インタビュー

『ホゾを咬む』ミネオショウ オフィシャル・インタビュー

© 2023 second cocoon

 新進気鋭の映像作家・髙橋栄一監督自身がASD(自閉症スペクトラム症)のグレーゾーンと診断されたことに着想を得て、独自の切り口で「愛すること」を描いた映画『ホゾを咬む』。本作の公開を前に、主演・ミネオショウのオフィシャルインタビューが到着した。

ミネオショウ

 東京都出身。美容師から俳優に転身し、映画、ドラマ、CM、MV等数々の映像作品に出演。
 近年の出演作品に、映画『クレマチスの窓辺』(永岡俊幸監督/2022)、『とおいらいめい』(大橋隆行監督/2022)、『PARALLEL』(田中大貴監督/2022)、『ラーゲリより愛を込めて』(瀬々敬久監督/2023)などがある。
 2023年は『ホゾを咬む』と『MAD CATS』(津野励木監督/2022)の2本の主演作を含む複数の出演映画やネット配信ドラマが公開。

ハジメをどのような人物と捉えましたか?

 最初どういうふうに切り込んでいこうか悩んだんですけれど、脚本を読んで、ハジメは相手にうまく感情が伝えられない人だと思いました。妻のミツに対して話す内容を、家に帰る間に予習しておくみたいなシーンがあります。僕は、舞台挨拶などの際に、事前にどういうことを話そうか、うまくしゃべれるかなと考えたりするんですが、それが日常に出るのがハジメなんだなと思いました。自分に自信がないのかなとも思ったので、それを表現できたらと思いました。

妻の浮気を疑って監視カメラを買ってしまうなど、ハジメの行動は私は理解できたのですが、演じていていかがでしたか?

 実際にやるかは別として(笑)、気持ちは分かりました。不安な気持ちというのは、パートナーだったとしても感じてしまうこともあると思ったので、すごい行動に出たなとは思いますが、理解はできました。

ご自身だったら、普段とは全く違う格好のパートナーを街で見かけたら、どうしますか?

 やっぱり追っかけちゃいますよね(笑)。昔、実際にそういうことがあったんです。付き合っていた人が、朝方、知らない男の人と歩いているのを見て、それを追いかけようかなと思って。結局それは本人でした。そういう気持ちをちょっと思い出しました(笑)。

妻・ミツ役の小沢まゆさんとはご一緒していかがでしたか?  

 ミツもそうなんですけれど、包み込んでくれる人なんだろうなと感じました。こっちが何をやっても許してくれるというか、母性というか優しさを感じる人だなと思いました。

木村知貴さんが演じた主人公の同僚・月見里とのシーンの撮影はいかがでしたか?

 木村さんとは、同じシーンでお芝居をするというのは初めてでした。すごく独特の、面白い間でやってくるんで、一緒にやっていて、吹き出してしまいそうになる瞬間もありました。木村さんがやった役がトイレで吐くシーンがあるんですけれど、全力でやるんで、毎回カットがかかる度に顔色が悪くて、「本当に吐いたのかな?」と思うくらいでした。自分が画面に映っていなかったとしても、声が入っているからと全力投球しているのは、見習わなくちゃなと思いました。

牧田夫妻とのシーンの撮影はいかがでしたか?

 あの二人組は異質でしかなかったです。昔の日本映画の登場人物が現代映画に紛れ込んできたような異質感を感じました。こっちが何か言ったら、小津映画の登場人物が返してくるというようなおかしさがありました。

一卵性双子のフクリ・シッタとのシーンの撮影はいかがでしたか?

 フクリ・シッタ役のミサ・リサさんは、今回お芝居が初めてだったみたいで、撮影中に吹き出しちゃうことが多くて、一緒にやるのが新鮮でした。初めてということで、楽しんでやってもらいたいなと思いながら、リアクションをしました。

河屋秀俊さん演じる野老(ところ)との撮影はいかがでしたか?

 河屋さんは、映画『れいこいるか』を拝見したことがあって、まさかご一緒できるとは思っていなかったので、嬉しかったです。そこにいるだけで、漂っている風情、河屋さんが持っている人柄が出ていて、ああいう雰囲気を出すのはどうやるんだろうと思いながら見ていました。楽しんでご一緒できました。

福永 煌くん演じるコゾウとのシーンは、大人びたツッコミをする子どもとのセリフのやりとりが面白かったのではないかと思いますが、撮影はいかがでしたか?

 煌くんとの撮影は本当に楽しかったです。カットがかかる度に、煌くんが虫を探しに行っちゃうんです。僕も一緒について行って、話して、すごく仲良くなれたので、その雰囲気も出ているかなと思います。ハジメが劇中で一番心を許して話している人物がコゾウだったので、いっぱいしゃべってコミュニケーションを取りました。

髙橋栄一監督はご一緒していかがでしたか?

 変わった方だなと思いました。こだわりがあるというか、やりたいことがはっきりしている方でした。自分がやりたいのはこうだというのを諦めないでちゃんと伝えてくれるので、やりやすかったです。信頼できる方でした。

読者にメッセージをお願いします。

 この映画は、変わった映画です。僕は、映画を観た時に、自分のための映画だと感じる時があるんです。この映画が、どなたかにとっての「自分のための映画」になってくれるといいなと思っています。

公開表記

 製作・配給:second cocoon
 12月2日(土)より新宿K’s cinemaほか全国順次公開

(オフィシャル素材提供)

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