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『怪物』第28回釜山国際映画祭 記者会見&公式上映

©2023「怪物」製作委員会

 6月2日(金)より全国341館で公開した映画『怪物』(配給:東宝/ギャガ)。第28回釜山国際映画祭《開催期間:10月4日(水)~10月13日(金)》のガラ・プレゼンテーション部門に参加、日本からは是枝裕和監督、黒川想矢、柊木陽太が渡航し、10月7日(土、※現地時間)に記者会見に参加後、公式上映に舞台登壇した。

 現地時間18:00より開かれた記者会見に臨んだ是枝裕和監督、黒川想矢、柊木陽太の3名。冒頭の挨拶後、まず是枝監督は主役を演じた黒川、柊木のオーディションの様子と2人の印象、そして撮影の進め方について話し、黒川、柊木は撮影中の監督の様子や監督と話したこと、撮影現場での様子などを振り返った。また監督は、脚本家坂元裕二や音楽の坂本龍一との仕事についても言及。坂本龍一とは言葉を交わすことなく、手紙と音楽のやり取りのみで作品作りを進めたことを明かし、自身にとっても大変貴重な体験だったと語った。また印象的な音楽室のシーンのホルンの音を邪魔しない音楽を作りたいという坂本の手紙に嬉しく思ったとも振り返った。言葉の多い脚本家だと思われている坂元裕二だが、監督が坂元の脚本で一番好きなのは、核心に触れる部分は台詞には頼らない点。今作でも一番伝えたいことは楽器の音にしかなっていないところがとても坂元らしく、監督はそれを演出したいと思ったことを明かした。視点が変われば見方が変わる構成の本作に、柊木はとても考えさせられたと語り、黒川は話すことが好きではないが話すことが重要と伝えた。

 映画における「感情の共有」の役割についてどう考えるかという質問に対しては、是枝は、映画というのは共感と共有の先に行かねばならず、この脚本はそこを目指していると思ったと言う。むしろ黒川と柊木が演じた湊と依里に観客が共感していくのではなく、彼らに置き去りにされた私たち大人が、じゃあ何ができるのか、どう考えるべきなのか、という問いを残して終わりたと考え坂元と共に考えて作ったのだと監督は語る。予定していた時間はあっという間にすぎ、質問が尽きない中記者会見は終了した。

 息つく暇もなく、20時から予定されている公式上映に先立って19:40から行われる舞台挨拶に向かう3名。公式上映の会場は釜山シネマセンターBIFFシアター。本映画祭のメイン会場でもあり、4400人キャパシティの圧倒的な存在感のある屋外の会場だ。本作の公式上映のチケットが発売されるや、わずか2分でソールドアウトしたといい、是枝監督の人気ぶりがうかがえる期待の上映となった。小雨が降る中レインコートを着て登場を待ちわびた4400人の観客たちの熱気あふれる会場の舞台に登壇した3人は上映前の観客の前で言葉を述べた。

 是枝監督は「28回目の映画祭にまた新作を持って参加できたことが嬉しく、こんなにも多くの映画ファンの方にお越しいただき感激している」と感謝を述べ、黒川と柊木はそれぞれ韓国語で流暢に挨拶をし、観客から喜びの歓声とおおきな拍手を受けていた。最後に是枝監督は「自分と同じデビューから28年の釜山映画祭への強い思い入れとともに、この映画での韓国映画人との出会いが自身の映画作りにプラスになっていると感謝を述べ、今後も共に頑張っていきたい」と挨拶し、大きな拍手が会場を包んだ。最後の写真撮影後、黒川、柊木の二人が「カムサハムニダ」と韓国語で挨拶をすると、「かわいい!」という声が上がりとてもあたたかな雰囲気の中、上映前舞台挨拶は終了した。

釜山国際映画祭 記者会見

是枝裕和監督:さっき着いたばかりなんですけれども、今年もこの映画祭に参加することができてとても嬉しく思っております。今年は新作の『怪物』という映画をもってここにきています。主役の2人とまた映画祭に参加することができて本当に嬉しいです。楽しみにしております。よろしくお願いいたします。

