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『こちらあみ子』第52回ロッテルダム国際映画祭Bright Future部門正式出品!

©2022『こちらあみ子』フィルムパートナーズ

 芥川賞受賞作家・今村夏子のデビュー作を新鋭・森井勇佑が映画化した『こちらあみ子』が、第52回ロッテルダム国際映画祭Bright Future部門に正式出品された! この朗報を受けて、森井勇佑監督と主演・大沢一菜からの喜びのコメント、そしてロッテルダム国際映画祭プログラム・チームよりコメントが届いた。

 原作は「むらさきのスカートの女」で第161回芥川賞を受賞した今村夏子が、2010年に発表した処女作「あたらしい娘」(のちに「こちらあみ子」に改題)。本作で太宰治賞、三島由紀夫賞をW受賞して以降、新作を発表するたびに現代文学ファンの間で大きな話題を呼んでいる。

 主人公のあみ子を演じるのは、応募総数330名のオーディションの中から見いだされた新星・大沢一菜(おおさわ・かな)。圧倒的な存在感で“あみ子の見ている世界”を体現していく。両親役には、日本映画を代表する俳優の井浦 新と尾野真千子。監督は、大森立嗣監督をはじめ、日本映画界を牽引する監督たちの現場で助監督を務めてきた森井勇佑。原作にはないオリジナル・シーンやポップでグラフィカルな映像描写で“あみ子の見ている世界”に新たな風を吹き込み、監督デビューを果たした。

 本作は、2022年7月8日から公開が始まり、3ヵ月以上経った現在も全国各地でロングラン中。国内映画賞のトップバッターとして注目を集める「第14回TAMA映画賞」にて、森井勇佑監督が最優秀新進監督賞(本年度最も飛躍した監督、もしくは顕著な活躍をした新人監督を表彰)を受賞するなど、さらなる広がりに期待が集まっている。

 本作にとって海外映画祭デビューの場となるロッテルダム国際映画祭(オランダ)は、新しい才能を発掘する 映画祭として知られ、毎年35万人以上の観客数を誇る。アジア映画を多く上映することでも知られ、Bright Future 部⾨は新⼈監督にフォーカスした部⾨となる。第52回は、2023年1月25日から2月5日まで開催され、森井監督が参加予定。

 正式出品の一報を受け、森井監督とあみ子役の大沢一菜のコメントが到着した。「ロッテルダム国際映画祭は憧れの場所でした」と語る森井監督は「あみ子という存在が、海外の人の目にどう映るのか、どう心に残っていくのか、とても興味があります」と心境を語り、一方の大沢も「オランダの人に観てもらって、“あみ子”がどんどん成長するのが楽しみです!!」と喜びを明かした。また、ロッテルダム国際映画祭プログラム・チームからのコメントも届いた。

コメント

森井勇佑(本作監督)
 『こちらあみ子』が、海外のお客さんに観てもらえることになりとても嬉しいです。あみ子という存在が、海外の人の目にどう映るのか、どう心に残っていくのか、とても興味があります。
 ロッテルダム国際映画祭は憧れの場所でした。そんな場所で『こちらあみ子』が上映されるのは夢のようです。
 とても楽しみにしています。良い出会いになりますように!

大沢一菜(本作主演)
 自分が出演した映画が海外に届くとは夢にも思っていませんでした。
 森井監督、森井組の皆さん、おめでとうございます。
 ロッテルダム映画祭がひらかれるオランダはゴッホの故郷であったり、ミッフィーの生まれた場所だと知りました。オランダには行ったことがないので、映画祭に行けたら嬉しいです。
 オランダの人に観てもらって、“あみ子”がどんどん成長するのが楽しみです!!
 よろしくお願いします!!

ロッテルダム国際映画祭プログラム・チーム
 あみ子は他の子どもたちとはちょっと違う。その風変わりな好奇心と果てしないエネルギーのせいで、学校ではのけ者にされ、家では騒動の元となってしまう。一見のどかな海辺の暮らしも大切な家族の喪失によって崩壊し、彼女の孤独感が強まるほどに、観るものはどんどんその世界に引き込まれてしまうかのようだ。
 森井勇佑の監督デビュー作は、子どもの想像力に信頼と思いやりを持って物語を紡いでいる。悲しみと喜び、過酷なレッスンと純朴な楽しみのバランスを絶妙に保ちながら子どもが成長するかのように。重要なことだが『こちらあみ子』は誰が物語の中心であるかを決して忘れない。日本の小さな町のちょっぴり皮肉なユーモアと繊細な人間関係やこの映画の希望に満ちた主題は、荻上直子や是枝裕和の作品を彷彿とさせる。やさしくて物憂げな雰囲気を新進気鋭のフォーク・スター、青葉市子の楽曲が更に味わい深くしている。
 大沢一菜は天然とも言えるほどの絶妙さであみ子になりきっている。彼女の自然でさりげなくかつ生き生きとした存在は大切な重みを持ち、観るものを落胆させることは決してない。疲れた大人や非協力的なクラスメートに直面した時のあみ子の不屈の精神は、私たちに痛みを乗り越えさせるだけでなく、やんちゃで気まぐれだった頃を思い起こさせもする。魂に響くかのような音楽の反復旋律は、その鼓動を耳にするたびにこの映画を想起させるに違いない。

公開表記

配給:アークエンタテインメント
全国順次公開中

(オフィシャル素材提供)

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