
戦後沖縄を舞台に、史実に記されない真実を描き切った真藤順丈による傑作小説「宝島」。審査委員から満場一致で選ばれた第160回直木賞をはじめ、第9回山田風太郎賞、第5回沖縄書店大賞を受賞し栄えある三冠に輝いた本作を、東映とソニー・ピクチャーズによる共同配給のもと実写映画化。9月19日(金)より全国公開を迎える。
監督を務めるのは、時代劇からアクション、SF、ドラマ、ミステリーやファンタジーまで、常に新たな挑戦をし続ける大友啓史(「龍馬伝」『るろうに剣心シリーズ』、『レジェンド&バタフライ』)。主演には妻夫木聡を迎え、広瀬すず、窪田正孝、永山瑛太ら日本映画界を牽引する豪華俳優陣が集結。日本に見捨てられ、アメリカに支配された島、沖縄。全てが失われ、混沌とした時代を全力で駆け抜けた“戦果アギヤー”と呼ばれる若者たちの姿を、圧倒的熱量と壮大なスケールで描く、サスペンス感動超大作が誕生!
物語の熱狂を体現する、総勢10名の新キャストがついに解禁!
CIA、軍の高官、民族運動家など、激動の時代を象徴する多彩なキャラクターたちが明らかに!
幼馴染の4人、グスク(妻夫木聡)、ヤマコ(広瀬すず)、レイ(窪田正孝)、そして、みんなの英雄的存在でありリーダーのオン(永山瑛太)。ある夜、英雄オンが姿を消してしまう。彼はなぜ消えたのか? 残された3人はオンの姿を追い求めそれぞれの道を歩んでいく。そして、20年後に3人がたどり着いた真実とは――。
これまでも情報が解禁されるたびに大きな話題を呼ぶ本作。この度、物語の輪郭が徐々に明瞭となる追加キャスト・たぎる想いと共に、劇中のキャラクター画像が一挙に<初解禁>となった!
今回出演が明らかとなったのは、塚本晋也、中村 蒼、瀧内公美、栄莉弥、尚玄、ピエール瀧、木幡 竜、奥野瑛太、村田秀亮、デリック・ドーバーら10名の実力派俳優陣。失踪したオンを探すため刑事となったグスクの相棒・徳尚(とくしょう)役には、『鉄男』(1989)はじめ映画監督としても世界的に評価されている俳優、塚本晋也。グスクやヤマコたちの良き理解者として物語を支える塚本は、本作出演に対して「徳尚という役を通し、沖縄のこと、日本のこと、たくさんのことをあらためて見つめる大事な機会になりました」とコメント。
米軍の高官アーヴィンの通訳・小松役には、Apple TV+ドラマ・シリーズ『Pachinko シーズン2』(2024)で自身初となる海外作品への参加も果たした中村 蒼。日米の間に立ち、グスクと対峙する小松を熱演する中村は、「戦後の沖縄という最も過酷な現実に置かれ、歴史に声を奪われた登場人物の怒り、友情、絶望、希望が描かれておりそんな今作にとても心打たれました。画面からすごいエネルギーがひしひしと伝わってきました」と熱い想いを込める。
ヤマコが慕うAサインバーの女給・チバナ役には、『由宇子の天秤』(2021)での輝かしい受賞歴をはじめ圧倒的存在で出演作が後を絶たない実力派俳優、瀧内公美。混沌の時代を逞しく生き抜く役どころを熱演する瀧内は、「沖縄で過ごした時間はわたしの心にいまも生き続けています。ものがたりでもあり、フィクションであるにも関わらず、沖縄史にどうしても気持ちが向き、ここに生きている“人間たちが”“魂が”あったんだ、と叫ばざるを得ませんでした」と熱い心境を語る。
さらに、物語のカギを握る謎に包まれた孤児・ウタ役には、カナダ出身で「メンズノンノ」モデルオーディション史上最年少グランプリを受賞した栄莉弥(エリヤ)。本作で本格的俳優デビューを果たし、沖縄に生きる若者の代弁者として魂を震わせる演技を見せる。
その他にも、兄・オンを見つけ出すためにヤクザへの道を選んだレイの刑務所仲間である民族運動家・タイラ役に尚玄。ヤクザになったレイに特飲街の仕切りを任せるコザ派の親分・喜舎場(きしゃば)役にピエール瀧。ある事件の内容を探るためグスクに近づくCIA要員・ダニー岸役に木幡 竜。密貿易団クブラのリーダーで、オンが消えた日、一緒に基地に忍び込んだ戦果アギヤーの・謝花(じゃはな)ジョー役に奥野瑛太。喜舎場や謝花ジョーと繋がり、オンの行方にも関わっている鼻の曲がった男・辺土名(へんとな)役にお笑いコンビ「とろサーモン」の村田秀亮。グスクの刑事としての才能を買い、チームを組んで何件もの事件を解決する米軍の高官・アーヴィン・マーシャル役に、アメリカ出身で元プロ格闘家のデリック・ドーバー。