黒川想矢:アニョハセヨ―、チョヌン黒川想矢イムニダ。チャルプッタッカムニダ。(こんにちは、黒川想矢です。どうぞよろしくお願いします。)

柊木陽太:アニョハセヨ、チョヌン柊木陽太イムニダ。チャルプタドゥリムニダ。(こんにちは、柊木陽太です。どうぞよろしくお願いいたします。)

MC:皆様からのご質問を受け付ける前に、まず監督がこの2人のとてもかわいくて魅力的な俳優をどのように見つけられたのか、とても気になるので、先にお伺いしてから質問にうつりたいと思います。

是枝監督:ありがとうございます。2人とはオーディションで出会いました。今よりも背が低かったけど、そろそろもう抜かれちゃいそうです。オーディションで会って、通常のいろいろな選考のプロセスを経ていろいろな役を演じてもらいながら、2人に絞っていったんですけれども、ちょっとこの2人は図抜けていたというか、明らかに他の子たちよりも輝きが違っていて、疑いようのないものを感じていまして、僕の中では迷いは全くなかったんです。ただ、どういうアプローチをしてこの役と向き合ってもらうかということだけを、このオーディションの最中から考え始めていたという形です。なので、いつもであれば本人たちのキャラクターに沿う形で脚本をなおしていって、本人がもっているボキャブラリーとか個性とかに役柄を寄せていくんですけれども、今回は通常の大人の演者と同じような形で役を一緒に、自分の外側に……というとちょっと違うかもしれませんけれども、一緒に作っていきましょうというアプローチの仕方をしたので、台本を渡して、本読みをして、リハーサル等もかなり入念に2人のシーンをやった上で撮影に臨みました。

MC:まず本格的に皆様から質問を受ける前に先にお2人に質問しますね。現場では監督がおいしいものをごちそうしてくれたなど、どんなふうに現場を過ごされていたのか、楽しい現場だったのかご感想をお聞かせください。

黒川:監督が、現場にキッチンカーを3回くらい用意してくださって、それがピザとか他にもいろいろマシュマロの可愛いやつとかいろいろあって、それがすごい美味しかったのを覚えています。

柊木:現場でうどんを作ってくださって、その場でゆがいたりしてくださって、すごくおいしかったです。現場はすごく楽しくて自然と役に入っていけるような感じの現場づくりをしてくださっていたのを感じました。

質問:シンジインと申します。映画が本当に素晴らしかったです。監督にお伺いしたいんですが、この映画を観ていると誤解からスタートして理解する過程があり、そして最後には涙を流す、そんなプロセスがありました。その涙には、残念な気持ちもあるんですけれども、同時に申し訳ないという気持ちが大きくあったと思います。見えるものが全てではないと思いましたし、それぞれ観方によって、観る人にとってパズルを組み合わせていくような、そんな作品だと思いました。本当に感動、そして感嘆しました。監督にお伺いしたいのは、演出をする上で最もこだわったところ、どんなところを重要だと考えてお撮りになられたのかお聞きしたいです。そしてこの作品は、監督とまた脚本を書かれた坂元さん、そして故人となられた坂本龍一さん、3人の共同作業で作り上げられた名作だと思うんですけれども、その3人の共同作業における何かエピソードがありましたらお聞かせください。また俳優のお2人には、どのように、あのような内面が伝わってくる演技をされたのか、お話・エピソードをどんなふうに役に取り込まれたのか、どんなことを監督とお話されたのかをお伺いできればと思います。

