記者会見イベント・舞台挨拶

『1秒先の彼』第25回台北映画祭 記者会見・上映後Q&A

©2023『1秒先の彼』製作委員会

 監督・山下敦弘と脚本・宮藤官九郎が初タッグを組み、岡田将生と清原果耶がW主演を務める『1秒先の彼』が7月7日(金)より公開となる。原作は第57回台湾アカデミー賞を最多受賞したチェン・ユーシュン監督作『1秒先の彼女』。日本版では男女の設定を反転し、舞台を京都に移した。
 そして、『1秒先の彼』は現在開催中の第25回台北映画祭のガラ・プレゼンテーション部門へ正式出品されており、主演・岡田将生、監督・山下敦弘、脚本・宮藤官九郎が参加した。

 現在開催中の台北映画祭に、『1秒先の彼』の主演・岡田将生、監督・山下敦弘、脚本・宮藤官九郎が参加。6月23日(金)に行われた記者会見では大勢の台湾メディアが駆けつけた。山下監督、岡田、宮藤の順に「ダージャーハオ(こんにちは)」と中国語で挨拶をすると会場から大きな歓声が。台湾に来たのは初めてだという岡田と宮藤。「オリジナル版を観た時に、ぜひ台湾に行ってみたいと思っていたので、1つ夢が叶いました」という岡田と「普通、脚本家はあまり映画祭に行かないのですが、『台北映画祭にはぜひ行かせてくれ』と言って何ヵ月も前からスケジュールを空けていました。今日、ここに来られて良かったです。楽しみにしてました」という宮藤の言葉に、会場は一気に和んだ空気に。司会が「この3人が揃って台湾にいらっしゃるということは、日本のコンテンツが好きな台湾人にとってたまらない光景かと思います!」と言い、岡田、山下、宮藤の台湾での人気ぶりが伺えた。フォトセッションでは岡田に対し、日本語で「カワイイ!」というコールが巻き起こり、岡田は少し戸惑い、照れながらも、台湾メディアのリクエストに応えたポーズをとっていた。

 6月23日(金)夜は台湾プレミアの上映後Q&Aに登壇した。台湾プレミアのチケットは、発売開始後に約600席が即時完売。台北映画祭の上映作品のなかで最も早く「10秒」で瞬殺したという。あまりの人気ぶりに、SNSで「チケットを手に入れるには、1秒どころか5秒早い必要がある」と冗談を交えて嘆く台湾現地のファンが多数いたほど。
 上映前の熱気溢れる満席の会場に山下監督、岡田、宮藤が入場すると、満場の拍手が沸き起こり、3人は台湾版のキャスト・スタッフ、そして観客とともに客席で映画を鑑賞した。上映中は細かいセリフや仕草の一つひとつに笑いや反応があり、時には笑い声でセリフが聞こえないことも。劇中ではハジメが「(その地域が)洛中か洛外かどうか」についてこだわるシーンが度々登場する(※京都市中心部とその周辺を示す言葉で、中心部を「洛中」、その周辺を「洛外」という)。一部の京都人は「洛中か洛外か」に強いこだわりがある(とされている)「あるある」ネタをもとに描かれたシーンだが、これは台湾人にとっても一種の「あるある」ネタのようで、その面白さが通じ、上映中に何度も会場から大きな笑いが起きた。エンドロールの主題歌までかみしめた満席の観客は場内が明るくなると、一斉に拍手喝采。3人が拍手に応えるために立ち上がると更に大きな拍手が巻き起こった。観客からのQ&Aでは客席から一斉に手があがり、我先に質問をしようと熱烈にアピール。司会者が「たくさん聞きたいことがあるのは分かるけど、質問は映画のことだけに絞ってね」と冗談を交えながらたしなめると会場からは大きな笑いが。質問者のなかには「初めまして。初めましてですが、岡田さんのことが15年間ずっと大好きです」と日本語で想いを伝えるファンもいた。

 Q&A終了後、原作『1秒先の彼女』チェン・ユーシュン監督とメインキャストのリー・ペイユーとリウ・グァンティン、プロデューサーらも登壇。チェン・ユーシュン監督は感想を問われると「今日初めてリメイク版を観ましたが、とても良かったです。『1秒先の彼女』をリメイクしてくださり、感謝しています。まるで、突然可愛い女の子が目の前に現れて、「パパ!」と言われたような感覚です。ハジメを演じた岡田さんが素晴らしかった。役柄に合っていると思いました」と大絶賛! 『1秒先の彼女』で“1秒遅い彼”を演じたリウ・グァンティンは上映を観ている間、登場人物たちの一挙手一投足に、時に大きく笑い、時にはじっとスクリーンを見入っていた。そして、原作『1秒先の彼女』で“1秒早い彼女”を演じたリー・ペイユーと、日本版『1秒先の彼』で“1秒早い彼”を演じた岡田が初対面し、全員でフォトセッションを行った。

