イベント・舞台挨拶

『オレンジ・ランプ』公開記念舞台挨拶

©2022「オレンジ・ランプ」製作委員会

 若年性アルツハイマー型認知症をテーマにした映画『オレンジ・ランプ』がついに全国公開! 封切り翌日の7月1日(土)に新宿ピカデリーにて公開記念舞台挨拶が行われ、本作ダブル主演の貫地⾕しほりと和⽥正⼈、共演の⾚井英和、中尾ミエ、そして三原光尋監督が登壇した。
 39歳で認知症と診断されたあとも、今も変わらず仕事を続ける丹野智文さんの実話をもとに夫婦の9年間の軌跡を描く希望と再生の物語。奇しくも丹野さんが認知症を発症してからちょうど10年目という節目での映画公開となった。

 満員御礼で迎えたこの日、登壇者はそれぞれオレンジ色のアイテムを身に着けての登壇となった。晃一の妻・真央を演じた貫地谷は「これまで作られた若年性アルツハイマー型認知症をテーマにした映画は悲しい結末になるものが多かったけれど、この映画は前向きな新しい切り口で描かれていて、そこが面白いと思った」とオファーを即快諾したという。

 39歳で認知症と診断された晃一役の和田は「表に立つ仕事をする人間として何か人の役に立ちたいという思いが膨らんできた中で、本作の台本を読んだときにそんな自分の思いに直結している映画だと感じた。実話ベースで認知症と闘っている人たちのために参考になる作品だからこそ、絶対にやるべきだと思った」と意義を感じていた。

 赤井は「誰しもの身に起こりうる認知症に関して身近に感じる映画です。ご覧いただけたらきっと気持ちが熱くなるはず」とアピール。

 喜寿を迎えたという中尾はオレンジ色のコーデで登壇し「自分も認知症になったらどうしようと思っていたけれど、この映画を観終わったら認知症になっても大変ではないと思って気持ちが楽になりました。周囲が理解してくれていれば、普通に生活ができる。認知症になってもいいと思った」と本作を通して前向きな発見があった様子。客席に向けて「皆さんも心配ないですよ! みんなにこの映画を勧めたい!」と呼び掛けていた。

 三原監督は「物語は若年性アルツハイマー型認知症がテーマではありますが、夫婦や家族の在り方を丁寧に紡いだストーリーでもあります。本作を通してご夫婦や家族の在り方を考えられたらいいと思った」と狙いを明かした。

 一方、丹野さんの印象について和田は「いざお会いしたら認知症というイメージが覆されるくらい普通の人でした。会話の途中で『この人、認知症の人だった……』と思うくらい、滞りなくしゃべることができました」と明かし、演じる上では「認知症ご本人を演じようとしない方向に舵を切って、家族の話を描いていこうと思いました」と変化があったという。貫地谷も「丹野さんは周りを明るくされる方でパワフル」と評し、和田は「気を遣って接する必要もないと思うくらい元気。撮影している僕らも“これでいいんだ!”と背中を押されました」と人柄に感謝していた。

 本作を通して変化したことについては「認知症の実態が具体的になったのと同時に、どうしたら予防できるのだろうか?と考えるようになった」と和田。祖母が軽度の認知症という貫地谷は「この映画を観て前向きになれました。新たなロールモデルを見せてもらった気がする」と実感。中尾は「周囲がどのように接していったらいいのか勉強になった」と頷くも「そういえば私は夫が認知症という役でした。すっかり忘れていました」と豪快に笑い飛ばしていた。

 また晃一のモデルになった丹野智文さんからの手紙も披露され、「今回このような素晴らしい映画を作っていただきありがとうございます。10年前、診断直後は毎日泣いてばかりいた時もありましたが、一歩踏み出し多くの人たちとの出会いがあり今の私がいると実感しています。現在も全国を飛び回り講演活動などしています。この映画は本当に私に起きた出来事をかたちにしています。今まで介護で大変だったご家族やお仕事で進行している人たちをお世話している人から見たらこんなの認知症ではないと言われるかもしれません。でも、現実に私はたくさんの人たちと出会い、うれしい経験があり、会社や仲間に恵まれて諦めることなく工夫をして生活できているのです。これからも認知症とともに諦めずに生きていきますので、よろしくお願いいたします」というメッセージに、あたたかな拍手が沸き起こった。

 手紙を代読した和田は「丹野さんを必要としている人が全国にいます。そんな丹野さんの半生が詰まった映画なので、丹野さんという人間の片鱗を感じてほしい」としみじみ。同じく代読した貫地谷も、この日も講演活動で全国を飛び回っている丹野さんに触れて「今日ここに丹野さんがいらっしゃらないのが本当に残念ですが、そんな丹野さんの熱心な講演活動や認知症の皆さんのおかげで10年前よりも認知症に関する制度がたくさん出来ていることに圧倒されています」と感動していた。

 そして、最後のご挨拶で貫地谷は、「これは実話です。こんなやさしい世界があることを多くの方に知ってほしいです!」と本作の魅力を改めて、満員の観客に伝え、舞台挨拶は終了となった。

 登壇者:貫地谷しほり、和田正人、赤井英和、中尾ミエ、三原光尋監督
 MC:伊藤さとり

イベントで披露された 丹野智文さんメッセージ全文

 丹野智文です。

 今回このような素晴らしい映画を作っていただきありがとうございます。
 10年前、診断直後は毎日泣いてばかりいた時もありましたが、一歩踏み出し多くの人たちとの出会いがあり今の私がいると実感しています。
 現在も全国を飛び回り講演活動などしています。
 本日も行って皆さんにお礼を言いたかったのですが、講演が入っていて残念です。

 この映画は本当に私に起きた出来事をかたちにしています。

 今まで介護で大変だったご家族やお仕事で進行している人たちをお世話している人から見たらこんなの認知症ではないと言われるかもしれません。
 でも、現実に私はたくさんの人たちと出会い、うれしい経験があり、会社や仲間に恵まれて諦めることなく工夫をして生活できているのです。
 今回、映画に関わっている皆さん、そして今まで出会ってきた皆さん、今日映画を観に来てくれた皆さんに感謝しかありません。
 本当にありがとうございます。

 これからも認知症とともに諦めずに生きていきますので、よろしくお願いいたします。

  丹野智文

公開表記

 配給:ギャガ
 全国ロードショー中

(オフィシャル素材提供)

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