっても、その深遠な作品世界をこれから深掘りしていく若い世代の観客にとっても、またとないこの貴重な機会にぜひ劇場のスクリーンで堪能してほしい。
 また、今回のレトロスペクティヴ開催に先立ち、イ・チャンドンが1992年に発表した小説集「鹿川(ノクチョン)は糞に塗(まみ)れて」の邦訳版が、アストラハウスより7月28日に発売される。本書に収録される表題作と中篇「星あかり」については、ドキュメンタリー『イ・チャンドン アイロニーの芸術』本編で、著者自らが舞台となった土地を案内しながら執筆当時を語るシーンもある。映像だけでなく、文学としてもイ・チャンドン作品を楽しむことができる、この機会をぜひお見逃しなく。

「鹿川(ノクチョン)は糞に塗(まみ)れて」(著:イ・チャンドン/翻訳:中野宣子)
 発売日:7/28 定価:2,600円+税
 出版社:アストラハウス https://astrahouse.co.jp/(外部サイト)

イ・チャンドン レトロスペクティヴ4K 上映ラインナップ

『イ・チャンドン アイロニーの芸術』

ⒸMOVIE DA PRODUCTIONS & PINEHOUSE FILM CO., LTD., 2022

 (原題:LEE CHANG-DONG : THE ART OF IRONY、2022、フランス=韓国、上映時間:99分)

 99分のタイムトラベル。見えない物の真実を探す――。
 韓国映画の巨匠イ・チャンドン監督が制作の原点と人生を語る 人間の感情という、見えない物の真実を描き続けてきたイ・チャンドン作品の本質を、監督自らが現在から過去へと遡りながら、紐解いていく。本編には監督にゆかりのある俳優や、制作スタッフも出演。さらに各作品のロケ地や著書、監督が幼少期に過ごした場所も映し出される。

 出演:イ・チャンドン、ムン・ソングン、ソル・ギョング、ソン・ガンホ、チョン・ドヨン、ムン・ソリ、ユ・アイン
 監督:アラン・マザール
 協力:ツイン
 配給:JAIHO

『バーニング 劇場版4K』

©2018 PinehouseFilm Co., Ltd. All Rights Reserved

 (原題:버닝、2018、韓国、上映時間:148分)

彼女は一体、なぜ消えたのか?待ち受ける衝撃のラストは、想像を絶する――。
村上春樹「納屋を焼く」原作×イ・チャンドン極上のミステリー!第71回カンヌ国際映画祭国際批評家連盟賞受賞作品。

 小説家を目指しながら、バイトで生計を立てるジョンス(ユ・アイン)は、偶然幼馴染のヘミ(チョン・ジョンソ)と出会う。ヘミからアフリカ旅行へ行く間、飼っている猫の世話を頼まれるジョンス。旅行から戻ったヘミはアフリカで出会ったという謎の男ベン(スティーブン・ユァン)を紹介する。ある日、ベンはヘミと共にジョンスの家を訪れ、自分の秘密を打ち明ける。“僕は時々ビニールハウスを燃やしています”――。そこから、ジョンスは恐ろしい予感を感じずにはいられなくなるのだった……。

 出演:ユ・アイン、スティーブ・ユァン、チョン・ジョンソ
 監督:イ・チャンドン
 協力:ツイン
 配給:JAIHO

『ポエトリー アグネスの詩 4Kレストア』

©2010 UNIKOREA CULTURE & ART INVESTMENT CO. LTD. ET PINEHOUSE FILM. TOUS DROITS RESERVES

 (原題:시、2010、韓国、上映時間:139分)

ここは、「私」を探しにきたところ。人生の美しさはどこにあるのか? 新たなる衝撃作――。
第63回カンヌ国際映画祭脚本賞受賞作品。

 釜山で働く娘の代わりに、中学生の孫息子ジョンウクを育てているミジャ(ユン・ジョンヒ)。ミジャは好奇心旺盛でおっとりしている。ある日、町の文化センターで偶然に詩の講座を受講し、人生で初めて詩を書くことになる。詩のテーマを見つけるために、これまで何気なく過ごしていた日常を思い返し、美しさを探そうとするミジャ。今まで見てきた全てのものがまるで初めて見る物のように少女のように心ときめくのだった。しかし、ジョンウクが自殺した少女の死に関わっている同級生グループの1人である事が発覚し、世の中が自分の思うように美しくはないことを知る……。

 出演:ユン・ジョンヒ、イ・デヴィッド、キム・ヒラ、アン・ネサン
 監督:イ・チャンドン
 協力:ツイン
 配給:JAIHO

『シークレット・サンシャイン 4Kレストア』

©2007 CINEMA SERVICE CO., LTD. ALL RIGHTS RESERVED

 (原題:밀양、2007、韓国、上映時間:142分)

ふりそそぐ陽射しをどれだけ浴びたら、あなたの悲しみは消えゆくのだろう――。魂を揺さぶる感動作!
主演のチョン・ドヨンが第60回国際映画祭主演女優賞に輝いた作品。

 シネ(チョン・ドヨン)は事故で亡くなった夫の故郷で再出発するため、息子とソウルからミリャンに引っ越して来る。車が途中で故障し、レッカー車を呼ぶと、自動車修理工場を営むジョンチャン(ソン・ガンホ)が現れた。彼の好意でシネは無事にピアノ教室も開き、順調に新生活を送っていたが、ある日息子が誘拐され……。

 出演:チョン・ドヨン、ソン・ガンホ、チョ・ヨンジン、キム・ヨンジェ
 監督:イ・チャンドン
 協力:ツイン
 配給:JAIHO

『オアシス 4Kレストア』

©2002 Cineclick Asia All Rights Reserved.

