
関⻄最⼤級の総合芸術⼤学として知られる⼤阪芸術⼤学の映像学科での取り組みとして、学⽣たちが映像業界のプロとタッグを組んでドラマや映画を作る「産学協同プロジェクト」によって作成された映画『メイソウ家族』がこの度、2025年8⽉29⽇(⾦)よりヒューマントラストシネマ渋⾕、テアトル梅⽥ほか全国順次公開することが決定した! 公開決定に伴い、メインビジュアルおよび特報映像が解禁となり、⼤阪芸術⼤学の卒業⽣・現教員で本作の監督を務めた熊切和嘉と⾦⽥ 敬、そして⼤阪芸術⼤学映像学科⻑で、本作製作統括の⽥中光敏よりコメントが到着。
⼤阪芸術⼤学は、芸術・芸能のはじめとした多彩な分野で活躍する⼈材を輩出してきた⻄⽇本最⼤級の総合芸術⼤学である。同⼤学の映像学科では、学⽣たちが映像業界のプロとタッグを組んでドラマや映画を作る「産学協同プロジェクト」を実施しており、今回その11作品⽬の映画『メイソウ家族』が2025年8⽉29⽇(⾦)よりヒューマントラストシネマ渋⾕、テアトル梅⽥ほか全国順次公開することが決定した。本作の基になったのは、大阪芸術大学に所蔵されていた学生作の秀逸な3本のシナリオ。これを在学生たちがアレンジし、『YUI』、『MONOS』、『UMI』の3篇のストーリーがオムニバス作品として映画化。
撮影に参加した学生たちは演出・撮影・照明・美術などのセクションに分かれ、各分野の第一線で活躍する教員の指導のもとで映画づくりの現場を体感。さらに映像学科だけではなく放送学科、舞台芸術学科などの学生も参加し、プロの俳優陣とともに映画を作り上げた。
1話『YUI』:ごく平凡な家庭が、静かに奇妙に壊れていく
第1話の『YUI』は、お互いに向き合わなくなった4人家族の崩壊と思いがけない修復の糸口を描いた異質なホームドラマ。なんとか家族関係を良くしようとしていた母・梨恵も思わぬ方向へ壊れていく。完璧主義で専業主婦の母・梨恵役を戸田菜穂、禁煙中で常にどこか上の空の父・雅史役を永野宗典が務め、ベテラン俳優の二人が“壊れていく”親をリアルに体現する。そんな家族崩壊のきっかけとなる子どもたち、イケイケギャルを目指しながら実はウブな高校生の長女・由依を三浦理奈、学年一の優等生で隠れ漫画オタクの高校生の弟・優輝を、高村佳偉人が演じ、若手二人が家族の歪みに火をつける存在として物語を牽引する。
2話『MONOS』:未知の生物との出合いが彼らの運命を狂わせる
1話の5年後を描く『MONOS』は、正体不明の生物を車で轢いて死なせてしまったカップルの顛末を追う近未来ドラマ。突然、妊娠の話を打ち明けた由依の話を、全く聞いてくれない恵一。怒った由依はアパートを飛び出し、彼女を追いかけた恵一は事故で死亡する。由依の彼氏・恵一役は、現役の大阪芸術大学の学生・秋庭悠佑が演じ、自己中心的な若者像を生々しく表現する。
3話『UMI』:この出会いが心に傷を抱えた少女を少しずつ変えていく
3話『UMI』は、失声症の中学生と、彼女の個別授業を受け持つ教師の交流を描いた瑞々しい学園ドラマ。この出会いで、羽美は閉ざしていた心が少しずつほぐれていくが、教師の風間は婚約者の家業を継ぐため町を去ることが決まっていた……。そんな失声症の中学生をデビューまもない西岡 奏、彼女の個別授業を受け持つ教師・風間を確かな演技力を持つ木村 了。二人の繊細な掛け合いが、観る者の心を揺さぶる。
本作の監督は、⼤阪芸術⼤学の卒業⽣・現教員であり、『658km、陽⼦の旅』(23)で、第25回上海国際映画祭コンペティション部⾨にて、上海国際映画祭で最⾼賞含む三冠を受賞など、⽇本映画界を代表する存在である熊切和嘉。本作では第1話『YUI』、第3話『UMI』を担当。そして第2話『MONOS』を、数多くの現場で助監督を担うなどして経験を積み、商業映画『青いうた〜のど自慢 青春編〜』(06)では確かな演出力で濱田 岳ら当時の若手俳優たちの成長を後押しした金田 敬(2話『MONOS』担当)が務める。さらに、本作の製作統括を務めるのは、大阪芸術大学映像学科の学科長であり、『海難1890』にて第39回日本アカデミー賞優秀監督賞を受賞した田中光敏。
学生とプロが共に作り上げた本作は、交わるはずのなかった3つの物語が、1つの世界として緻密かつ大胆に構成され、ひとつの映画作品として結実した。
メインビジュアル&特報映像解禁
本作の劇場公開決定に伴いメインビジュアルと特報映像が解禁となった。メインビジュアルは、3話の印象的なシーンがそれぞれ映し出され、この3話がどのように繋がっていくのか想像を掻き立てさせられる。
