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沖縄に新しい映画祭を!「Cinema at Sea – 沖縄環太平洋国際フィルムフェスティバル」11月下旬より開催

 NPO法人Cinema at Sea〈設立準備中〉(代表理事:黄インイク)は、2023年11月下旬から沖縄県・那覇市の会場を中心に、環太平洋地域にフォーカスした新しい国際映画祭「第一回Cinema at Sea – 沖縄環太平洋国際フィルムフェスティバル」を開催する。本映画祭は、優れた映画の発掘と発信を通じて、各国の文化や民族、個々人の相互理解を深め、将来的に沖縄が環太平洋地域において新たな国際文化交流の場となることを目指している。
 環太平洋の各国・島々で製作された映画作品を対象にコンペティション形式による優秀作品の選考と上映を行うほか、特定の島国やエリアにフォーカスした作品を集めた特集上映「Pacific Islandショーケース」を行う。上映以外の取り組みとして、製作者向けに国際共同制作を促進するプログラムやワークショップなども企画中。沖縄を拠点に環太平洋地域の映画産業を盛り上げる長期的な施策を構想している。
 コンペティション部門の作品募集は7月10日(月)~8月31日(木)日本時間の24時まで。作品応募の要項はホームページをご確認いただきたい。

ロゴマーク発表

 本映画祭をPRするロゴマークも発表された。波・水しぶきをベースにサンゴなどのイメージを重ねて制作された。(デザイン:上原沙也加)

「Cinema at Sea」立ち上げの背景と概要 ―なぜ沖縄で開催するのか―

 太平洋の西側に位置する沖縄の島々は、過去数世紀にわたり、琉球、日本、中国、米国、台湾からの文化的影響を取り入れ、そして混ざり合いながら、独自の伝統文化を形成してきた。沖縄という言葉だけでは括れないほど、その中には多様性がある。ユニークな国際的地位を持つ沖縄は、その多様さを表現する上で理想的な場所なのだ。
 また、琉球諸島より南を見渡すと、類似した島嶼文化をもつ島国や地域が多いことに気づく。かつて航海民族によって広がった島嶼文化は、台湾やフィリピン、オセアニア、ハワイ、そしてチリなど広範囲にわたっている。
 当該地域は、沖縄と同じく独自の島文化が見られ、先住民というマイノリティーにおけるアイデンティティや年々加速する気候変動などさまざまな問題と対峙してきた。それらは現在世界共通のイシューであり、SDGsの国際目標と類似している。そのため、長年課題と向き合ってきた環太平洋地域から生まれる文化芸術は、国際社会の変革をもたらすことができるのではないか、と考えている。
 これらの背景から、日本において島嶼文化が色濃く残る沖縄で、文化的類似性がある隣国の台湾、そして周辺の島々を「環太平洋地区」という新しい枠組みで捉え直し、映画を通じて世界に新しい価値観を提言すべく「Cinema at Sea – 沖縄環太平洋国際フィルムフェスティバル」を立ち上げることとなった。本映画祭では「Cinema at Sea」をテーマに、優れた映画の発掘と発信や、さまざまなプログラムやイベントを通じて、各国の文化や民族、個々人の相互理解を深め、国際的なネットワークを築き、沖縄が環太平洋地域において新たな国際文化交流の場となることを目指している。

環太平洋地区とは

 本映画祭では、下記の国・地域を環太平洋地区として定める。
 日本、アメリカ、インドネシア、エクアドル、エルサルバドル、オーストラリア、カナダ、韓国、カンボジア、北朝鮮、キリバス、グアテマラ、クック諸島、コスタリカ、コロンビア、サモア、シンガポール、ソロモン諸島、タイ、台湾、中国、チリ、ツバル、トンガ、ナウル、ニウエ、ニカラグア、ニュージーランド、パナマ、バヌアツ、パプアニューギニア、パラオ、東ティモール、フィジー、フィリピン、ブルネイ、ベトナム、ペルー、香港、ホンジュラス、マカオ、マレーシア、マーシャル諸島、ミクロネシア、メキシコ、ロシア連邦(ニューカレドニアなどの太平洋にある海外県・海外領土も対象)

エグゼクティブディレクターに黄インイク監督
「国や言語を越えて、喜びを共有できるようなイベントにしたい」

 本映画祭のエグゼクティブディレクターを務めるのは、沖縄在住・台湾出身の黄インイク(こう・いんいく)監督。沖縄に住みながら映画の監督やプロデューサーをする黄監督は「沖縄は国際映画祭をやるのに最適な場所なのではないか」と感じていた。2018年から構想を練り始め、コロナ禍に温めていた構想を形にすべく、今年初めの一歩を踏み出す。

Cinema at Sea -エグゼクティブディレクター 黄 インイク コメント

 私は2013年からドキュメンタリー映画の製作のために沖縄へ通い始めました。沖縄と出合ったことは、私の人生を変えたターニング・ポイントだといっても過言ではありません。2016年に沖縄へ移住後は、私の故郷である台湾との文化交流の活発化はもちろんのこと、沖縄を新たな映画製作における国際共同製作の拠点にしたいという夢があり、日々活動しています。
 そして、この想いを実現させるべく「環太平洋」という新たな枠組みで、今年より沖縄で新たな国際映画祭を始めることとなりました。
 本映画祭は「Cinema at Sea」というテーマのもと、映画祭全体を通じて国や言語を超えて人と人が触れ合い、喜びを共有できるようなイベントにしたいと考えております。国際映画祭という文化・芸術が融合するイベントを通じて、世界中に沖縄をはじめとする環太平洋地区の新たな魅力を届けるだけでなく、沖縄が新たな文化発信拠点となるよう、私も全力を尽くして参ります。

