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『こんにちは、母さん』第25回上海国際映画祭 記者会見&舞台挨拶

©2023「こんにちは、母さん」製作委員会

 山田洋次監督最新作、映画『こんにちは、母さん』が9月1日(金)より全国公開となる。山田監督にとって90本目となる記念すべき本作の主演に迎えたのは、共に映画界を牽引し続けてきた吉永小百合。共演には、数々の映画・ドラマに出演し、NHK大河ドラマでの公演も記憶に新しい大泉 洋、『キネマの神様』に続き二度目の山田組参加となる永野芽郁ら豪華俳優陣が集結。東京の下町でいまこの令和を生きる、等身大の家族を描く。『母べえ』『母と暮せば』に続く『母』3部作として、日本を代表する名女優・吉永小百合の集大成ともいえる本作。日本映画史に残る新たな名作が誕生した。
 6月16日(金)(現地時間)、現在開催中の第25回上海国際映画祭の記者会見、そして“世界初”お披露目となったプレミア上映後の舞台挨拶に山田洋次監督が登壇した!

 上海国際映画祭は中国本土で開催される映画祭として唯一、国際映画製作者連盟(FIAPF)の認定を受けている、アジア最大級の規模を誇る映画祭。今年は128以上の国と地域から約8800作品の応募があった中、山田洋次監督の最新作『こんにちは、母さん』は、同映画祭の最高賞にあたる「金爵賞」(ゴールデンゴブレット賞)の長編コンペティション部門にノミネート。長編コンペ部門ノミネート作品は全12作で、そのうち2作品が本作を含む日本映画だ。長編コンペティション部門で最優秀作品賞を受賞した場合は、日本映画としては2005年に行われた第8回上海国際映画祭で最優秀作品賞を受賞した『村の写真集』(三原光尋監督)以来18年ぶりの快挙となり、本作への注目も高まっている。

 そんな中、本作の“世界初”となるプレミア上映が行われた6月16日(金)、多くの報道陣が詰めかけた記者会見に山田監督が参加し、現地記者との質疑応答が実施された。

 報道陣の前に姿を見せた山田監督は挨拶を求められると「上海国際映画祭は僕も何回も来させていただいている映画祭なのでとても親しみがあります。僕の新しい作品をここで上映していただくことができ、とても光栄です」と上海国際映画祭に対する想いを語った。さらに本作について聞かれると「僕ももう若くない。年齢も重ねていますし作品の出来については甘く見てほしい」とユーモアを交えながら答えつつ、「今作は恋をするお母さんという役どころですから、吉永小百合さんにこれまで僕の映画で演じてもらったお母さんとは違うと思います」と話した。
 また記者から作品に関連して「母親の恋」に関する質問が出ると、山田監督ご自身の母親が再婚の経験があることに触れ「この作品には、僕がその時に母親に対して感じた息子としての戸惑いや悩みが重なっているかもしれません。(母が恋をすることは)ひとりの母親であると同時に、ひとりの女性であるし、ある男性を好きになることは人間として仕方のないことなのだと思う」と、母の恋に関して自身の考えを述べた。

 また恋をする母の息子を演じた大泉 洋については「大泉 洋くんはいま日本で最も人気のあるスターの一人ですね。そのスターの大泉さんを小百合さんの息子にする、というのは良いキャスティングだったと思う。イメージ通りに素敵な芝居をしてくれました」と演技を絶賛した。
 今後の新作に関する構想を聞かれると「日本映画はいま非常に苦しい状況にある。僕はこういうときだからこそ軽やかで、笑えるような楽しい映画を作りたい」と力強く語り、記者会見は終了した。

 記者会見終了後には、山田監督がプレミア上映後の舞台挨拶に登壇。今回の上映では、約3500席分のチケットが即売り切れとなるなど、上映前から大きな盛り上がりを見せていたが、上映後の熱気が漂う中、満席の会場に山田監督、そして本作のプロデューサーである房 俊介が姿を現すと、会場からは割れんばかりの拍手が沸き起こった。
 現地のファンからの熱烈な歓迎ムードが漂う中、いまの心境を聞かれた山田監督は、「こんなに大きな劇場は日本にはない。圧倒されています。上海の映画ファンの皆さん、僕の映画を観に来てくれてありがとう」と劇場に詰めかけた観客に感謝の言葉を述べた。

 司会者から本作で描いた「母」について聞かれると、記者会見でも触れた自身の母の体験について言及し「母が恋をするというストーリーは、決して僕にとって他人事じゃない。そういう意味では、本作は描きたいテーマでした」と語った。
 また本作の制作の過程について聞かれた房プロデューサーは「この作品は20年間、監督が構想を温め続けた作品で、監督の中に大きく存在し続けてきた作品です。脚本を作るにも約1年半という期間を費やしました」と本作ができあがるまでを振り返った。舞台挨拶の最後には観客と一緒に記念写真も行い、大盛況のうちに舞台挨拶は幕を閉じた。

 なお、山田監督は明日17日(土)に行われるレッドカーペット、授賞式にも参加予定。賞の行方にも大きな注目が集まっているが、引き続き本作の続報にご期待いただきたい。

 東京の下町を舞台に“いまを生きる等身大の親子”の物語を描いた本作。いつまでも気高く自分らしく生きる福江、そしてそんな母の姿を通して自らを見つめ直し、再出発していく昭夫の姿は、不況や不安が取り巻くこの時代だからこそ、観る人を元気にし、明るく前向きな気持ちを与えてくれるはずだ。
 日本最高峰の監督・キャストで贈る「母と息子」の新たな出発の物語を描いた映画『こんにちは、母さん』は、9月1日(金)より全国ロードショー。

 登壇者:山田洋次監督、房 俊介プロデューサー

公開表記

 配給:松竹
 9月1日(金) 全国公開

(オフィシャル素材提供)

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