
登壇者:原田琥之佑、麻生久美子、高良健吾、唐田えりか、剛力彩芽、菅原小春、横浜聡子監督
映画『海辺へ行く道』完成披露上映会が都内で行なわれ、主演の原田琥之佑、共演者の麻生久美子、高良健吾、剛力彩芽、唐田えりか、菅原小春とメガホンを取った横浜聡子監督が登壇して作品についてクロストークを行った。主人公を演じた原田は約800人からオーディションで選ばれた。
本作は、孤高の漫画家・三好銀の晩年の傑作「海辺へ行く道」シリーズの映画化。アーティストたちの移住支援を行う海辺が舞台。その街に住む美術部員の南 奏介(14歳・原田)とその仲間たちが過ごす夏休みが描かれる。子どもたちの冒険と大人たちの秘密が交錯するコメディ。香川・小豆島でオールロケを敢行。
主人公の奏介役を演じた原田は「作品を撮ったのが2年ほど前なので、13cm背が伸びて、顔もずいぶん変わってしまいました」と自身の成長ぶりを告白。また、「出演が決って素直に嬉しいです。オーディションでは、横浜監督からすべてを見透かさされているような気がして『この人には嘘をつけないな』って――」と横浜監督の印象を話す。初主演にワクワクドキドキが止まらない様子で、「毎日楽しくて、島の中学生になっていました」と撮影を振り返った。

そんな原田のことを横浜監督は「現代っ子という感じですが、画面に映るとノスタルジックな匂いがして、懐かしい気持ちになれる瞬間があるんです。その雰囲気を感じてほしい」と話す。

奏介の母親役を演じた麻生は、横浜監督と3度目のコラボを喜び、「横浜監督らしさが爆発していて、今回もジビレました!」と大きな笑顔で伝える。「アートがテーマの温かな作品です」と作品をアピール。

また、麻生は、「横浜監督から猫と相対するシーンで、『悪意のある感じで……』とか、うたた寝している場面では『死んでいるような、まるで幽霊のような感じでいてください』。最後のほうでは『2度と会えないような感じで……』とか指示がありました。役者としてワクワクする演出でした」と記憶に残る横浜監督の細やかな演出シーンについて話した。
包丁売りの男・高岡役を演じた高良は「念願の横浜組で、話をいただいたときは嬉しかった」と横浜監督とのコラボを喜び、「この作品を観たときに、横浜さんの作品でしか、そしてこの映画でしか感じられない多幸感がありました。映画を観ている時間がこんなにも幸せだったのは久しぶりでした」と話した。

高良の恋人・ヨーコ役を演じた唐田は「大好きな作品です」とにっこり。
奏介のおば・大林メグ役を演じた菅原は何度も撮影ポーズを決めて「私からお話しすることはありません」とコメントは避けて、セクシーポーズで会場を沸かせた。
作品の内容にちなんで「中高生の頃の夏の思い出」を話すコーナーでは、不動産屋に勤務する谷川理沙子役を演じた剛力は「ある仕事でバンドを組んだことがあって、半年後のイベントに向けて練習していました。夏休みに私の実家にメンバーが泊まりに来て、一緒に練習したり、公園で花火をしたりして夏の青春をしました!」と楽しそう話した。

登壇時には撮影ポーズだけで、コメントしなかった菅原だが、「私はありません! ビコーズ(なぜなら)ダンスで忙しかったから」と答えるも当時お付き合いがあったという彼氏の名前を思い出し、一緒に浴衣を着て花火に行ったときのことを話して会場を盛り上げた。

唐田も「地元では毎年夏になると盆踊りがあって、私はずっと太鼓をたたく係でした」とコメント。

麻生は「中学生のころソフトボール部に入っていて、キャッチャーをやっていました。強くなりたくて、体力をつけようと思って、タイヤをひもで引っ張ってランニングをしたんです。無理でした。一度で止めました」と失敗の思い出を披露して会場に笑いを誘った。
現役の高校生の原田は「今年の夏にチャレンジしたいことは?」と聞かれると、「夏休みの期間中に毎日1本以上の映画を観ようと思います。チャレンジします!」と意気込でいた。
最後に原田は「この作品は、今を全力で楽しむ人が人生を謳歌する作品です。芸術が好きな人も、そうでない人も楽しめます。家族や友達と観てください!」とアピール。


横浜監督は「楽しんでいただくことだけが目標です」と客席に向かって伝えて、「原作にある多様性、寛容さを引き継ぎたいという思いで作りました。キャスたちトが多種多様な輝きを放っているので、皆さんもご自身の中の多様性や、自分が理解できないものとの出合いを楽しんでください!」とメッセージを送った。

(取材・文・写真:福住佐知子)
公開表記
配給:東京テアトル、ヨアケ
8.29(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷、新宿ピカデリーほか全国ロードショー