〈プロフィール〉
 沖縄在住・台湾出身の映画監督・プロデューサー。東京造形大学大学院映画専攻修了後、沖縄と台湾拠点の映画会社「ムーリンプロダクション」と「木林電影」を設立。「八重山諸島における台湾移民」を題材とする長編ドキュメンタリー作品『海の彼方』(2016年)、『緑の牢獄』(2021年)を発表、キネマ旬報文化映画ベストテン、台北映画祭をはじめ、国内外の映画祭に入選。
 著書『緑の牢獄 沖縄西表炭坑に眠る台湾の記憶』(2021年)は台湾年度の「Openbook好書獎」を受賞。
 プロデューサーとしても活動の幅を広げており、チェコ・イフラヴァ国際ドキュメンタリー映画祭「Emerging Producers」、ロッテルダム国際映画祭「Rotterdam Lab」などに選出。
 現在手がける最新作『大風の島』が、2023年のカンヌ国際映画祭の企画コンペ「カンヌ・フィルム・マーケット」ドキュメンタリー部門にて、最高賞に選ばれている。

公式アンバサダーに 俳優・尚玄
「日本映画の国際化の一助となれるように」

 国際的な活躍が目覚ましい沖縄出身の俳優・尚玄氏が公式アンバサダーを務める。

Cinema at Sea – 公式アンバサダー 尚玄 コメント

 俳優を始めて約20年、これまでさまざまな海外作品や映画祭に参加させていただきました。今までの経験を活かして、故郷に恩返しできることはないかと模索する中で、国際映画祭の開催は僕の長年の夢でもありました。
 琉球王国時代に中継貿易地として栄え、アジアをはじめ周辺諸国と交流していた歴史的背景と文化的多様性、そして観光地として多くの人々を魅了している沖縄は国際映画祭の開催地として理想的ではないかと考えていたからです。
 本映画祭が掲げる、沖縄を文化発信基地として環太平洋地域の国々を繋いでいくというコンセプト、映画の上映だけではなく教育や人材育成も視野に入れたプログラムに賛同し、アンバサダーとして参加させていただくこととなりました。
 この映画祭が架け橋となり日本映画の国際化の一助となれるように、そして地元の方々や観光客の皆さまにも楽しんでいただける、秋の沖縄の新しい風物詩となるよう僕も精一杯尽力いたします。

〈プロフィール〉
 沖縄県出身。
 2005年戦後の沖縄を描いた映画『ハブと拳骨』でデビューし、第20回東京国際映画祭コンペティション部門にノミネート。2008年ニューヨークで出合ったリアリズム演劇に感銘を受け、本格的に芝居を学ぶことを決意し渡米。現在は日本を拠点に邦画だけでなく海外の作品にも多数出演している。
 2021年に主演・プロデュースを務めた映画『義足のボクサー』が釜山国際映画祭にてキム・ジソク賞を受賞。2022年同映画祭でAsia Star Awardを受賞。

運営団体の理事に 映画監督・俳優 東盛あいか氏が就任
「私たちはこの土地に生きていると発信ができる」

 本映画祭の運営団体の理事の一人には、沖縄・与那国島出身で監督・俳優として現在注目を浴びる東盛あいか氏が就任した。

Cinema at Sea – 理事 東盛あいか コメント
 私は映画館が無い小さな島で育ちました。島の外には何でもあると思い憧れ、故郷の豊かさに気づけませんでした。しかし、映画を通して世界を知り、故郷の島を知ろうとするきっかけが生まれました。そして何より、閉鎖的に感じていた島々の可能性を映画は教えてくれました。
 私たちは繋がれる。私たちはこの土地に生きていると発信ができる。「Cinema at Sea」は沖縄を中心に環太平洋へと和を広げ、文化交流と発信を実現させる国際映画祭です。そして沖縄の次世代へ繋げるためにも、地元の方々と一緒に盛り上がれる映画祭として続けていきたいです。

〈プロフィール〉
 沖縄県与那国島出身。京都造形芸術大学映画学科卒業。
 主演・監督を務めた卒業制作作品『ばちらぬん』がぴあフィルムフェスティバル2021グランプリを受賞。監督だけでなく、俳優としても活躍中。

第一回Cinema at Sea – 沖縄環太平洋国際フィルムフェスティバル 概要

 【正式名称】第一回Cinema at Sea – 沖縄環太平洋国際フィルムフェスティバル(Cinema at Sea – Okinawa Pan-Pacific International Film Festival 2023)
 【主催】Cinema at Sea – 沖縄環太平洋国際フィルムフェスティバル事務局
 【開催期間】2023年11月下旬
 【開催会場】那覇市ぶんかテンブス館テンブスホール等、那覇市内を中心とした会場
 【実施内容】公式コンペティション作品上映、特集上映、トークイベント他

公式サイト(外部サイト)

Cinema at Sea-沖縄環太平洋国際フィルムフェスティバル

(オフィシャル素材提供)

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