イベント・舞台挨拶

『復讐のワサビ』初日舞台挨拶

©2024 Hema Films

 映画『復讐のワサビ』初日舞台挨拶が2月9日(金)、東京・シモキタ – エキマエ – シネマ『K2』で行われ、出演の小池樹里杏、野村啓介、井上雄太、河辺ほのか、メガホンをとったヘマント・シン監督、そして、映画初日ということで、急遽劇場に駆けつけた真柴幸平が登壇した。

 本作は、インドのリアリティ番組出演をきっかけに俳優の道へ、その後独学で映画制作を学んだヘマント・シンが、日本映画界に一石を投じるべく全財産をかけて撮った長編監督デビュー作。いじめというシリアスなテーマを扱いつつも、サスペンス、コメディ、ドラマなど、さまざまな要素が凝縮されたエンターテインメント作品となっている。

 本作にかけた思いを聞かれたヘマント監督は「脚本を執筆しているときにニュージーランドの少年のいじめに関する動画を見て、それが心に引っかかって夜も眠れないくらい気になっていて、それをきっかけにいじめをテーマにした映画を作ることにしました」と明かし、「映画の中ではカノという少女が顔の傷のせいでいじめを受けて、それが原因で社会にも爪弾きにされ、家庭環境とか自分が受ける暴力、そして母親の死という悲劇があって、彼女が復讐の権化のように変わってしまう姿を描いているんですが、いじめられてきたからといって、復讐という形で社会に憎しみの心を返すのは果たしていいのかというところを自分は描きたいと思って、この映画を作りました」と本作に込めた思いを吐露。

 加えて、ヘマント監督は「英語のことわざで、“傷つけることは傷つけることにしかならない”とか、“2つの悪いことをしてもいいことには繋がらない”という言い方があるように、ヘイトをヘイトで返しても何も生まれないということを伝えたくて、マハトマ・ガンジーの言葉の『“目には目を”では世界が盲目になるだけだ』って言葉があるように、最終的には許すという心が大事だということを伝えたくて、このテーマで作りました」と言葉に力を込め、「この映画にはヒーローが出てきませんし、主人公は正義のヒーローではありません。実際の世界ではそういうものじゃないですか。ということも伝えたかったです」と語った。

 そんなヘマント監督の言葉を受け、カノ/ワサビ役を演じる小池は「この映画のためにプロデューサーさんとヘマント監督とゼロから一緒に作ってきました。(日本での)コネクションも友人も少ない中で日本で映画を作りたいという彼の願いを叶えるために、今日まで準備をしてきましたし、この役を演じることを背負ってきました」と涙を流しながらコメントし、「お客さんが今、ヘマントのメッセージを聞いてうなずいてくださっているのを見て、すごく幸せで嬉しくて、やってよかったなって思います。作ったこと、カノを演じられたことを誇りに思います」と感無量な表情を浮かべた。

 また、脚本を最初に読んだ際の心境や、役作りのために事前に準備をしたことなどを聞かれると、小池は「私は英語の台本を読んだところからスタートして、日本語になった台本でみんなにどうやったらもっとナチュラルに演じられるかとか、彼(ヘマント監督)がやりたい世界観をどう演者さんやスタッフさんに伝えられるか、現場で通訳をしながら作ってきた映画です」と話し、「カノとワサビはこの作品の象徴でもあるように、いじめを受けてしまって、世の中や社会に対して復讐するという感情が勝ってしまい、結果的に間違えてしまうというところで、彼女の幸せを願っていた客観的な目があったんですけど、自分は演じる上で客観的になってはいけないので、少しでも“今ちょっとつらいな”って思わないように役作りをしなければならないのが大変でしたし、撮影が終わってからもなかなか役が抜けなくて大変でした」と苦労を明かした。

 そして、ヒロ役を演じる野村は、オーディションには違う役で応募したが、ヘマント監督の希望でヒロ役を演じることになったそうで「僕はこういった役を演じたことがなかったので自信がなかったんですけど、自主映画なので現場はスタッフが多くないですし、いろいろなところに手が行き届かないところがあって、さらに英語をしゃべれないからコミュニケーションもあまり取れなかったんですけど、そういうこともあってみんなで話をしていくうちにチームワークが強くなっていって、そういうふうに接しているうちにヒロという役のお父さんみたいな優しい気持ちが育っていきました」と自身の役柄が作られた経緯を説明。

 ユウタ役を演じる井上は「役的にすごくしゃべってテンションが高い人なんですけど、とにかく楽しい現場だったなっていうことを覚えていて、みんなで共同生活とか泊まり込みをして長い撮影やったんですけど、ここ最近の中でこれほど楽しかったことはないくらいの現場でした」と撮影時を振り返った。

 リエ役を演じる河辺は「脚本を読んで、これってどうなっちゃうんだろうってワクワクもあったし、読むだけじゃ分からない部分もあって、出来上がってから感じた部分もすごく多かったなって思いました」といい、これまで役名のある役柄で映画に出たことがなかったそうで「樹里杏ちゃんが声をかけてくれてオーディションに行って、ヘマントが『中身がリエだ! そのままでやってくれ』って言ってくれたんですけど、お芝居というのが分からなかったので、客観的にどういう役か教えてもらうために『(リエに似ているのは)どの映画のどんな役ですか?』って聞いて、ほかの映画を見て勉強しました」と努力を明かした。

 さらに、撮影時の印象的なエピソードを聞かれると、井上は「(撮影場所に)一般の方もいるわけで、撮影するときに遠くからカラオケ大会が始まって、“これは終わったな……”と思ったんですけど、スケジュールもカツカツでやるしかなくて……。でも、完成を観たときにそれがどのシーンか分からないくらいで、それがすごいなって思いましたね」とヘマント監督の編集技術に舌を巻き、野村は「牧場みたいなところが映画で登場するのですが、大雨が降った後だったので結構湿っていまして。実際に牛もいらっしゃる場所で、見た感じ“この塊はなんだろう”と。俺ここで寝そべっていいのかなって。その後、天気になって乾いてくると、匂いもするときがあったので、俺、大丈夫だったのかなって心配になるところはありました」と告白して会場の笑いを誘った。

 イベントの最後には、シモキタ – エキマエ – シネマ『K2』での上映が1週間延長され、計3週間上映されることと、3月に大阪のシアターセブン、春に名古屋のシネマスコーレで上映されることが発表された。

 登壇者:小池樹里杏、野村啓介、井上雄太、河辺ほのか、真柴幸平、ヘマント・シン監督

公開表記

 配給:SAIGATE
 シモキタ – エキマエ – シネマ『K2』ほか全国順次公開中

(オフィシャル素材提供)

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