 6月24日(土)も満席で熱気あふれる会場で上映後のQ&Aに3人が登壇。引きも切らず続く質問の一つひとつに丁寧に答えていた。9月1日からの台湾劇場公開に向けて、「チェン・ユーシュン監督のオリジナル版がとても素敵で面白くて。リメイクするにあたり、皆ですごく悩みながら作りました。日本で、なおかつ僕らならではの意味を込めて作ることができたと思っているので、劇場公開時にもまたぜひ観てください」と山下監督がアピールし、大盛況のQ&Aを締めくくった。

6/23 記者会見

本作の見どころについて

岡田:台湾の方々にこの作品をどう受け止めてもらえるのか楽しみですが、僕は『1秒先の彼女』を見て台湾に行ってみたいと思ったので、台湾の皆さんにも京都に行ってみたいと思っていただけたら嬉しいです。

登場人物の “名前の画数が多い・少ない”という設定はどのように思いついたのですか? また、本編中に登場する苗字はどうやって選んだのでしょうか。

宮藤:僕は割と画数が多い名前なので、名前を書いている間に他の人が既に書き終わっているんですよね。子どもの頃、筆箱などに名前を書く欄があると思いますが、僕の名前は長いのではみ出るんです(笑)。それで自然と短い名前の人は良いなと思っていたんだと思います。それでとにかく長い、画数の多い名前を調べた時に「釈迦牟尼仏(ルビ:みくるべ)」(※荒川良々演じるバス運転手の苗字)という名字を見つけました。読みは4文字なのに、なぜか漢字は5文字もあるんです。読んでない漢字が入ってるんですよね(笑)。すごいなこれ!と思い、今回採用させていただきました。

ハジメの妹・舞の彼氏役を演じたしみけんさんのことは台湾の皆さんも詳しいと思います(笑)。

山下監督どうして皆さん、しみけんさんのことを良く知っているんですか? 何を見ているんでしょうね(笑)。ハジメの妹・舞の彼氏については、ハジメより年上の人から「お義兄さん、お義兄さん!」と言われている状況って面白いですよねと宮藤さんと話していました。さらにしみけんさんみたいな人だったら面白いねという話になりオファーしました。

6/23 プレミア上映後Q&Aトーク内容

会場の皆さんと一緒に映画をご覧になった感想をお願いします。

山下監督:ありがとうございました。チェン・ユーシュン監督の隣の席で一緒に上映を観ていたので、めちゃくちゃ緊張していました。(会場笑)観客の皆さんも笑えるところでちゃんと笑ってくれて。今まで観客と一緒に観たことなかったので、すごく嬉しかったです。
岡田:皆さんと一緒にこの空間で、そしてこの歴史ある場所で『1秒先の彼』を観られたのが嬉しかったのと、緊張もしました。僕が演じたハジメくんのことを皆さんがどう受け止めてくれるかなと思っていましたが、笑ってくれてすごく安心しました。ありがとうございます。
宮藤:僕はバスの運転手役の荒川良々くんと郵便局員の伊勢志摩さんと同じ劇団にいるのですが、台湾ですごくウケてたよって伝えます。

この映画は成功したリメイク作品だと思います。日本ならではの要素もちゃんと入っていましたね。どのようにリメイクをしようと思ったのでしょうか。

山下監督宮藤さんと一緒にどのようにリメイクするか考えていくなかで最初に行き詰まったのはキャスティングなんです。オリジナル版『1秒先の彼女』のメインキャストのふたりが良すぎたので、リメイク版のキャストがなかなか思い浮かんでこなくて。男女反転のアイデアが出てからは、岡田くんが“1秒早い彼”を演じることを思いつきました。岡田くんが郵便局員をやったら面白そうという期待はあったけど、映画になる形は見えてなかったんです。レイカ役の清原さんやほかのキャストも決まって、撮影しながら探っていって。編集して完成するギリギリまでどうなるだろう、と思ってました。今日も観て、すごく不思議な映画になったと思いました。リメイクで形も変わっているのだけど、何故かラストは同じ。不思議なリメイク作品になったと思いました。

山下監督と宮藤さんはどのようにして京都の要素をこの作品に取り入れたのでしょうか?