CIAや軍の高官、民族運動家や危険な組織のメンバーなど、アメリカ統治下時代の沖縄を象徴する魅力的なキャラクターたちが顔を揃えた。時代の大きな変革の中、グスク、ヤマコ、レイが駆け抜けた20年の日々。彼らを取り巻く様々な人物の想いが交錯し、激動の物語は衝撃の真実へと収束していく。
東映とソニー・ピクチャーズによる共同配給のもと、ハリウッドに拠点を置くLUKA Productions Internationalも製作に参加して日米共同製作で挑む、映画業界への挑戦。今までの常識を覆す、革新的なエンタテイメント超大作『宝島』は、9月19日(金)より、全国拡大公開! 続報にご期待いただきたい。
新キャスト10名 コメント全文
塚本晋也:徳尚(とくしょう)役
すべてのシーンが圧巻の特大スケールで驚きました。徳尚という役を通し、沖縄のこと、日本のこと、たくさんのことをあらためて見つめる大事な機会になりました。映画が放つ強いメッセージが皆様に届くことを願っています。
中村 蒼:小松役
戦後の沖縄という最も過酷な現実に置かれ、歴史に声を奪われた登場人物の怒り、友情、絶望、希望が描かれておりそんな今作にとても心打たれました。画面からすごいエネルギーがひしひしと伝わってきました。
私が演じた小松は普段は淡々と通訳の仕事をこなし穏やかで理知的な人間ですが物語が進むにつれてそれだけではない別の一面も持ち合わせています。
私は、彼が冷徹で計算高い男なのか、理想と現実で板挟みになり苦悩する男なのか、それとも沖縄を思うが故に独自のやり方で尽力した人物なのかは観た皆さんがどう思うのかとても楽しみにしているところです。
瀧内公美:チバナ役
いまも続いている“沖縄の現実”というものを内地の人間は見つめざるを得ない。
沖縄に出向き、戦争の話をしてくれたおばぁたち。
コザにある映画館シアタードーナツで見せていただいたドキュメンタリー映画「モトシンカカランヌー」。アケミさんが唄っていた十九の春。
沖縄で過ごした時間はわたしの心にいまも生き続けています。
ものがたりでもあり、フィクションであるにも関わらず、沖縄史にどうしても気持ちが向き、ここに生きている“人間たちが”“魂が”あったんだ、と叫ばざるを得ませんでした。
伝えたいことは山ほどある。映画では語りきれないほどの想いがそこにはあります。
この作品に協力してくださった沖縄の皆さんに心から感謝しております。
エンドロールをご覧になって皆様がどう感じてくださるのか、沖縄に出向いた際はひめゆりの塔で手を合わせていただけることを切に願います。
栄莉弥:ウタ役
大友監督が導く『宝島』の世界、僕はカメラの前で芝居をすること自体がほぼ初めての経験でした。撮影中はさまざまな感情が入り混じり、緊張で硬まってしまうこともありましたが、監督から「ここにいる以上は、同じ土俵に立っているのだから自信を持ってやっておいで」とおっしゃっていただき、その言葉をパワーに変え、キャストの先輩方やスタッフの皆さんに背中を借りる気持ちで日々挑戦でした。
撮影の合間には、ひめゆりの塔や、ガマ、美しい海、荒崎海岸にも足を運びました。
沖縄の神秘と、そこに確かにある悲惨な歴史、そしてそれを乗り越えてきた琉球の方々の魂の力強さを感じ、心が震える思いでした。
激動の戦後沖縄を生き抜いたたくさんの命を、肌で感じていただける作品になっています。
ぜひ多くの方に劇場へ足を運んでいただきたい気持ちでいっぱいです。
尚玄:タイラ役
アメリカ統治下にあった沖縄の激動の時代。彼らが命を懸けて守ろうとしたのは、島のかけがえのない『宝』だった。理不尽な現実は、今もなお形を変えて続いている。民意とは何か、そして誰のための本土復帰だったのか――その問いは決して過去のものではない。沖縄と真摯に向き合ってきた大友啓史監督だからこそ実現できた意欲作。沖縄出身の俳優として、この作品に参加できたことを光栄に思う。
ピエール瀧:喜舎場(きしゃば)役
久しぶりに大友監督の現場に参加させていただきました。相変わらずのエネルギッシュな現場で、何よりも監督が楽しそうにされている姿に触れてこちらも嬉しくなりました。
木幡 竜:ダニー岸役
沖縄という戦後の戦場に焦点を当てて、グスク、ヤマコ、レイという幼馴染たちがそれぞれの人生を歩みオンちゃんという彼らにとっての英雄を探す物語です。国の過去と向き合う覚悟。人間の尊厳、自由への渇望が詰まったこの小説を読んだ時、どこに僕の役があるのだろう。どの役ならこの映画に貢献できるのだろうと感じておりました。
