イベント・舞台挨拶

『戦場のピアニスト 4Kデジタルリマスター版』トークイベント

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 12/1(金)より角川シネマ有楽町ほか全国順次公開となった『戦場のピアニスト 4Kデジタルリマスター版』。本日12/3(日)、公開を記念して原作者であり本作のモデルでもあるウワディスワフ・シュピルマンのご子息、歴史学博士・元帝京大学教授のクリストファー・W・A・スピルマン氏を迎えたトークイベントが開催された。

日本との関わり

 子どもの時から、多分黒澤 明監督の映画だったと思うのですが、日本映画に魅力を感じていました。18歳の時に偶然ロンドンのバイト先で柔道を教えている方と出会い、私も柔道を始めたのですが、このスポーツは体力的にも一生を通してできるものではないかと思い、他にも日本関連のことを知りたく日本語を学びました。そのあと四国地方へ留学に行ったり、ロンドンに戻ったりもして紆余曲折あり、学ぶうちに歴史にも興味が移り、日本で教職につきました。住むようになって、もうすぐで50年になります。

父、ウワディスワフ・シュピルマンについて

 私は母や祖母とは仲が良かったのですが、父ウワディスワフ・シュピルマンとはどちらかというと距離を感じていました。友人たちの親は子どもとも遊んでいたけれど、父は毎日ピアノを弾くばかりで、息子の私からすると遊んでくれない、かまってくれない親でした。彼はしょっちゅう悪夢を見る、とも言っていました。また、私たち子どもに「危険なことをするな」と、例えば自転車に乗るくらいのことであっても、過剰に注意する人でもあった。そんな父にとって、音楽は<宗教>とも言えるくらいのものでした。多くの人にとって音楽は楽しむためのものであり、それは素晴らしいことですが、父にその視点はなく、聴くことに対してさえも厳格でした。本来の意味での宗教に関して言えば、彼は無宗教に近かったと思います。音楽にひたすら真面目な人でした。
 彼がかつて置かれたのは約5年間ものあいだ、毎日、今日ひょっとしたら死ぬかもしれないと思わせる恐怖のもとです。父はもともと繊細な人だったと思いますし、その恐ろしいストレスは想像し難い。前述した彼が苛まれていた悪夢も、戦争時期の後遺症からくるものだろうと思います。彼は生涯を通してピアノ、音楽に集中していました。戦争の話をするようになったのは自身が80代になり、仕事をしなくなって、時間ができてからの後のことでした。

映画『戦場のピアニスト』について

 父は、本作を観ずにこの世を去りました。いろいろなことを思い出してしまうでしょうから、彼は観るのは少し怖かったかもしれません。私は本作が公開された時には5回くらい鑑賞しました。
 映画で父の役(主人公)を演じる俳優エイドリアン・ブロディは背がすらっと高い俳優ですが、父はもともとあまり背が高くない男でして、背格好は似ていないけれど、ブロディさんの表情、雰囲気、仕草がどこか父に似ているような気がして、不思議に懐かしくなりました。また、会ったことがない父方の祖父母や伯父、伯母のイメージがそこに現れていました。今回4Kデジタルリマスター版で上映されるにあたり、父の記憶はいまだ消えていないということは驚きもあり、嬉しく思っております。

 登壇者:クリストファー・W・A・スピルマン

公開表記

 配給:KADOKAWA
 12/1(金)より角川シネマ有楽町ほか全国順次公開中

(オフィシャル素材提供)

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