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『みなに幸あれ』プチョン国際ファンタスティック映画祭 最優秀アジア映画賞受賞!

©2023「みなに幸あれ」製作委員会

 2021年、日本で唯一のホラー・ジャンルに絞った一般公募フィルム・コンペティション「日本ホラー映画大賞」(主催:KADOKAWA)の初大賞受賞作品『みなに幸あれ』が、2024年に劇場公開となる。

 主演は、今最も旬な俳優の一人で、若手俳優の中でも抜きんでた演技力で評価の高い古川琴音。古川自身初めてのホラー映画への出演となる。メガホンをとるのは、「日本ホラー映画大賞」にて同名タイトルの短編映画として大賞を受賞した下津優太。下津は本作にて商業映画監督デビューとなり、誰も観たことのない斬新な恐怖の世界を創り上げることに挑む。そして、総合プロデュースを手掛けるのは、日本ホラー映画界の重鎮である清水 崇。

 本作は、「誰かの不幸の上に、誰かの幸せは成り立っている」という、人類の宿痾と言ってもいい根源的なテーマが根底に流れ、とある村を舞台に、この世界の特異な成り立ちに疑問を持った古川演じる主人公が行動を起こすも、逆にどんどん追い込まれていくさまを描き、「この世界にはある法則が存在する。それを知らないと死ぬことになる……。」という得体の知れない恐怖と対峙していく――。世界市場も視野に入れた、誰も見たことのない新しい感覚のホラー映画にぜひご期待いただきたい。

この度、プチョン国際ファンタスティック映画祭で『みなに幸あれ』がメリエス国際映画祭連盟(MIFF)最優秀アジア映画賞を受賞した!

 6月29日~7月9日まで開催されたプチョン国際ファンタスティック映画祭に招待された本作。8日にプチョンのシティーホールメインシアターにて本作が上映され、上映後に下津優太監督と本作を総合プロデュースした清水 崇によるティーチインが行われた。上映の前日に賞の受賞が発表となり、当日の上映は完売になったほどの人気ぶり。審査員も「清水 崇がプロデュースしたこのエレガントでありながら一見シンプルな映画は、他の多くの映画よりもホラーとダークユーモアを内包しているのと同時に、より大きな社会問題にも言及しています。私たちは伝統によってもたらされる幸福と闘うことができるか? そして他人の幸福のために、自分たちの幸運を諦めるべきでしょうか? 古川琴音主演での、下津優太の監督デビュー作は、不気味な雰囲気があり、1週間経った今でもコンセプト全体について考えさせられます。それに加えて、強力なストーリー、独創的なアイデア、ダーク・ユーモア、田舎暮らし、という要素が賢く、暗いホラー映画のレシピを完璧に完成させています」と、本作の強烈なインパクトに圧倒された様子。

ティーチイン

 上映後、観客とのティーチインに登場した下津優太監督とプロデューサーの清水 崇。下津監督は「初めての長編映画で、初めての国際映画祭、初めての舞台挨拶のため緊張していますが、よろしくお願いいたします。(昨日アジア映画賞を受賞したことについて)正直、英語を深く理解できないので、少しウトウトしていたところ、自分の名前が呼ばれとても驚きました」と心境を明かし、清水プロデューサーは「朝早くからクレイジーな作品にお越しいただきありがとうございます。今回僕はプロデューサーという立場で監督をサポートする側なのですが、僕が選考委員長を務める『日本ホラー映画大賞』の第一回グランプリが下津監督で、その監督の初の長編作品が海外映画祭で受賞して僕もうれしいです」と挨拶。

題材について教えてください。

下津監督:幸せな人と不幸な人を足し合わせるとゼロになる「地球上感情保存の法則」というテーマをもとに、一家に1生贄いる世界線の話です。あまりテーマを説明しすぎないように描きました。『みなに幸あれ』というタイトルには希望と皮肉の意味をこめました。

監督にとって「幸せ」と何ですか?

下津監督:第二のテーマとして、難しい問題に直面した時に、その現実をみつめるだけでは悲しすぎる、理想を描くだけでは何も解決しない。私は現実を受け入れて、理想を描き続けることが希望だと考えています。いっけん、バッドエンドに見えたかもしれませんが、最後の主人公の顔を見て、現実を受け入れて理想を描き続けているのであれば、私はハッピーエンドだと考えています。

古川琴音さんに主人公を依頼した経緯についてお聞かせください。

下津監督:演技力が抜群。いい意味で普通。短期間の撮影だったので、テイクも1~2回のことが多く、古川さんでなければ成立しなかったと思っています。主人公はオーディションではなく、キャスティングでお願いしました。

好きな監督を教えてください。

下津監督:M・ナイト・シャマラン監督、ジョーダン・ピール監督、ヨルゴス・ランティモス監督です。

短いセリフでリズムをとっている印象をうけましたが、意識していますか。

下津監督:正直意識していなかったのですが、そう感じていただけてよかったです。私のモットーとして、映像で語るのではなく、映像でみせるのが良いと思っています。

最後に

下津監督:タイトルに希望と皮肉の意味を込めていると言いましたが、いつの日か希望だけの意味になる日がくるといいなと思っています。映画にはそれを実現できる力があると考えています。

清水プロデューサー:日本ホラー映画大賞で新しい監督が出てくると、僕の居場所がどんどんなくなるのですが、これが『みなに幸あれ』のテーマに似ていると今日思いました。家に帰ったら、味噌汁を飲んで、開かない部屋を探してみてください。

下津監督受賞 コメント

 今回、MIFF(メリエス国際映画祭連盟)アジアンアワード・ベストアジアフィルムという名の賞をいただきました。アジアのファンタスティック・ジャンル映画の発掘・応援のために授与される賞とのことで、今までにエッジの効いた作品が選定されてきたようです。自分にとって今回が初めての国際映画祭への参加だったのですが、上映後の観客とのQ&Aで通訳を通してですが、確かな手応えを感じました。言語・文化を超えて伝わるものがあるなと。公開までこの映画とこの想いを大切に育てていきたいです。

ストーリー

 看護学生の“孫”は、ひょんなことから田舎に住む祖父母に会いに行く。久しぶりの再会、家族水入らずで幸せな時間を過ごす。しかし、どこか違和感を覚える孫。祖父母の家には「何か」がいる。そしてある時から、人間の存在自体を揺るがすような根源的な恐怖が迫って来る……。

 (2024年、日本)

スタッフ&キャスト

 出演:古川琴音、松大航也
 原案・監督:下津優太
 総合プロデュース:清水 崇
 脚本:角田ルミ
 製作:KADOKAWA、ムービーウォーカー、PEEK A BOO
 制作プロダクション:ブースタープロジェクト

オフィシャル・サイト(外部サイト)

アクセスいただいたサイトはメンテナンス中です
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 公式Twitter:@minasachi_movie

公開表記

 配給:KADOKAWA
 2024年公開予定

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