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「イタリア映画祭2024」開催決定&ラインナップ発表

2001年に始まり、毎年春の恒例イベントとして今年で24回目の開催となる「イタリア映画祭2024」の開催が決定した。あわせて上映作品のラインナップが発表された。

 今年も例年どおり、東京会場は有楽町朝日ホール、大阪会場はABCホールの2拠点での開催となる。東京では日本未公開新作13本と旧作1本の計14本、大阪では新作7本が上映予定。アカデミー賞®国際長編映画賞ノミネート作品やヴェネチア国際映画祭コンペティション部門出品作、『オッペンハイマー』などハリウッド超大作を押さえてイタリア国内で大ヒットとなった超話題作など、最新のイタリア映画界を盛り上げるバラエティーに富んだ作品が取り揃えられている。

 注目の作品は、『ゴモラ』(08)、『ドッグマン』(18)のマッテオ・ガッローネの最新作『僕はキャプテン』。ふたりのセネガル人青年が貧困から逃れるためにヨーロッパを目指して砂漠や地中海を超えて旅をする壮大な物語で、昨年の第80回ヴェネチア国際映画際で銀獅子賞(最優秀監督賞)を受賞、さらにアカデミー賞®国際長編映画賞ノミネートも果たした注目作。さらに、戦後イタリアの家父長制度や女性の権利をテーマに描き、国内で2023年No.1の初週興行成績を叩きだし、歴代のイタリア映画興行収入トップ10に入った超話題作『まだ明日がある』や、第2次世界大戦時に英雄として称えられた潜水艦艦長の実話を基にした人間ドラマで、第80回ヴェネチア国際映画祭でオープニングを飾った『潜水艦コマンダンテ 誇り高き決断』など、どれも見逃せない作品ばかり。
 さらに戦後イタリア映画を牽引し、数々の傑作を放ってきた巨匠監督パオロ・タヴィアーニが2月29日に92歳で逝去したことを追悼し、兄ヴォットリオ・タヴィアーニと共に監督を務めた『父 パードレ・パドローネ』(1977)の上映も決定。第30回カンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞した永遠の名作がデジタルリマスターで蘇る。
 今回の上映作品14本中5本が女性監督作品、また4本は俳優監督の作品となっており、イタリア映画界が新しい才能で活気づいている様子が見て取れるラインナップとなっている。巨匠から若手まで、多種多様な14作品が一堂に会し、最新のイタリア映画の今を映画で垣間見ることのできる貴重な機会となっている。

▼東京会場
 会期:5月1日(水)~5月6日(月・祝)
 会場:有楽町朝日ホール(東京都千代田区有楽町2-5-1 有楽町マリオン11階)
 主催:朝日新聞社、イタリア文化会館、チネチッタ/特別後援:イタリア共和国大統領/後援:イタリア大使館
  ※ チケットは4月6日(土)12:00からあさチケ(https://l-tike.com/st1/asahi-id-top-29、外部サイト)にて発売。
   (システムの都合上、座席を選択して購入ができるのは、4月7日[日] 0:00からになります。)

 <前売券(オンライン)>1回券:一般1,500円/学生1,200円
 <当日券(オンライン)>1回券:一般1,900円/学生1,600円
 <当日券(会場販売)>1回券:一般2,200円/学生1,900円

▼大阪会場
 会期:5月18日(土)~5月19日(日)
 会場:ABCホール(大阪府大阪市福島区福島1-1-30)
  ※ チケットは4月13日(土)12:00からあさチケ(https://l-tike.com/st1/asahi-id-top-29、外部サイト)にて発売。
 主催:朝日新聞社、イタリア文化会館-大阪、チネチッタ/特別後援:イタリア共和国大統領/後援:イタリア大使館、イタリア領事館
   (システムの都合上、座席を選択して購入ができるのは、4月14日[日] 0:00からになります。)

 <前売券>1回券:一般1,400円/学生1,100円
 <当日券>1回券:一般1,800円/学生1,500円

イタリア映画祭2024 公式サイト

イタリア映画祭2024
日本未公開の最新のイタリア映画を東京・大阪で一挙上映!

 公式X:@italianfilmfes

上映作品ラインナップ

A.『人生の最初の日』
  (2023年、121分)

 監督:パオロ・ジェノヴェーゼ
 出演:トニ・セルヴィッロ、ヴァレリオ・マスタンドレア、マルゲリータ・ブイ

 世界20ヵ国以上でリメイクされた『おとなの事情』をはじめ、ストーリー・テリングの巧みさには定評があるジェノヴェーゼ監督の新作は、人生に絶望した人々が再生できるかを問いかけるドラマで、セルヴィッロ、マスタンドレア、ブイら超豪華キャストが集結。1人の男と2人の女、そして1人の少年。年齢も経験も異なる4人がどん底に突き落とされたまさにその時、自分たちがいない世界はどうなるかを知ることができる1週間の時間を与えてくれる謎めいた男に出会う。

B.『アモーレの最後の夜』
  (2023年、124分)