是枝監督:ありがとうございます。いろいろなことにこだわってるんですけれど、最初にいただいたプロットをもとにして、それが2019年なので撮影までに丸3年かかってるんですけれども、その間に大きく脚本の中でも変わっているものがあって、それはプロットが川だったのが湖に変化しています。そういう、町をどこに設定するのかということがとても大事な物語だなと思いました。火と水というものがとても象徴的に使われているプロットだったので、それを大事に撮っていこうということで、もともと脚本には映画のクライマックスのラスト直前に子どもたち2人が横倒しになった列車から、水路に落ちるという描写はないんです。あれはあの場所を見つけて水路の水を活かそうと思って脚本を変えて撮影をしているんですね。そういう、どこに水と火を配置していくかということが、僕が一番こだわったところかな。
 坂元裕二さんと坂本龍一さんとの共同作業というのは、話はじめるとそれだけで終わってしまうので簡潔にお話します。同時代にモノを作っている方々の中で本当に尊敬するお2人との共同作業を実現できたのが、自分の中では本当に大きな経験になりました。坂本龍一さんとは、今回は直接言葉を交わすことができなかったんですけれども、基本的にはお手紙と2人の間を音楽が行き来するというかたちで。僕はいただいた音を画に合わせて送りかえして、それにまた新しい音がついて戻ってくるという、それとお手紙のやりとりという形でしたけれども、貴重な経験をさせていただきました。

柊木:どんなふうに演じたのかというと、あまり普段はどんなふうに演じようとかは考えずに演じていて、その自分がやる役のその人物がどんな人なのかをしっかり考えて、その場の雰囲気に合わせて役柄に入っていくというお芝居をしています。監督とはたくさんお芝居のお話もしましたし、あとできるだけ自由にとおしゃってくださいました。

黒川:演技についてあまり僕はどう演じるとかはあまり分からなくて、監督がたまに答えになるヒントのカギみたいなものをたくさんくださって、それを集めて演じました。監督から言われたことで印象に残っていることは、感情を痛みとか感覚に置き換えて演技をしてみようというふうに言ってくださって、それが例えば、怖い時とかは足の先が動かないとか冷たいとかそういう感じの言葉を言ってくださって、すごい学びになりました。

質問:まずは監督にお伺いしたいんですけれども、この映画は同じ状況を取り巻いている、同じ状況を巡って、3人の異なる視点で描かれるそのように構成されています。なかでも管楽器の音が最初は騒音に聞こえていたんだけれども、また今度、後になって別の聞こえ方がする、というのは編集の段階からそれらを念頭に置いて撮影もされていたと思うんです。そのような構成をつくりあげていくプロセスがどのようにされていたのか、気になります。また、見え方がお母さんを巡る話が、最初は教師の保利先生の目からお母さんがどう映っていたのか、そしてお母さんが見ていた学校の様子というふうに視点が変わっていく、この完成された映画を観て、お2人の俳優さんはどういうふうに感じられましたか?

是枝監督:はい、ありがとうございます。あの音楽室のシーンがプロットの段階からもう今の完成形の形で書かれていました。自分で書いたっていうと、本当に自分で書けていたら、そんなに素晴らしいことはないと思うかもしれません。正直、坂元さんが書いたプロットを読んだ時にここに向かっていく話なんだなと、とても胸が躍ったといいますか非常にシリアスな物語ではあるんですけれども、あの音楽室のシーンを僕が撮れるのだということに僕が喜びを感じたほどでした。実際にプロットから脚本に発展したものを読んだ校長役の田中裕子さんはご自身であの音を出したいということで、1年以上前からホルンの練習をされて、自分で音を鳴らしていますし、黒川君も現場で自分で音を出したもので構成しています。先ほど名前を出しましたけれども、坂本龍一さんが初めて僕が編集した映像を観たときに、返ってきたお手紙の中でもあの音楽室のシーンに触れられていて、あの音楽室の音がとてもいいから、自分の音楽があの2人の奏でる音を邪魔しないものにしたいと思いますというふうに手紙に書いてくださって、とても嬉しかったのをおぼえています。

柊木:視点が違うだけで、人の気持ちが変わってくるんだなと思って、サクラさんが演じられた想矢君、湊のお母さんが学校を見るときはものすごい悪い学校にみえたけど、それは逆に瑛太さんが演じられた保利先生からみると保利先生は全然悪くなくて、逆にいい人でした。視点が違うだけですごく変わってくるんだなということに改めて気づいたし、そういう勘違いとかはしてしまうけれど、違う視点から見たら、他の考え方もできるんじゃないかなということも考えさせられました。

