『セフレの品格』完成披露上映会

　映画『セフレの品格（プライド）』の完成披露上映会が都内で行われ、舞台挨拶にキャストの行平あい佳、青柳翔（劇団EXILE）、片山萌美、新納慎也、石橋侑大、城定秀夫監督が登壇してクロストークを繰り広げた。この日は２部作のなかから初恋編が上映された。

　女性読者を中心にシリーズ累計430万部（紙・電子）を突破する大ヒット・レディース・コミック・シリーズ、湊よりこ「セフレの品格」（双葉社　JOUR COMICS）が連載12年を経て待望の映画化。全２部作の「セフレの品格　初恋／決意」では、同窓会で再会し一夜をともにした男女の心情や関係性の変化など、人には言えない過去を抱えた大人の男女の間に繰り広げられていくもつれ合いが描かれる――。
派遣社員として働きながら娘を育てているバツ２の主人公・森村抄子（行平）と、抄子の初恋の相手でバツ１の産婦人科医・北田一樹（青柳）がＷ主演。

　オーディションで主演に起用され、主人公の森村抄子役を演じるにあたり、行平は「湊よりこ）先生の完成された作品をどう実写化するのかといプレッシャーがありました。原作のファンの方を裏切らないようにと撮影に挑みました。共演の青柳さんが『どんと来い』という感じの方だったので撮影中は甘えていました」と語った。

　一方、抄子の初恋の相手で腕の良さとルックスが評判の産婦人科医役務めた青柳は「一樹は数々の女性を虜にする男。俺は、そんなふうに虜にできるのか？って……。数々の女性を虜にするっていうのは難しかった」と苦笑い。そんな青柳に城定監督は「ラブ・シーンはやってみなくちゃ分からない。細かい演出を入れてというよりも、生っぽくやってほしいと話をしましたね」と現場でのやり取りを明かした。

　行平は演じるにあたって、監督と相談会を開いたことを明かし、「どれくらい一樹（青柳）に対してアグレッシブになっていいのか」と悩んでいることを監督に打ち明け、監督からは「『抄子は困ってていいから」というアドバイスを受けたことを明かした。

　一樹のセフレであり、抄子の友人でもある新堂華江役を務めた片山は「三角関係を容認している難しい役どころでした。お金持ちで幸せそうなのに、そう見えなくて、どうすれば、彼女の苦悩を見せないようにしながらも、滲ませることができるのか。私にできるのかな？と悩みながら演じていました」と苦労を吐露した。

　抄子に交際を迫る上司・栗山役を務めた新納は「原作ファンを裏切る栗山を作ってしまいました(笑)」と話しはじめ、「僕は、いわゆる悪役なんです。でも、栗山の目線から見たら抄子と一樹の関係こそが悪。栗山はピュアに抄子を愛している男で、好きだから仕方ないよねと台本を読んで思ったんです。だから、そういうのを大事に真面目に演じていました。湊先生がTwitterで『栗山の役をコミカルに演じてくれてありがとうございます』とおっしゃっていて。僕は、メチャメチャ爽やかに演じたつもりなのに、コミカルになっているようです」と笑顔で報告した。撮影現場で栗山は大人気だったようで、「現場の女子はみんな栗山さん押しでした」との報告があった。

　決意編で、抄子に恋心を抱くボクサー・市原猛に扮した石橋。「自分も歳の離れた方を好きになったことがあったので……」と前置きし、「振り向いてほしいという気持ちを全面にぶつけてます」とコメント。また、行平の印象については、「濡れ場でも、『やれ！　もっと来い』って感じで……。ずっと引っ張ってくれました」と行平が姉御肌気質だったと絶賛した。決意編では石橋の純粋さとボクシング・シーンが見どころとなっている。

「セフレの品格」というインパクトのあるタイトルについて、城定監督は「セフレは古い言葉ですが、普遍的な関係で、誰かに肩入れするでもなく、フラットに撮れればいいなと考えました」と語った。

　作品の内容にちなんで、「自身のこだわりの恋愛のルール」を聞かれた行平は「最初に、絶対にしたくないこと、されたくないことのすり合わせをします。突然大きい声を出されるのが苦手」。青柳は「酔っ払っているときのトイレは立ってしても怒らないで」と懇願。新納は「足の裏の皮をむく人はイヤ」。片山は「映画が好きなので、エンドロールの最後まで観ない人はダメです」と話すと、そのことに同意するキャストたち多数。「映画は最後まで観ましょう！」。