イベント・舞台挨拶

『春に散る』完成披露試写会

©2023映画『春に散る』製作委員会

 映画『春に散る』の都内で行なわれた完成披露試写会の舞台挨拶にキャストの佐藤浩市、横浜流星、橋本環奈、山口智子とメガホンをとった瀬々敬久監督が出席してクロストークを繰り広げた。

 本作は、沢木耕太郎が、追い続けてきたテーマ、ボクシングを通じて“生きる”を問うこと。ノンフィクションの傑作「深夜特急」三部作など、数々のベストセラーを世に放ってきた沢木の集大成ともいえる最高傑作を瀬々監督が実写映画化。不公平な判定で負けアメリカへ渡り、40年振りに帰国した元ボクサーの広岡仁一(佐藤)と、同じく不公平な判定で負けて心が折れていたボクサーの黒木翔吾(横浜)が出会い、世界チャンピオンを目指して命を懸けた戦いに挑む姿を描かれる。

 翔吾と対戦するチャンピオン役の中西利男役を演じた窪田正孝も出席予定だったが、体調不良のため欠席となった。

 ボクサー役の黒木役を演じた横浜は、今作でボクシングと本気で向き合い、プロテストに挑戦して合格。会場からは横浜に「おめでとう!」の祝福の言葉と大きな拍手が送られた。元ボクサーの広岡役を演じた佐藤も、「撮影中に(プロテストを)やってみない?という話が出ていました。本当に受験して合格するなんて……。びっくりしました! すごい」と驚きの笑顔で祝福した。

 横浜は、撮影中に元世界チャンピオンの内山高志から指導を受けていたことを明かし、「贅沢な時間でした。プロの方、それもチャンピオンに見てもらえるなんて……。、とても幸せな時間でした」と撮影を振り返った。

 共演した佐藤について、横浜は「疑似親子のような、師弟関係のような、ともに再挑戦する戦友のような、新しい関係性の形をふたりで表現できたなと思っています。僕が演じる翔吾にとって浩市さんが演じる仁一というのは、心の拠り所だったり、心の救いでもあります。撮影中は僕も浩市さんも同じ気持ちで演じていたと思います」と話した。

 広岡(佐藤)がアメリカに渡る前に所属していた真拳ジムの現会長・真田令子役を演じた山口は、実写映画に出演するのは、『スワロウテイル』(1996)以来27年ぶり。「私はボクシングジムの会長の役でありながら、何一つボクシングが分からない0以下のところから始まりました(苦笑)。ボクシングの世界が、(生きるという)命あるもの全部に繋がっているという、もの凄い発見がありました。皆さんもきっともの凄い発見があると思います」と伝えた。出演を決めた理由を聞かれると、「浩市さんですよ! 浩市さんラブですから(笑)。俳優としてすごく尊敬していて大好きなんです! ご一緒できて幸せでした」とはじける笑顔で応えた。
 さらに、若いキャストたちとの共演についても、「たくさん教わることがありました。大きな力をいただきました。現場でリアルな皆さんの成長と本気度を間近で見させてもらって、役得というか、感動しました」と話した。

仁一の姪・広岡佳菜子役を演じた橋本は、共演の横浜について、「今回この作品で熱さを感じました。男気みたいなのを体現している印象があります。試合シーンを間近で見させていただいて、近寄れないくらいの気迫というか、緊張感とかに本当に圧倒されました。すごかったです」と感動を伝えた。

 今作でボクシング指導・監修を担ったのは、俳優/ボクシングトレーナーの松浦慎一郎。横浜は「自分も格闘家を目指していたので、やはり格闘家への敬意は絶対に持たないといけないと思っていました」という決意で、松浦に『今までにないボクシング・シーンにしてください』と願ったという。「それにきちんと応えてくださったので、本当に感謝しています」と感謝を伝えた。

 横浜と窪田、2人の試合のシーンは数日かけて撮影が行われた。横浜は「集中力を保つのが大変。1ラウンドから5ラウンドまでが1日目、(別の日に)5ラウンドからというのを保つのが大変でした。ただ周りの方たちが毎回、応援してくださって、カットがかかると拍手をしてくださいました。やっぱりあの力は僕らの活力になったし、あとは(窪田が演じる)中村(利男)に負けたくないという気持ちがありました」と語った。

 2人の試合シーンを目の当たりにした佐藤は「役としても役者としても、お互いに“負けたくない!”という2人の気持ちが前のめりに伝わってきました。ワンカット・ワンカットにそれが映っている」と興奮気味に話す。

 瀬々監督も「あまりの速い動きにカットがかけられなかったほどだった。それくらい迫真の演技でした。ぜひ注目していただきたい」と大絶賛。横浜と窪田が対峙した本格的なボクシング・シーンが大迫力で、本当に素晴らしい。見応えありだ。

 佐藤は、横浜とのミット打ちのシーンを振り返って、「この男のパンチが重くて、皆さんが思われている以上にキツいです。ミットは硬いし、こちらからも当てていかないといけない。それでも徐々にアイ・コンタクトだけでできるようになっていくのは楽しかった」とにっこり。

 横浜は「(ミット打ちの相手側が)痛いのを知っているからこそ、最初は躊躇していたのですが、浩市さんから『気にせず本気でこい!』とおっしゃっていただいて。信頼関係がないと本当に難しいシーンでした。何があっても味方でいてくれるし、ちょっとした変化も気づいてくれる。声を上げて現場の空気を変えたり、何度も何度も浩市さんに心を救われたので、この作品で出合えて、本当に良かったと思います」と良き先輩に感謝と共演の喜びを噛みしめた。

 最後に横浜は「熱を持って作った作品です。その熱量はスクリーンに映っていると思うので、僕らの思いを皆さんの心で受け取ってくださると嬉しいです」。佐藤は「エンターテインメント作品になっています。最後に席を立つときに、今思うより大きなお土産を抱えて帰ることができる映画になったと思います」と客席に向かって熱く伝えた。

 佐藤浩市が翔吾を導くことで人生に尊厳を取り戻そうとする仁一、横浜流星が仁一と出会い諦めかけていた夢に再度挑戦する翔吾を演じ、山口智子、橋本環奈、窪田正孝の他にも哀川 翔、片岡鶴太郎、坂東龍汰、松浦慎一郎、尚玄、奥野瑛太、坂井真紀、小澤征悦ら豪華キャストが集結している。

 登壇者:佐藤浩市、横浜流星、橋本環奈、山口智子、瀬々敬久監督

 (取材・文・写真:福住佐知子)

公開表記

 配給:ギャガ
 8月25日(金)全国公開

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