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映画『莉の対』ロッテルダム国際映画祭タイガーコンペティション部門にノミネート!

 長編映画『莉の対』(れいのつい)が第53回ロッテルダム国際映画祭(オランダ)のメイン・コンペティション部門である、タイガーコンペティション部門にノミネートした。舞台を中心に活動をしている俳優・田中稔彦が初監督・脚本を務めた作品になる。
 今作は映画制作経験が全くなかった、監督の田中と監督補の池田彰夫の2名が、豪雪の雪山で撮影をするところからスタート。その後、二人の声かけによって集った畑違いのアマチュア・スタッフたちだけで全編を撮影した。リアルな春夏秋冬をカメラに収めるため撮影期間は約1年にわたり、北海道 東川町(ひがしかわちょう)や占冠村(しむかっぷむら)をはじめとした数多くのロケ地の協力も得ながら、今年の1月に無事にクランクアップを迎えた。雪山でのホワイトアウトや、気象条件が非常に厳しいロケ地での撮影も多々クリアし、少人数で作ったとは思えないほど豊かな自然の表情が観られる作品に仕上がっている。
 日本国内での上映も来春に決定しており、2024年1月には世界的に注目度の高いロッテルダム国際映画祭でワールドプレミア上映が行われる。そこを皮切りに国内はもちろん、世界各国での上映を目指している。

田中稔彦(たなかとしひこ)監督プロフィール
 1983年生まれ。大学卒業後、某都市銀行に就職。
 その後退職し、俳優に転身。2022年に制作会社、株式会社No Saint.& Bloomを設立。『莉の対』は自身初の長編映画になる。
 俳優としては舞台を中心に活躍。映像での代表作に『抱きしめたい -真実の物語-』(塩田明彦監督)、『子宮に沈める』(緒方貴臣監督)、『陽はまた昇る』(テレビ朝日)などがある。

田中稔彦監督 コメント

 映画『莉の対』は2024年にオランダで開催される「ロッテルダム国際映画祭」のメイン・コンぺであるタイガーコンペティション部門にノミネートされ、先日映画祭公式からの発表もありました。
 そのような名誉あるノミネートを頂きましたが、僕たちの映画チームは正直に言って最弱中の最弱!で、自主制作も甚だしいスタートでした。全キャストスタッフ合わせて2人しかいない状態でクランクインをするような、そんな作品づくりでした。
 僕たちの最大の武器は「何もない」でしかありません。
 これまで頭を下げまくってきて、手助けして下さる方がたくさんいたおかげでここまで漕ぎ着けることができました。
 もしこれから映画を作っていきたいと考える若者がいて、僕たちのような映画制作者がいたことに少しでも希望を見出して欲しいという思いも今はあります。ですが、この作品を世に広めなければ伝わらないため、メディアの皆様のお力をお借りしたいと思いました。

<制作の意図>
 この映画作りは、自分の人生を変えるための闘いでもありました。
 僕は普段舞台俳優をやっていますが、コロナ禍でお芝居の劇場が閉鎖されるなど、変化を余儀なくされていた時代の最中で、「待ってたらダメだ、周りと同じことをやっていても埒があかん!」と思い、とにかく長編映画を作って海外の映画祭に出して賞を取ろう!と決意しました。
 そして関わってくれたキャストやスタッフが次の人生を切り拓くための一助になればと思い、メイン・キャストは全員オーディションで決定し、力のある人たちが平等にチャンスを得られるようにし、さらにサブ・キャストに至るまでスポットライトが当たる内容にしました。
 スタッフもプロではなく、新しいことにチャレンジしてみたい!畑違いだけど映画をやってみたい!と名乗り出てくれる人たちで構成しました。

<作品に込めた想い>
 初段階より商業的な映画にするつもりは全くなく、それでいてアート作品に偏らず奇を衒った内容ではなく、どこにでも居るような問題を抱えている人たちに焦点をあてました。
 「人間を描きたかった 人間の葛藤を描きたかった 脆く汚く生きる人間たちの弱さ そしてそれと対比するように 自然の美しさ厳しさ暖かさを描きたかった」
 そんな僕の想いが詰まった作品に仕上がりました。したがって3時間を超える長編になりましたが、この映画が世界的に評価を受けることで、携わってくれた人たちが次に繋げられるような作品に成長させてみせます。
 タイガーコンペティション部門は邦画でノミネートされることは非常にまれで、今年は全世界から14作品のノミネート。この中でグランプリを目指して闘います。

ストーリー

 自分の存在の希薄さを感じながら生きている光莉。ある日、ふとしたきっかけで1枚の写真に心惹かれた光莉は、その写真を撮った人物に自分のポートレイト写真を撮ってくれないかとメールで依頼する。光莉の元に返ってきた返信は「人物の写真は撮ったことがありません。あと。僕は、耳が聴こえません。なので、しゃべることもできません。うまくコミュニケーションが取れないと思います。それでもよければ……」風景写真家である真斗からのメッセージ。真斗は失聴者だった。
 光莉と真斗、それぞれを取り巻く人間関係が少しずつ影響を与えあい、そして脆く崩れていく。自然の美しさと対比されるように描かれていく人間模様。
 『莉』は単独ではほとんど意味を持たない。
 他と結びつくことで初めて意味を持つ。

 (英題:Rei、2023年、日本、上映時間:190分)

キャスト&スタッフ

 監督:田中 稔彦
 キャスト:鈴木タカラ、大山真絵子、森山祥伍、池田彰夫、勝又啓太、田野真悠、菅野はな、内田竜次、築山万有美/田中稔彦

予告編

オフィシャル・サイト(外部サイト)

映画『莉の対』(れいのつい)公式サイト – 「第53回ロッテルダム国際映画祭」タイガーコンペティション部門正式出品

 公式X:@reinotsui

公開表記

 2024年春より国内上映予定

 (オフィシャル素材提供)

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