イベント・舞台挨拶

『みなに幸あれ』公開記念舞台挨拶

©2023「みなに幸あれ」製作委員会

 「第1回日本ホラー映画大賞」大賞受賞監督作品の『みなに幸あれ』が1月19日(金)、ついに公開! 初日同日には都内映画館で公開記念舞台挨拶が実施され、主演の古川琴音、共演の松大航也、そして下津優太監督が参加した。

 日本で唯一のホラー・ジャンルに絞った一般公募フィルム・コンペティション「日本ホラー映画大賞」(主催:KADOKAWA)で大賞を受賞した下津監督の短編作を、『呪怨』『ミンナのウタ』の清水 崇による総合プロデュースで長編化。

 そんな話題作でホラー映画に初挑戦した古川は「上映後に皆さんがどんな感情を持つのか興味のある作品だったので、無事に公開を迎えられて嬉しいです」と喜びつつ、奇妙な作品ゆえに「でも皆さんのお顔を見ても……正直どんな感情を抱いているのかよく分からない」と苦笑いだった。

 長編映画監督デビューの下津監督は「自分としては死ぬまでに商業映画を一本撮れればいいと思っていたので、大賞を受賞してからのこの約2年間は“幸”な2年間でした」としみじみ。海外の映画祭でも話題になっており「中でもスペインのシッチェス・カタロニア国際ファンタスティック映画祭のお客さんのリアクションが大きくて、笑ってくれたり声を上げて驚いてくれたりして楽しかった。恐怖と笑いの間のシュールな部分を狙って作ったので、怖がる人がいる一方で笑う人がいたりと、そんなリアクションが出ればいいなと思っていた」と手応えを得ていた。

 撮影期間自体は短いものだったが、古川は「こんなにホラー映画って体力を使うんだと驚いた。逃げて泣いて叫んで怒って……リアクションの全部が発散型。日に日に体力が消耗されていく。もちろん怖さも感じますが、どんどん飲み込まれてすり減るような感覚がありました」とホラー映画ならではの洗礼を受けた模様。古川の起用をベスト・キャスティングだと胸を張る下津監督も「古川さんだからこそ出来た映画。これが本物の女優か!と思った」とプロ根性に震えていた。

 撮影は福岡県ののどかな風景の広がる田舎町で敢行。それだけに「エキストラに扮したパンツ一丁の助監督が不審者だと思われて警察が来た」と下津監督がハプニングを振り返ると、古川は「その後は警察の方が撮影を見守ってくれて……。温かく応援されているなと思った」と述べて笑いを誘っていた。

 そんな中、松大に対して古川は謝りたいことがあるという。「私が首を絞めるシーンで本当に松大君の首を絞めてしまったようで……。その撮影後に松大君が『首、絞めていましたよ』と教えてくれました」と明かし、頭を下げて謝罪。これに松大は「最初は力が弱かったので『もっと来いよ!』という気持ちでいたら、終盤はマジで絞めてきた」と苦笑いも、何故か幸せそうな顔で報告していた。

 ちなにその首絞めシーンは30テイク程も撮影を重ねたそうで、古川が「なぜですか?」と下津監督に素朴な疑問を口にすると、下津監督は「古川さんを追い込みたかったから」と理由を説明。当時の心境について古川は「喉の奥まで罵りの汚い言葉が出そうになるのを何度も抑えながら首を絞めていました」とぶっちゃけると、被害者・松大は「それで力が入っていたんですね……」と納得していた。

 また本作の皮肉的テーマである「幸せ」にちなんで「幸せを感じた時」を発表。古川は「飼い猫から噛まれている時が幸せ。噛むことが愛情表現になっているようで、うっとりした顔で噛む。痛いけれど嬉しいなと思う」と飼い猫にメロメロ。松代は「俳優として皆さんと共演して、その映画を観ていただき、このようにお客様とお会いできるのは幸せでキラキラしたことです」としみじみ。下津監督は「まさに今です!」と長編映画監督デビュー作公開に幸せ満開だった。

 最後に下津監督は「この映画は正直、万人受けする映画だと思って作っていません。この映画を観て感じたままのそのままの感想を受け取ってください。それが正解です。分からないという感覚を楽しんでもらいたいです。清水監督からはニュー・ジャンル・ホラー、A24のような映画が撮れたという言葉をいただいたので、この新感覚を楽しんでほしいです」とアピール。主演の古川も「この映画を初めて観た時は、なんてカオスな映像なのかと思って笑ってしまいました。でも観た人の数だけ感想が生まれる映画だと思うので、ホラーを苦手だという方とも一緒に観ていただけたら嬉しいです」と呼び掛けていた。

 登壇者:古川琴音、松大航也、下津優太監督
 MC:奥浜レイラ

公開表記

 配給:KADOKAWA
 全国公開中!

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