大友監督から頂いた役はダニー岸。映画唯一と言っていい悪役は、小説ではかなりのサイコパスな役です。しかし、小説と実写映画では少しこの役の意味合いは違いました。監督といろいろな意見交換をしながら撮影に挑みました。
試写会で映画『宝島』を観た時、全ての役が、キャラクターが、個性が、映画の中に息づいていました。その中にダニー岸も居て、すごい作品の一部になれていると感じました。
この映画はぜひ、映画館で観ていただきたいです。
奥野瑛太:謝花(じゃはな)ジョー役
撮影休みの金曜日の夜、賑やかなコザゲート通りで1人酔い潰れていました。異国の雰囲気漂う通りで寝転んでいると、路面店からは終始洋楽のカラオケの音が鳴り響いていました。咆哮にちかい歌声にしばし身体を預け、酔いがおさまってきたところでふらふらと路地を散歩しました。先ほどの景色とうってかわり地元の若い人たちがやっている飲み屋さんが立ち並んでいました。
どこからともなく聞き馴染みある沖縄のJ-POPのカラオケの音が聞こえ、今度は地元愛の滲む平和的な若者の声に残りの酔いを任せました。
通り一つはさむだけでまるで違う国に来たかのように錯覚してしまう情景に、外部から来ておこがましいの百も承知ですが、「これが沖縄なのか」と、その複雑さと歴史にただただ呆然と酔っ払いました。
村田秀亮(とろサーモン):辺土名(へんとな)役
どんだけ涙が出てくるねんってくらい泣いてた……。
胸が熱くて苦しくて痛くて……涙が止まらなかった。
戦争は終わったはずなのに沖縄では何も終わっていなかったあの時代、自分たちの本来の島を取り戻したくて護りたくて命を懸けて立ち上がる若者たちの姿は、泥臭くて尊い。
これはただの物語でも映画でもないよ。
人間が生きることそのものにぶつかっていくリアルな叫び!
生きてる以上前に進まないと損やもんな。
よし、明日も生きていこ!
今世紀絶対観て欲しい一本です。
デリック・ドーバー:アーヴィン・マーシャル役
『宝島』は私にとって特別な作品であり、日本映画界にとっても大きな意義を持つ挑戦だと感じています。大友啓史監督の情熱が、視聴者だけでなく、多くの業界関係者にも共感と希望を届けてくれることを願っています。
この物語は観る人に問いを投げかけ、考える力を引き出す深い作品です。激動の時代だからこそ、こうした普遍的な物語がいっそう求められていると感じます。
日本の文化と映画は、私の人生とキャリアに大きな影響を与えてくれました。この作品に関わり、尊敬する監督や仲間と共に創り上げられたことを心から誇りに思います。
ストーリー
1952年、沖縄がアメリカだった時代。米軍基地から奪った物資を住民らに分け与える“戦果アギヤー”と呼ばれる若者たちがいた。いつか「でっかい戦果」を上げることを夢見る幼馴染のグスク(妻夫木聡)、ヤマコ(広瀬すず)、レイ(窪田正孝)の三人。そして、彼らの英雄的存在であり、リーダーとしてみんなを引っ張っていたのが、一番年上のオン(永山瑛太)だった。全てを懸けて臨んだある襲撃の夜、オンは「予定外の戦果」を手に入れ、突然消息を絶つ……。残された3人はやがて、憧れのオンの失踪の謎を追いながらも、「オンが目指した本物の英雄」を心に秘め、やがて警察、ヤクザ、小学校の先生になり、それぞれの道を歩み始める。しかし、アメリカに支配され、本土からも見捨てられた環境では何も思い通りにならない現実に、やり場のない怒りを募らせ、ある事件をきっかけに抑えていた感情が爆発する。
そして、オンが基地から持ち出した“何か”を追い、米軍も動き出す――。
消えた英雄が手にした“予定外の戦果”とは何だったのか? そして、20年の歳月を経て明かされる衝撃の真実とは――。
(2025年、日本)
キャスト&スタッフ
出演:妻夫木聡、広瀬すず、窪田正孝、永山瑛太
監督:大友啓史
原作:真藤順丈「宝島」(講談社文庫)
オフィシャル・サイト(外部サイト)

オフィシャルX:https://x.com/takarajimamovie(外部サイト)
オフィシャルInstagram:https://www.instagram.com/takarajimamovie/(外部サイト)
公開表記
配給:東映/ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
2025年9月19日(金)より全国公開
(オフィシャル素材提供)