
砂浜に咲く紫色の花の群れ。ラベンダー色の空や淡いピンク色の貝。どこかわからない謎の海辺に建つシェアハウスが舞台の『パーフェクト・シェアハウス』(桜井亜美監督)の、独特の色彩や映像美が注目を集めている。
「あちら側」の生活を捨て、このシェアハウスの面接に合格した4人の男女が繰り広げる恋や人間模様は、ある事件をきっかけにそれぞれの捨てられないトラウマが増幅し、やがて危機を迎えるのだが……。
この作品は制作プロデューサーとして支援した岩井俊二監督の愛機カメラ、SONYのFX3によって撮影されたものだ。撮影監督はシンガポールの俊英SHAUN NEOで、当初は別の大型カメラを予定していたが、大型カメラはミニマムなクルーの陣容と合わないことと、夜間撮影には照明が最低限でいいこちらのほうがいいのでは、と岩井監督のサゼッションで採用が決まったという。
FX3はコンパクトで軽量だがフルサイズ・センサーで高い低照度性能を誇るシネマカメラだ。夜間や暗い場所での撮影でも綺麗で鮮明な映像が撮れることが大きな利点で、今回は夜間の海辺のシーンで最もこのスペックを発揮している。
「カメラは作品の求める映像のポイントや、クルーの陣容、ロケーションに適しているものを選ぶべきだと教えてもらいました。またシェアハウスの4人それぞれの部屋は私の自宅を使っていますが、こちらも当初はスタジオの利用を考えおり岩井監督の助言で決定したものです」(桜井亜美監督)。
結果としてそれが撮影のスピード感につながり、タイトな撮影時間でも色の奥行きのある映像を撮影することに繋がったという。
桜井監督はこう語る。「岩井監督は撮影、編集、機材と全てを教えてくれた映画の師匠なので、ゼロから初長編の上映までこられて本当に感謝しています。出来の悪い教え子ではありますが、教えは映像に忠実に反映させていただいたつもりです。ぜひ皆さん、結果を見てください」。

今後の上映予定
吉祥寺アップリンク 5/10、12、14、18、21、22 18:00~
京都アップリンク 6/6から2週間 時間未定
その他、順次全国展開
公開表記
製作・配給:Eternal Wind Factory
4月19日より大阪シアターセブン、5月9日より東京、京都にて公開予定
(オフィシャル素材提供)