 監督:アンドレア・ディ・ステファノ
 出演:ピエルフランチェスコ・ファヴィーノ、リンダ・カリーディ

 俳優としても活躍するディ・ステファノの監督3作目は、イタリア映画界を代表する俳優の一人であるファヴィーノを主演に迎えたクライム・サスペンスで、ベルリン国際映画祭特別部門でプレミア上映された。35年間のキャリアの中で、銃を撃ったことは一度もなく、実直な警察官のフランコ・アモーレは、定年退職を翌日に控えていた。祝福するために妻や同僚、友人、親戚などが集うパーティーが開かれる。めでたい夜になるはずが、彼の人生において最も長く、困難な夜が訪れることになる。

C.『美しい夏』
  (2023年、110分)

 監督:ラウラ・ルケッティ
 出演:イーレ・ヤラ・ヴィアネッロ、デヴァ・カッセル

 イタリア文学界を代表するストレーガ賞を受賞したチェーザレ・パヴェーゼの小説をラウラ・ルケッティ監督が映画化した長編2作目で、第2次世界大戦が始まる直前の2人の女性をめぐる青春物語。1938年、田舎からトリノに引っ越してきて洋裁店で働くジーニアは、年上でモデルのアメリアと運命的な出会いを果たす。官能的なアメリアに導かれてめくるめく芸術家の世界に分け入るジーニアは、新しい自分を見いだしていく。ロカルノ国際映画祭のピアッツァ・グランデ部門でプレミア上映。

D.『僕はキャプテン』
  (2023年、121分)

 監督:マッテオ・ガッローネ
 出演:セイドゥ・サール、ムスタファ・ファル

 巨匠ガッローネ(『ゴモラ』)が放つ渾身の一作は、セネガルの青年2人がアフリカを縦断し、ヨーロッパを目指す壮大な旅の物語。セイドゥとムッサは、豊かな生活を求めて親族に知られることなく、ダカールを離れる。しかし、彼らを待ち受けていたのは想像を超える数々の困難だった。いわば現代版オデュッセイアの本作は、ヴェネチア国際映画祭で銀獅子賞(監督賞)やマルチェッロ・マストロヤンニ賞(若手俳優賞)などを受賞、アカデミー賞®国際長編映画賞にノミネートされた。

E.『ルボ』Lubo
  (2023年、180分)

 監督:ジョルジョ・ディリッティ
 出演:フランツ・ロゴフスキ、クリストフ・セルメ、ヴァレンティーナ・ベッレ

 ディリッティ(『やがて来たる者へ』)の長編5作目は、第2次世界大戦下のスイスで移動型生活集団のイェニッシュを襲った悲劇をベースに創作された大作。1939年、大道芸人のルボはドイツ軍の侵攻を防ぐため、スイス軍に招集される。その直後、優生学の原理に基づく国家の再教育プログラムの一環として3人の子どもは連れ去られ、それを止めようとした妻は殺されてしまう。主演は、国際的な活躍がめざましいドイツのフランツ・ロゴフスキ。ヴェネチア国際映画祭コンペティション部門出品。

F.『そう言ったでしょ』
  (20223年、100分)

 監督:ジネヴラ・エルカン
 出演:ヴァレリア・ブルーニ・テデスキ、ヴァレリア・ゴリーノ、アルバ・ロルヴァケル

 豪華キャストを迎えたエルカンの長編2作目は、異常気象で冬に50度に達するローマを舞台に、さまざまな問題を抱える人々を描くディストピア的群像劇。わずかなファンにしがみつく元ポルノ・スターと彼女に夫を寝取られた妻。元ヘロイン中毒の神父とアメリカから亡き母の遺灰を持ってやって来るその妹。アルコール中毒と闘いながら幼い息子の親権を取り戻そうと必死な女性とその元恋人。世界が終末に向かっていくような中で、人々は避けてきた個々の問題に向き合わざるをえなくなる。

G.『あなたのために生まれてきた』
  (2023年、113分)

 監督:ファビオ・モッロ
 出演:ピエルルイージ・ジガンテ、テレーザ・サポナンジェロ

 実話を基に同性愛者が親権を得るために闘う姿を描くモッロの監督5作目は、現在における家族の形を問いかける心温まるドラマ。カトリック教徒で情熱的なルカは、障害者施設でボランティアをしているゲイのナポリ人。子どもを迎えいれて、パートナーと共に親になることを望むルカだが、ゲイの独身者やカップルには養子縁組は認められていなかった。生まれて間もなく病院に置き去りにされたダウン症児アルバの親になるために、ルカは奮闘する。

H.『まだ明日がある』
  (2023年、118分)

 監督:パオラ・コルテッレージ
 出演:パオラ・コルテッレージ、 ヴァレリオ・マスタンドレア

 人気コメディエンヌのコルテッレージが監督業に初挑戦。取りあげたテーマは、家庭内虐待と女性の権利で、戦後のローマで夫からの虐待に苦しむ主婦を本人が演じている。デリアは、イヴァーノの妻で3児の母。イヴァーノは、時には辛辣な言葉で、時には暴力で一家の大黒柱が誰なのかを皆に思い知らせていた。娘の幸せだけを願っていたデリアに謎めいた手紙が届き、彼女の人生が変わる。本国ではハリウッドの大作を押しのけて、2023年の興行収入ランキングのトップに立つ大ヒットを記録した。