黒川:僕は普段話すことがあまり好きじゃないんですけど、勘違いとかすれ違いとかいろいろとあって。意思疎通、意志伝通ができたらなぁと、何も言わなくても分かりあえたらものすごくいいなと思うんですけれども、やっぱりしゃべらなくちゃいけなくて、今回の映画を観て、ちゃんと伝えて話すことはすごく大事なんだなと思いました。いろいろと話して嫌なこともあるけれど、話すことは本当に大切なんだなと思いました。

質問:監督にお伺いします。今朝、映画を拝見しまして、本当に感動して泣きそうになりました。監督が作る映画には人を動かす力があると思うのですが、人の心に働きかける作品をつくる秘訣をお聞かせください。また、監督はデビュー作以外は脚本をご自分で書かれているかと思いますが、今回坂元裕二さんのプロットを読まれて、これで撮ろう、撮りたいと決められたと聞きました。どんな部分が決め手となったのかお伺いしたいです。最初にシナリオ・プロットを読んだときにどんな印象を抱かれたのか、また実際に映画を撮られた後どんなふうに思われたのかもお聞かせください。

是枝監督:まず、映画を観ていただいて気に入っていただけたことを感謝します。ありがとうございます。「心が動く」ということは、自分が映画を観ていてもとても大事なことだと思っているので、そう言っていただけて嬉しいです。ただ、人の心を動かすためのノウハウ、という言葉を聞くと、僕はノウハウで何とかなるとは思っていない気がします。今回でいうと、この2人(黒川さんと柊木さん)とどういうふうに向き合うかということを、撮影現場のスタッフ・共演者たちがみんなできちんとやった結果じゃないかと思っています。坂元さんとは今までに3度ほど対談をさせていただいていて、いつか一緒にやりましょうという話をずっとしていました。年齢は僕のほうが少し上ですが、多分同時代を生きていて、彼は主にテレビで僕は映画ですけれども、今の時代に人の心に起きる、社会に起きるいろいろな出来事に対する関心の向け方が近いなと思っていました。表現の仕方は違うのですが、関心の持ち方がかなり近いという意識はあったので、どこかでタイミングがあえば、きっと良いコラボレーションができる、良い共同作業ができるだろうなと思っていました。今回プロデューサーの川村元気さんから「坂元さんから是枝さんの名前が出ました」と聞いた時点で、プロットを読む前に「やります」という意思表示は示してしまったので、内容は関係なかったです。ただ、読んだうえで、一番「ここは!」と思ったのは、先ほども触れましたけれども音楽室のシーンでした。坂元さんは、すごく言葉が特徴的で、日本の中だと言葉の多い脚本家だと思われている側面もあるんです。今回のものもそうですが、いつも僕が坂元さんの脚本で一番好きなのは、一番核心に触れる部分は台詞には頼らないという、言葉にはならない脚本が素晴らしいんです。今回もやはり一番伝えたいことは楽器の音にしかなっていないというところは、とても坂元さんらしいなと思いましたし、演出したいなと思いました。

男性モデレーター:ソン・ガンホさんとご一緒したいと思ったらソン・ガンホさんがカンヌで男優賞を受章され、坂元裕二さんとご一緒したいと思ったら、カンヌで脚本賞を受賞される。是枝監督は本当に「驚くべき方」ですね。是枝監督と一緒にお仕事をしたいという方の行列ができているのではないかと思いますが、次の質問に行ってみようと思います。

質問:映画本当に素晴らしかったです。誤解や噂によって人々の内面が3つに分かれて構成されていて、またそのさまざまな状況が変わっていくことを観客も一緒に体験させられる作品の流れになっていたと思います。観客の立場からすると、理解をするというよりは、映画の中の周辺人物と一緒になって感情を共有していくような、そんな体験でもありました。そのように意図して撮影されたのですか? こういった映画の中の周辺人物たちとの感情の共有、同じ経験をすることを通じて、観客にどんなことを受け取ってほしいと思われたのかお伺いしたいです。もう一つ、監督の作品は、理解というよりも、共有・共感に重きが置かれているように思いますが、映画のひとつの強みでもある、映画における感情の共有だったり、共感というものの役割について、どのようにお考えになられていますか?