特報映像では、謎の男が「あなたの生活が劇的に良くなりますよ」という一言から始まり、日に日に崩壊していく家族の様子が映し出され……。この家族が迎える、想像を超える結末とは。気になる他2話の映像も含まれた予告映像が今後解禁予定である。
コメント
『YUI』『UMI』 熊切和嘉監督
学生時代、大阪芸大周辺で毎日のように自主映画を撮っていました。あぜ道と町工場の続く灰色の風景でしたが、映画を志す我々にとってそこは夢の工場、言わば撮影所みたいなものでした。そんなあの地で30年ぶりに映画が撮れることに感慨を覚え、学生時代に撮り残した「想い」みたいなものをやっと撮りきれたような気がしています。自分にとって原点に立ち返ることができた作品ですし、何より現役の学生たちが映画を発見していく瞬間に立ち会えたことをとても光栄に思います。ぜひ劇場でご覧ください。
『MONOS』 金田 敬監督
極寒の夜に雨降らしとMONOSの操演。そんな撮影時の三重苦の中、びしょ濡れになった学生たちの背中から濛々と湯気が上がっている。作品に対する自分の熱量を見られた気がしたのか、恥ずかしそうにお互いを笑い合いハニかんでいた。「一生懸命は当たり前! 努力なんてしてませんよとさり気なく観客に届いてこそ価値があるんや」そう学生たちを叱咤激励している天邪鬼な監督の背中からも湯気が……。恥ずかしいやら誇らしいやらの撮影期間だった。
製作統括 田中光敏
『メイソウ家族』三部作は、学生が書いた脚本を基に、学生と先生が一丸となって作り上げた、エンターテイメント作品です。現場での学生たち、そして先生たちやプロの俳優陣が、まさしく一つの作品を一緒に作る映画のプロの目になっていた事が、とても印象的でした。笑えて、ドキドキして、泣ける作品です。ぜひご覧下さい。
ストーリー
1話『YUI』
ごくありふれた日常を送っているように見える、吉田家。しかし母親の梨恵が作った朝食に手をつけるのは、息子の優輝だけ。娘の由依は梨恵の何気ない一言に腹を立てて食卓から離れ、父親の雅史にいたっては朝食に見向きもせず会社へ向かう。そんなある日、優等生だったはずの優輝がペンキまみれで学校から帰宅し、そのまま部屋に引きこもるように。やがて、なんとか家族関係を良くしようとしていた梨恵も思わぬ方向へ壊れていく。
2話『MONOS』
人類の火星移住計画のニュースを聞き、大喜びで運転する山田恵一。一方、助手席の吉田由依は「うちの話も聞いてや」と妊娠を告げようとするが話を聞こうとせず恵一の態度に不満いっぱい。「家に帰ったら聞いたるわ」と言う恵一に、由依が約束のキスをせがんだそのとき、“なにか”を轢いて死なせてしまう。そこに横たわっていたのは、見たことがない姿をした生物。恵一はそれが数億円の価値を持つUMA(未確認生物)だと確信し、「MONOS」と名付けて自宅へ持ち帰る。妊娠の話を聞いてくれない恵一に怒った由依はアパートを飛び出し、彼女を追った恵一は事故で死亡する。後に由依は女の赤ん坊を出産し……。
3話『UMI』
とある小さな町の中学校に1年間、赴任することになった国語教師の風間隼也。そんな彼は、一つの不安を抱えていた。その理由は、なんらかの事情で失声症になり、言葉を話せなくなってしまった学生・中江羽美の個別指導を任されたこと。当初は、普段とは違ったコミュニケーションの取り方に戸惑う風間だったが、筆談を通して羽美の気持ちが理解できるように。一方、羽美も閉ざしていた心が少しずつほぐれていく。しかし、風間は婚約者の家業を継ぐため町を去ることが決まっていた。
(2025年、日本)
キャスト&スタッフ
出演
『YUI』:戸田菜穂、永野宗典、三浦理奈、高村佳偉人
『MONOS』:三浦理奈、秋庭悠佑
『UMI』:西岡 奏、木村 了
特別出演:久保田磨希、タージン、島田珠代、真凛、板東さえか、谷村美月
監督:『YUI』『UMI』熊切和嘉、『MONOS』金田 敬
脚本:『YUI』三田村裕真(メイソウ家族)、『MONOS』阪上彰馬(モノス)、『UMI』幸田 遼太朗(UMI)
脚色:『YUI』菊田涼乃、『MONOS』村岡楓太、『UMI』長瀬南海
撮影監督:佐々木原保志
編集:藤田和延
音楽:池永正二(あらかじめ決められた恋人たちへ)
製作総指揮:塚本邦彦
製作統括:田中光敏
エグゼクティブプロデューサー:濱名一哉
協賛:大成建設株式会社、日本電設工業株式会社
企画:大阪芸術大学 芸術学部 映像学科
製作・著作:大阪芸術大学
オフィシャル・サイト(外部サイト)
https://www.osaka-geidai.ac.jp/topics/meisoukazoku
公式X:@meisou_movie
公開表記
配給:日活
8月29日(金) ヒューマントラストシネマ渋谷、テアトル梅田ほか全国順次公開
(オフィシャル素材提供)