 (原題:오아시스、2002、韓国、上映時間:133分)

世の中から疎外された二人が知った“はじめての愛”第59回ヴェネチア国際映画祭にて3冠獲得!
《最優秀監督賞、新人俳優賞(ムン・ソリ)、国際批評家連盟賞》。

 ひき逃げ事故で兄を助け刑務所から出たばかりの青年ジョンドゥ(ソル・ギョング)は、家族のもとへ戻るものの、皆からけむたがられていた。ある日、被害者家族のアパートを訪れた彼は、寂しげな部屋で一人取り残された女性コンジュ(ムン・ソリ)と出会う。脳性麻痺を持つコンジュは、部屋の中で空想の世界に生きていた。二人は互いに心惹かれ合い、純粋な愛を育んでいくが、周囲の人間はだれ一人として彼らを理解しようとはしなかった。そして、ある事件が起こる……。

 出演:ソル・ギョング、ムン・ソリ、アン・ネサン、チュ・グィジョン、リュ・スンワン
 監督:イ・チャンドン
 協力:ツイン
 配給:JAIHO

『ペパーミント・キャンディー 4Kレストア』

 (原題:박하사탕、1999、韓国、上映時間:130分)

激動の韓国現代史を背景に、20年の記憶を辿る時間旅行。
イ・チャンドンの名を初めて世界に知らしめた初期の傑作。

 1999年、春。旧友たちとのピクニックに場違いな恰好で現れたキム・ヨンホ(ソル・ギョング)。そこは、20年前に初恋の人スニム(ムン・ソリ)と訪れた場所だった。仕事も家族もすべてを失い、絶望の淵に立たされたヨンホは、線路の上で向かってくる列車に向かって「帰りたい!」と叫ぶ。すると、彼の人生が巻き戻されていく。自ら崩壊させてしまった妻ホンジャ(キム・ヨジン)との生活、互いに惹かれ合いながらも結ばれなかったスニムへの愛、兵士として遭遇した「光州事件」……。そして、記憶の旅は人生のもっとも美しく純粋だった20年前にたどり着く……。

 出演:ソル・ギョング、ムン・ソリ、キム・ヨジン、パク・セボム
 監督:イ・チャンドン
 協力:ツイン
 配給:JAIHO

『グリーンフィッシュ 4Kレストア』

©2005 CINEMA SERVICE CO.,LTD. ALL RIGHTS RESERVED

 (原題:초록물고기、1997、韓国、上映時間:111分)

『シュリ』のハン・ソッキュ主演×イ・チャンドン監督長編デビュー作品。
アウトサイダーな3人の男女が織りなす喪失と希望の物語。

 兵役を終えて汽車で故郷へ向かっていたマクトン(ハン・ソッキュ)は、赤いスカーフを巻いたひとりの女性が、チンピラに絡まれているのを助けたものの、喧嘩になり、汽車から取り残されて、女性と声を交わすことなく別れてしまう。マクトンの手元には赤いスカーフだけが残る。暫くして、ミエ(シム・ヘジン)と名乗る女性から電話が入る。彼女は赤いスカーフの女性で、ナイトクラブのステージに立ち、新興組織のボス、テゴン(ムン・ソングン)の情婦でもあった。ミエの口利きと持ち前の負けず嫌いの性格で組織の一員になったマクトンは、テゴンに気に入られ頭角を表すようになる。ミエへの恋心を抱きながらも、テゴンへの忠誠を誓うマクトン。その頃、対立組織のボスが刑期を終えて出所し、マクトン等に圧力をかけてくるようになる……。

 出演:ハン・ソッキュ、ムン・ソングン、シム・ヘジン、ミョン・ゲナム、オ・ジヘ、ソン・ガンホ
 監督:イ・チャンドン
 協力:ツイン
 配給:JAIHO

『イ・チャンドン レトロスペクティヴ4K』

  8/25(金)より、ヒューマントラストシネマ有楽町他、全国順次公開

公式サイト

『イ・チャンドン レトロスペクティヴ4K』オフィシャルサイト
8月25日(金)|韓国映画界の巨匠イ・チャンドン。監督作全6作品と新作ドキュメンタリーで編成されたイ・チャンドン初の本格的な特集上映がこの夏、日本公開

  

(オフィシャル素材提供)

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