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第16回「JAPAN CUTS~ジャパン・カッツ~」コンペティション「Next Generation」部門第三回大林賞受賞作品は森井勇佑・初長編監督作『こちらあみ子』に決定!

© 2023, Japan Society. Site by Alliance

 ジャパン・ソサエティー(JS)映画部は、2023年7月26日(水)から8月6日(日)に渡り、日本の新作映画を集めた映画祭『JAPAN CUTS~ジャパン・カッツ~』を開催した。若手監督によるインディペンデント長編作品を選出した「Next Generation」部門は、ジャパン・カッツ映画祭におけるコンペティション部門。例年、映画業界のエキスパートが審査員となって、6作品の中から1作品を「Obayashi Prize」(大林賞)受賞作に選ぶ。2020年に亡くなった日本を代表する映画監督・大林宣彦の名にちなんだ本賞は、日本の才能ある新鋭監督たちにスポットライトを当てるべく作られた。審査委員に藤井萌子(ライター)、ダン・サリバン(Film at Lincoln Center プログラマー)、パール・チェン(配給会社 Good Move MediaおよびKani Releasing 創設者)の3名を迎え、第三回大林賞には森井勇佑の初長編監督作『こちらあみ子』が選出された。本年度審査委員は本作に関して、次のように述べている。

 「書道教室で他の子どもたちが習字の訓練をするのを覗き見するあみ子を、子どもたちは誰がいち早く見つけられるか競います。あまりに主張が強く、手がかかり、型にはまることのないあみ子――彼女をうまく表現する言葉さえ見つかりません。悲しみに向き合おうとするが故に、周りの人たちを悩ませ、苛つかせてしまうある子どもの視点を、鮮烈な聴覚と視覚により創り出される世界観が見事に描き出しています。半規範的な作品が候補として並ぶ中、『こちらあみ子』は、私たちがよく理解できない人や、そういった人の面倒を見る人々の内面を見失うことなく、シュールな要素を心地よく取り入れることで、他の候補作より抜きん出ていると言えます。まだ幼い大沢一葉による演技が素晴らしい、森井勇佑監督の初長編映画です。」

 また、審査委員は「多大なる形式への追求と視聴者に挑戦する意欲」を理由として、河野宏紀監督の初長編映画『J005311』を「スペシャル・メンション」に選定しました。

© 2023, Japan Society. Site by Alliance

 今年の「Next Generation」部門では『J005311』(河野宏紀監督)、『山歌(サンカ)』(笹谷遼平監督)、『こちらあみ子』(森井勇佑監督)、『緑のざわめき Saga Saga』(夏都愛未監督)、『朝が来るとむなしくなる』(石橋夕帆監督)、『ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい』(金子由里奈監督)の6作が上映された。「大林賞」は故・大林宣彦監督の偉業を称え、その遺志を継ぐとともに、本映画祭の「ネクスト・ジェネレーション」部門を通じて、日本のインディペンデント映画のさらなる発展を促すことを目的としている。

大林賞受賞作品紹介

『こちらあみ子』Amiko(北米初公開)

 8月1日(火)午後6時
 2022年/104分/DCP/日本語上映・英語字幕付き
 監督:森井勇佑
 出演:大沢一菜、井浦 新、尾野真千子

 森井勇佑監督による注目のデビュー作。山あいの田舎町を舞台に、昆虫や憧れのクラスメイト、母のあごのほくろに至るまで、さまざまな想像を膨らませる変わり者の小学生・アミコは、刺激的な日々を送っている。しかし、アミコは誤解されがちで、家族やクラスメートからは、その奇妙で気まぐれな性格が不愉快に思われている。
 新人の大沢一菜が、『お引越し』の田畑智子のような溌剌とした演技を魅せ、人気フォークミュージシャンの青葉市子が音楽を担当。悲劇や不幸に直面しても、常に新しい世界観や驚くべき方法を発見する、幼い頃の不思議な感覚に満ちた作品。