是枝監督:難しい質問だな。普段自分が書いている脚本にはない要素が今回の脚本にはかなり含まれていて、その一つが多分ある種の登場人物と同じ目線で起きている事件を体験してもらうという形の観客への参加を呼び掛けるような構造です。それは普段僕はあまりやらないので、やってみてとても面白かったです。良い意味でも悪い意味でも、とても意地悪な脚本で、観客にミスリードさせて、誤解をさせて、それを後で「誤解だった」ということを前提にまた先に進んでいくという構成・構造を持っているので、映画を観ていくにつれ、自分も登場人物と同じように少年たちを追い詰める側に否応がなく置かれてしまうという、非常に坂元さんらしい、と言うとあれですけれども……とても技術的に優れた脚本だなというふうに僕は読みました。どういうふうに、どんな情報をどういうふうに伏せながら、何を共有して先に進むかということを、一緒に脚本を作っていくうえで、もともと3時間くらいあった脚本のどのシーンを削ぎ、何を3章に回していくかというのを一緒にやりながら作った脚本なので、そのあたりがうまくいったんじゃないかなと思っています。もちろん共感してもらうということも大きなことだと思うけれども、恐らく映画というのは共感と共有の先に行かないといけないんじゃないかという思いもどこかにあって、たぶんこの脚本は、そこを目指しているんだと思いました。むしろ、今ここに並んでいる2人(黒川さん、柊木さん)に、観ている観客が共感していって欲しいというよりは、彼らに置き去りにされた私たち大人が、じゃあ何ができるのか、どう考えるべきなのかという問いを残して終わりたいっていうことを脚本家と僕は考えて作ったつもりでおります。

男性のモデレーター:お時間の都合でフォトセッションに入らないといけない状況になりました。前売り発売開始と同時に4400席がすぐにソールドアウトとなった、皆さんが非常に関心を持たれている作品となります。今日はどうもありがとうございました。

釜山国際映画祭 公式上映前

是枝監督:アニョハセヨ、28回目の釜山映画祭にまた新作を持ってやって来ることができて本当に嬉しく思っております。
 その初めての上映、韓国プレミアにこんなにたくさんの映画ファン方たちが集まっていただけて本当に感激しております、
 ありがとうございます、今日は楽しんでください。

黒川想矢:(韓国語で)アニョハセヨ、黒川想矢です。よろしくお願いします。

柊木陽太:(韓国語で)アニョハセヨ、柊木陽太です。よろしくお願いします。

MC:本当に感激ですよね、そしてこの映画を観たらもっと深く印象に残ると思います。監督、この映画のご紹介をお願いします。

是枝監督:この作品は僕が最も尊敬する坂元裕二という脚本家の方と一緒に、2019年から完成まで4年近くかかって出来上がった作品です。日本の長野県という諏訪湖という大きな湖がある、小さな町で起きる小さな事件をめぐって、人々の話を描きました。とにかく、いま隣に並んで流暢に挨拶を韓国語でしてくれたこの2人と出会えたことが、この作品をとても豊かなものに、見た方の心に響くものにすることができた一番大きな出来事だと思っています。

MC:お二人はどんな役を演じられるのかお聞かせ願えますか?

黒川想矢:僕は麦野 湊役を演じました。麦野君はとても優しい子です。すごく優しい子です(笑)。

柊木陽太:僕は星川依里君という子を演じました。星川依里君はちょっと変わった子で、ちょっと面白い子です。

MC:拍手をお願いします。今年釜山映画祭は28回目を迎えますけど、是枝監督の最初の映画を撮られてから28年が経つと思います。釜山映画祭と共に歩まれた28年というのは感慨深いものになるのではないかと思いますが、釜山にこれまで28年の間に数えてみたら10回来られているんですね。何度もオープン・トークもしていただきましたし、さまざまなイベントにも参加していただいて、釜山映画祭を輝かせてくださったと思います。監督にとっても感慨深い思いがあると思うのですがいかがでしょうか?