I.『ヴォラーレ』
  (2023年、100分)

 監督:マルゲリータ・ブイ
 出演:マルゲリータ・ブイ、アンナ・ボナユート

 イタリアの大女優マルゲリータ・ブイが監督デビュー。主演も兼ねて、自身の公私を色濃く反映したコメディーを作り上げた。韓国行きの飛行機にさえ乗れれば、国際的な成功も夢ではないスター俳優のアンナビーだが、致命的な弱点があった。それは、飛行機恐怖症。娘も海外留学を決意。そこで、航空会社が運営する恐怖症を克服するための特別レッスンに申し込む。レッスンで出会ったのは、問題は共有するけれども、経歴も年齢もさまざまな人々。はたして彼女は恐怖を克服できるのだろうか?

J.『信頼』
  (2024年、136分)

 監督:ダニエーレ・ルケッティ
 出演:エリオ・ジェルマーノ、ピラル・フォリアーティ、ヴィットリア・プッチーニ

 ダニエーレ・ルケッティ監督は、『靴ひものロンド』に続いて重鎮ドメニコ・スタルノーネのベストセラー小説から、スリリングな心理ドラマを仕立てた。教え子たちから慕われる高校教師ピエトロは、かつての教え子テレーザとの間に愛を見出す。彼女の提案で、互いの知られざる秘密を打ち明けようと提案する。その秘密とは、公になればその人の人生が壊れてしまうような衝撃的な秘密だった。主演は、ルケッティ作品に4度目の出演となるジェルマーノ。音楽はレディオヘッドのトム・ヨーク。

K.『グローリア!』
  (2024年、106分)

 監督:マルゲリータ・ヴィカーリオ
 出演:ガラテーア・ベッルージ、カルロッタ・ガンバ

 シンガーソング・ライターで女優でもあるヴィカーリオの初監督作は、歴史に埋もれた無数の女性音楽家を頌える、ポップで躍動感あふれるミュージカル・ドラマ。時は1800年、ヴェネチア近郊の孤児院。無口で孤独なメイドのテレーザが、音楽によって現実を作り変えることができる非凡な才能の持ち主ということは、誰も知る由もなかった。新教皇の訪問に際し音楽会が開かれることになったことから、その才能が開花する。ベルリン国際映画祭コンペティション部門に選出された。

L.『別の世界』
  (2024年、114分)

 監督:リッカルド・ミラーニ
 出演:アントニオ・アルバネーゼ、ヴィルジニア・ラッファエーレ

 イタリア喜劇を牽引するヒット・メーカー、ミラーニ監督が最新作で主演に迎えたのは、『環状線の猫のように』などでおなじみのアルバネーゼ。これで5度目となる息の合ったタッグが、都会と田舎のギャップで笑いを誘う。長年ローマで小学校教師を務めてきたミケーレは、大都会での暮らしに嫌気が差していた。希望が叶い、新たに赴任することになったのはアブルッツォ州の小さな村。ローマからそれほど離れていないのに、雪が降りしきる極寒のその地は全くの別世界で、日々の生活に悪戦苦闘する。

[オープニング作品]

X.『潜水艦コマンダンテ 誇り高き決断』
  (2023年、122分)

 監督:エドアルド・デ・アンジェリス
 出演:ピエルフランチェスコ・ファヴィーノ、マッシミリアーノ・ロッシ

 2023年ヴェネチア国際映画祭オープニング作品。1940年10月、イタリア海軍の潜水艦長サルヴァトーレ・トーダロは大西洋を航行中、撃沈させたベルギーの武装商船の乗組員たちを救助し、最寄りの安全な港まで運んでいく決断を下す。艦内に彼らのスペースを割くために、彼は敵軍から見える水面を3日間航行することを余儀なくされ、自分と部下の命を危険にさらすことに――。実話を基に製作。2024年夏全国公開予定。

[特別上映]

Y.『父 パードレ・パドローネ』
  (1977年、114分)

 監督:パオロ&ヴィットリオ・タヴィアーニ
 出演:オメロ・アントヌッティ、サヴェリオ・マルコーニ

 羊飼いから後に言語学者になったガヴィーノ・レッダの自伝をタヴィアーニ兄弟が映画化。監督の代表作の一つであり、カンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞した。舞台は、封建的な家父長制の残る1940年代のサルデーニャ島。羊飼いのエフィシオは息子のガヴィーノが通う小学校に押しかけ、授業を放り出させ、牧草地で牛の世話をさせる。文盲でサルデーニャ語の知識しかないガヴィーノは、やがて厳しい生活から自分を解放するための探求に乗り出す。デジタルリストア版で上映。

イタリア映画祭2024

 東京会場:5月1日(水)より有楽町朝日ホールにて開催
 大阪会場:5月18日(土)よりABCホールにて開催

(オフィシャル素材提供)

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