山下監督京都を舞台にするアイデアが浮かんでから、すぐにシナリオ・ハンティングをしに行ったのですが、そのときに天橋立のロケーションもすぐ決まりました。
宮藤:オリジナル版『1秒先の彼女』では、海辺の町をバスが走るシーンがとても綺麗でした。こんな場所がないかなと探していたら、京都には「日本三景」としても有名な天橋立があるじゃんと思って。でも、実はバスは途中までしか入れなかったんです(笑)。それで参ったなあと……。まあ、バスが入れない場所は人力車を駆使してなんとかしました(笑)。

ハジメ役のオファーがきたとき、この特殊な役柄を監督からどのように演じてほしいというリクエストがありましたか? どのように準備しましたか?

岡田:監督とリハーサルを兼ねて一緒にハジメくんというキャラクターを作っていきました。まず「人より“1秒早い”ってどういうことだろう」というところから話して、それがちゃんと成立するようにお芝居を作っていくと、キャラクターが個性豊かになっていきました。あともうひとつは、京都弁のセリフを話すことによってキャラクターがものすごい勢いで走り出した感覚が自分の中でありました。監督とそういうのものを一緒に感じながら作り上げていきましたね。

岡田さんは山下監督作品の『天然コケッコー』に出演し、宮藤さんが脚本を手がける作品にもたくさん出演されていますが、改めてこの二人と一緒に仕事をしてしていかがでしたか?

岡田:すごく緊張しましたね。お二人を知ってるからこその緊張感。山下監督とご一緒するのは約16年ぶりですが、当時僕は高校生だったので、大人になった姿をみせたいっていう気持ちがあって。その緊張感を踏まえてハジメくんという役と向き合えたのは、僕にとってかけがえのない時間でした。宮藤さんは本当に毎回チャレンジングな役を僕に与えてくださって(笑)。宮藤さんとお仕事するときは毎回大変な役ばかりなんです。ちょっとだけ恨んでます(笑)。

<観客質問>はじめまして。はじめましてですが、15年間ずっと岡田将生さんのことが大好きです。撮影では何が大変でしたか?

岡田:京都弁です。すごく大変でした(笑)。でも、キャラクターを作り上げるのにはこの京都弁にすごく助けられました。ものすごく練習しました。

<観客質問>とあるシーンでハジメの父親(演:加藤雅也)が『この世界のスピードについていくことができなかった』と話していたのが印象的で、あのシーンでは泣いてしまいました。

宮藤:僕は原作の『1秒先の彼女』を最初に観た時に、「早い人」と「遅い人」と「それ以外の人」の3種類のタイプの人が出てくる話だと思ったんです。この世界のスピードについていける大方の人と、先を行きすぎちゃう人、ついていけない人が登場して、ついていけない人の悲しさや苦悩みたいなものも描かれている。それがすごいなと思って。何度も原作の『1秒先の彼女』を観てるうちに、「早い人」と「遅い人」だけじゃなくて、それ以外の人の存在についても意識するようになりました。

6/24 上映後Q&Aトーク内容

<観客質問>「1秒早い人」と「1秒遅い人」のどちらになりたいですか?

山下監督正直に言うとどちらも嫌なんですけど(笑)、僕は普段1秒遅いほうだと思うので、どうせなら1秒早いほうを経験してみたいなと思います。
岡田:僕は普段せっかちで1秒早いほうなので、1秒遅いほうをやってみたいです。
宮藤:僕は年齢的に、夜の21時くらいにはもう眠くなって、夜中の2時くらいに起きる生活で(笑)。1秒どころか4時間くらい早い人間なので、1秒遅くなりたいです(笑)。

<観客質問>京都弁で「愛してる」と言ってください。

岡田:京都弁で「愛してる」……? うーん、「好きやねん」はきっと大阪弁ですよね。「好きどす」……ですかね(笑)。台本上の京都弁しか練習してなかったので(笑)。

最後の挨拶

岡田:皆さん、今日は朝からこの映画を観てくださったかと思いますが、朝から観ても温かい気持ちになれる映画なんだなと改めて実感できました。9月1日から台湾で公開になるので、ぜひこの『1秒先の彼』を広めていただけると嬉しいなと思います。今日はありがとうございました。
宮藤:昨日一般のお客さんと一緒に映画を観たのですが、台湾の皆さんはすごく笑ってくださるし、反応が本当に素晴らしいので、良いお客さんだなと思いました。日本のお客さんが悪いとは言ってないですけど(笑)。自分の映画はこれから台湾で観たいと思いました(笑)。
山下監督:チェン・ユーシュン監督のオリジナル版がとても素敵で面白くて。リメイクするにあたり皆ですごく悩みながら作りました。日本で、尚かつ僕らならではの意味を込めて作ることができたと思っているので、劇場公開時にもまたぜひ観てください。

 登壇者:岡田将生、山下敦弘監督、宮藤官九郎(脚本)

公開表記

 製作幹事・配給:ビターズ・エンド
 7月7日(金) TOHOシネマズ日比谷ほか全国ロードショー

(オフィシャル素材提供)

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