イベント・舞台挨拶

『大名倒産』早大の人気講義<マスターズ・オブ・シネマ>に前田 哲監督登壇!

©2023『大名倒産』製作委員会

 6月17日(土)に実施された、早稲田大学の講義「マスターズ・オブ・シネマ<第10回>」に『大名倒産』のメガホンをとった前田 哲監督が登壇した。本授業は、学生と対話しながら、映画制作にまつわる様々な事柄を語る人気講義で、聞き手は早稲田大学の谷 昌親教授。集まった学生たちを前に、小学生の頃から映画誌を好んで読み、生粋の映画好きだったという幼少期から、撮影所バイトを経て、助監督の道へと進み現在に至るまでの前田監督の経歴、さらに最新作の見どころを語った。

 「時代劇を撮るのは、自分の中で夢だった」と話す本作は、前田監督にとって初めての時代劇。幼い頃から歴史書が身近にある環境で育ったという歴史好きな監督は、「時代劇は自由度が高いと思った」と印象を明かした。原作は浅田次郎の時代小説だが、本作を観た浅田に「これくらい振り切れば気持ち良い」とコメントをいただくほど、笑いあり涙ありの痛快ストーリーとなっている本作。そんなコメディについてのこだわりを問われると、「“エンターテイメント”ということでお客さんに楽しんでもらいたい、観に来た人がハッピーになって映画館を出てもらうというのを大事にしています」と明かした。時代劇でありながらコメディ要素もある本作は、「上の世代である先代藩主・一狐斎(佐藤浩市)が次の世代の若殿(神木隆之介)にいろいろな借金を押し付ける点が、今日の日本の現状である“今さえよければいい”みたいな状況が非常にトレースされている」と、現代にも通じるテーマが含まれていることを指摘し、「時代設定は江戸時代だが、未来に向けた映画だと思っている。誰もが幸せになるような世界になっていってほしい、そのためにはどうしたらいいのか、少しでも意識を持ってもらえれば嬉しいです」と、若い世代に向けて本作の見どころを伝えた。

 続いて学生からの質問で「原作の実写化の難しさ」について問われると、「原作者は思いを持って作っていらっしゃるので、それを失わないように、映像でどう伝えることができるか、ということを考えます。そして、それは役者の力であり、それこそが人間を描くということだと信じています」と監督の信念を語った。さらに数々の話題作のメガホンをとる前田監督の抱負を聞かれると、「自分が過去に作った作品が毎年日本中のどこかで上映されている、それが“映画が生き続けている”ということであり、1番の目標。自分は生み出すだけで、映画を育ててくださっているのは観客の皆さんだと思っています」と抱負と共に、楽しみにしてくれている観客への感謝の思いを述べた。

 東北芸術工科大学で教鞭をふるっていた経験もある監督は「“得意なことより好きなことをやれ”と今までの教え子に伝えてきた」と話し、「勝手にレッテルが貼られる世の中で、人に決められる必要は全くない。若い皆さんは自分をこれから作っていける年齢なので好きなことをしてほしい。人と比べることなく自分のスピードで、人生を歩んでほしい」さらに「(皆さんのような若い頃に)もっと映画を観るべきだった、本を読むべきだったと後悔しています。今は、質より量。将来きっと自分の血と骨になるので、たくさん観てください! そして何が面白いと思ったのかを具体的に書き残していくことが“感性を磨くこと”につながると思います」と学生たちに熱いアドバイスを送り、講義は終了した。

 (オフィシャル素材提供)

公開表記

 配給:松竹
 2023年6月23日(金) Let’s 返済!?

(オフィシャル素材提供)

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