イベント・舞台挨拶

『青春墓場』初日舞台挨拶

©映画蛮族

 『東京プレイボーイクラブ』『クズとブスとゲス』など、数々の衝撃作を世に放ってきた異才・奥田庸介監督の6年ぶりとなる待望の長編最新作。中華料理店で働く男とパートの女、そして彼女の高校生の息子。小劇団の女と漫画家志望の男。理不尽に見舞われる名もなき登場人物たちの物悲しさとおかしみに満ちた日常を通して、“生きるとは何か”を問いかける。出演は、笠原崇志、古川奈苗、田中惇之のほか、人気ラッパー・呂布カルマなど個性豊かなキャストが顔を揃えた。

 痛みを分かち合うような独自の作家性と圧倒的映像センス、そして何より規格外の熱量を携えるも、しばらく映画を撮れない状況が続いていた奥田。そんな彼が、デビュー作と同名タイトルを冠し、ニーチェの言葉「血をもって書け」に導かれるように人生に向き合ったすえ辿り着いた“嘘のない映画”―――。表現への強烈な渇望に満ちた、渾身の一作となった。

 7月8日(土)、渋谷ユーロスペースにて本作の初日舞台挨拶が行われ、上映前の舞台挨拶に、奥田庸介監督、笠原崇志、古川奈苗、田中惇之、堀内暁子、鈴木たまよが登壇した。

 6年ぶりの劇場公開となった奥田監督は、公開までの経緯について聞かれると「お金を盗まれたことしか覚えていない。600万借金して、その借用書のフォーマットを作ったやつが、俺の200万を横領しました。今でもそいつは行方不明です」といきなりの衝撃エピソードで会場を沸かせた。

 本作の撮影は4年前だったそうで、漫画家志望の男を演じた田中は「ほとんどのアーティストの方たちが作品を作ることでしか生きていけない中でどうにかこうにか社会生活を送っているわけですけど。映画に一つ出るということが、僕たちの命になっていくと思っておりますし、この作品が皆様の前に出ないと作品として成立しない。ようやく観ていただける機会に立ち会っていただけて光栄です」と万感の表情。一方、漫画家志望の男の恋人で、小劇団の女を演じた古川は「あの時のひりついた撮影の日々を思い出すと、今でも込み上げるものがあります。今日という日を迎えられて嬉しい」と涙ぐむ場面もあった。

 悲劇を引き起こす高校生を演じた笠原は「こういう感じの監督ですが、路上喫煙している人を注意したり、猫ちゃんを守っていたり、正義感に溢れて優しい方です。その人柄が映画にも表れていると思います」と熱を持って語り、同級生を演じた鈴木は「監督は、今まで携わってきた中で、一番役者と真摯に向き合ってくださる方。自分のままでいられました」と撮影を振り返った。

 そして高校生の母親を演じた堀内は「奥田監督の映画を観るときって、皆さんめちゃくちゃ緊張すると思うんですね。今回も期待は裏切らないと思います。そして観終わったあと、今のままの顔ではいられないかもしれないですね!」と呼びかけた。

 最後に挨拶を求められた奥田監督は「タイトルを変えようかと思ってるんです」とまたもや衝撃発言。「新しいタイトルは『青春墓場 君たちはどう生きるか』。間違っていっぱい人が来るかもしれない」と締め括った。

 奥田庸介監督作『青春墓場』は、渋谷ユーロスペースほか全国順次公開。

 登壇者:奥田庸介監督、笠原崇志、古川奈苗、田中惇之、堀内暁子、鈴木たまよ

公開表記

 配給:イハフィルムズ
 2023年7⽉8⽇(⼟) 渋⾕ユーロスペースほかロードショー

(オフィシャル素材提供)

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