是枝監督:自分のデビューと同じ年を重ねている映画祭は他にはないので、それだけ思い入れは強いですし、今触れていただいたオープン・トークで、ポン・ジュノさんと対談をしたり、ソン・ガンホさんと初めて会ったのもこの映画祭ですから、それをきっかけに『ベイビー・ブローカー』という映画を作ることができました。本当に韓国の方だけではもちろんないですけど、ここで出会った韓国の映画人との交流というのが、多分僕の映画作りにとってはとてもプラスになってますし、今後もまたチャンスがあれば韓国スタッフ・キャストと、また映画を作りたいなという気持ちは常に持っています。この先ずっと、あと何年、何本映画を作れるかは分かりませんけど、30年、35年、40年まで頑張って、映画祭の方々にも頑張っていただいて、僕も負けずに頑張りたいなと思います。

会場:拍手喝采

MC:舞台挨拶は以上になります、今日はありがとうございました。

 登壇者:是枝裕和監督、黒川想矢、柊木陽太

 是枝監督作品の釜山国際映画祭への出品は、12作品目となり、是枝監督の同映画祭参加は10回目となる。映画祭は先月27日、是枝裕和監督のスペシャルグッズを公開した。スペシャルグッズの内容は、これまで同映画祭に招待された是枝監督の12作品をモチーフにしたバッジ、ポストカード、ブックレット、ミニポスターのセットとなる。昨年の俳優・トニー・レオンに続き、感性的な演出でアジア映画の発展に寄与した是枝監督の功績をたたえるために作られたという。グッズは映画祭の会場「映画の殿堂」の観客ラウンジ「p!tt ground」で購入できる。

 今年5月、カンヌ国際映画祭での【脚本賞】【クィア・パルム賞】受賞から快進撃が始まった『怪物』は、その後もシドニー映画祭(オーストラリア)、ミュンヘン国際映画祭(ドイツ)、カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭(チェコ)、ニュージーランド国際映画祭(ニュージーランド)、ニューホライズン国際映画祭(ポーランド)、メルボルン映画祭(オーストラリア)、シネフェスト・ミシュコルツ国際映画祭(ハンガリー)、アトランティック国際映画祭(カナダ)、トロント国際映画祭(カナダ)、サン・セバスティアン国際映画祭(スペイン)、カルガリー国際映画祭(カナダ)、モンテレイ国際映画祭(メキシコ)、バンクーバー国際映画祭(カナダ)、釜山国際映画祭(韓国)、ロンドン映画祭(イギリス)、ミルバレー映画祭(アメリカ)他、計42の映画祭での上映が決定(10/07現在)。また現在190以上の国と地域での配給が決まっており、すでに公開を迎えた香港やシンガポールでは『万引き家族』と同等もしくはそれ以上の成績をたたき出すなど、世界的にも大きな話題を呼んでいる。

 また国内の興行成績は10月5日(木)までの公開126日間で、観客動員数154万人、興行収入21.2億円を突破。是枝裕和監督作品で興行収入20億を超えたのは、第66回カンヌ国際映画祭審査員賞を受賞した『そして父になる』(13/福山雅治主演)、第71回カンヌ国際映画祭最高賞のパルムドール受賞し、第91回アカデミー賞®外国語映画賞ノミネートも果たした『万引き家族』(18/リリー・フランキー、安藤サクラ主演)に続く3作目となる。
 本作は、監督:是枝裕和×脚本:坂元裕二、さらに音楽:坂本龍一という日本最高峰の才能が集結して描いた一作ということで注目を集め、公開後は40~50代の映画ファンや20代カップルを中心に幅広い層の観客が劇場を訪れ、映画レビューサイトでも高評価が続くなど好評を得ている。また本作では2度3度と鑑賞するリピーター客も多くみられ、鑑賞後に感想や見解について語り合いたい、確かめ合いたいという声も多く届き、すでに各地で計12回実施した上映後に直接是枝監督や出演キャストに作品についての質問ができるティーチイン付き上映も、活況を呈していた。まだまだ全国絶賛公開中の『怪物』に、引き続きご注目いただきたい。

公開表記

 配給:東宝、ギャガ
 大ヒット公開中!

(オフィシャル素材提供)

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