「大林賞」審査員紹介

パール・チャン
 香港を拠点に活動する映画&コミュニティー・ワーカー。映画セールスエージェントGood Movie Mediaと、アジア映画の新作・レストア上映に特化する北米ベースのブティック配給会社Kani Releasingを経営する。2020年には『AGANAI-悪の陳腐さに関する新たな報告』を共同プロデュース。研究者そして翻訳者でもあるチャンは、Kani Releasingを通して、またVinegar Syndromeや88 Filmsなどと共に香港映画の再評価を進める活動をしている。

藤井萌子
 エッセイスト、評論家。執筆記事はニューヨーカー、フィルム・コメント、アパーチャーなどに掲載されている。プリンストン大学で英語の博士課程に在籍し、オリオン・マガジンの映画コラムニストも務める。

ダン・サリバン
 フィルム・アット・リンカーン・センター(FLC)の映画プログラマー。FLCでは、ラウル・ルイス、デイヴィッド・リンチ、ジャック・リヴェットなどの回顧上映や、その他さまざまな映画シリーズを企画。現在は、「New Directors/New Films」選考委員、ニューヨーク映画祭の「リバイバル」部門のプログラマーを務める。

JAPAN CUTS~ジャパン・カッツについて

 ジャパン・ソサエティー(JS)夏の映画祭「JAPAN CUTS ~ジャパン・カッツ~」は2007年の開始以来、全米初公開作品を多く含む300本以上の邦画を上映してきた。今までに、『ダンスウィズミー』、『十年 Ten Years Japan』、『告白』、『モテキ』、『キツツキと雨』、『フィッシュストーリー』、『かもめ食堂』、『愛のむきだし』、『殯の森』、『モンスターズクラブ』、『ゆれる』、『実録・連合赤軍 あさま山荘への道程』、『春との旅』、『舟を編む』など、バラエティに富んだ作品を上映し、パネルディスカッションや、上映後のパーティー、映画監督や俳優たちとの質疑応答セッションも開催。過去のジャパン・カッツには、樹木希林、役所広司、長澤まさみ、二階堂ふみ、北村一輝、安藤サクラ、オダギリジョー、斎藤 工、小橋賢児、入江 悠、藤原敏史、松井久子、藤原竜也、田口トモロヲ、豊田利晃、金子修介、河瀨直美、熊切和嘉、西川美和、荻上直子、園 子温、高橋 玄、若松孝二、矢崎仁司、行定 勲、瀬田なつき、山本政志、蒼井そら、石橋義正、小林政広、エリック・クー、原 一男、佐藤信介らが参加・登場している。

映画部について

 JS映画部は、JSの芸術・文化プログラムの一環として、伝統的な作品から独立系の作品まで、多様で厳選された映画の数々を上映してきた。また巨匠作品の回顧上映や、テーマに沿った映画シリーズ、全米初公開作品のプレミアも行っている。詳細はhttps://japansociety.org/film/(外部サイト)ご覧下さい。

JSについて

 JSは、日本の芸術、文化、ビジネス、社会をニューヨーク及び世界の人々とつなぐ全米随一の規模を誇る日米交流団体であり、芸術と文化、公共政策、ビジネス、サステナビリティ、教育における革新的なプログラムを通じて、ニューヨーク市歴史的保存建築に指定されているJS本部ビルからだけでなく、オンライン形式でも発信している。1907年以来、JSでは「きずな(絆)」の考えのもとに、革新的な次世代クリエーターの支援、日米相互理解の促進、日本の多様性を深く理解しようと願う世界の人々にとって信頼できる案内役となること、そして日米間の相互理解の促進と絆を深めることを目指している。拠点とするニューヨーク市でのつながりを一層強化することに加え、米国内外での新たな架け橋の構築にも取り組んでいる。詳細はhttps://japansociety.org/(外部サイト)をご覧ください。

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