イベント・舞台挨拶

『カムイのうた』公開記念舞台挨拶

Ⓒシネボイス

 北海道で絶賛公開中の映画『カムイのうた』が、ついに全国公開! 1月27日(土)には都内映画館で公開記念舞台挨拶が実施され、主演の吉田美月喜、共演の島田歌穂、そして菅原浩志監督が出席した。

 実在のアイヌ民族・知里幸惠さんの生涯をモデルに描いた話題作。ユーカラを文字で残すことに没頭するテル役の吉田は「私自身アイヌ文化を学んでいく中で“こんなことが日本にあったのか!?”と驚きました。この驚きは忘れてはいけないものだし、心にとどめておかなければいけない。それを伝えたいと思って撮影に臨みました」と回想。演じたテルについては「涙が多い役だけれど、ただただ悲しいだけではなく、アイヌ文化を伝えようとする知里幸惠さんの人として強さと悔しさ、その燃える心の炎を絶やさないように演じました」と心構えを口にしていた。

 テルの伯母イヌイェマツ役の島田。劇中ではユーカラを熱唱したが「ユーカラを歌わせてもらうのは大きな挑戦でした。難しくて歌えないかもしれないと愕然としながら、必死に稽古を重ねて撮影に臨ませてもらいました。ユーカラはアイヌ民族の方々にとっては大切な文化。敬意を込めて歌わせていただきました」と揺らがぬリスペクトの念があっての歌唱だったという。

 これに吉田は「島田さんのユーカラを間近で聴かせてもらったことが嬉しかった」と喜び「テルが受験勉強をしているときに甘酒を持って来てくれるシーンは心温まる場面だと思いました」とニッコリ。島田も「吉田さんが撮影当時19歳と聞いてびっくり。芯が通っていて自然体で素敵な女優さん。頼もしくご一緒させてもらいました」と才能を絶賛していた。

 一方、3年という長い期間を経て制作にこぎつけた菅原監督。「アイヌ民族の方には“アイヌではないお前に何が分かるのか?”と言われ、東京の俳優事務所に企画を持っていくと門前払いするところもあった。この映画に出てくれた皆さんは、このような映画を作らなければならないんだと参加してくれた方々。スタッフ・キャストに助けられました」と協力に感謝していた。

 最後に主演の吉田は「この映画で私が一番伝えたいのは、知らないということを知ろうということ。これからを生きる人として、頭の片隅にこのような事実があったということを忘れず、歩み寄る勇気を持って生きていけたらと思います」とアピール。島田は「あまりにも深いものがたくさん込められた映画で、お一人でも多くの方に触れていただきたいです」と期待。菅原監督は「この映画で描かれていることは100年前の日本で起こったことです。現在もアイヌ民族の方は差別に苦しんでいる現実があります。またこの映画ではアイヌ文化のことだけを描いたわけではありません。アイヌ文化は和人によって上書きされた事実があります。我々日本人の文化が誰かによって上書きされないように、日本の大切なものを残していかなければいけません。そういう思いでこの映画を作りました」と呼び掛けていた。

 登壇者:吉田美月喜、島田歌穂、菅原浩志監督

公開表記

 配給:トリプルアップ
 1月26日(金)より絶賛上映中!

(オフィシャル素材提供)

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