
登壇者:樹、芋⽣ 悠、藤江琢磨、中尾有伽、倉 悠貴、安野 澄、村⽥ 凪、⼩川未祐、⼩川李奈、八木伶音監督
俳優の樹と八木伶音監督、共に20代の2⼈の⾃主企画に同世代の俳優たちが集結した映画『ROPE』。ゆるやかにディストピア化しつつある社会に⽣きる不眠症の⻘年と悲しい過去を持つ⼥性との出会い、そして彼らを取り巻くさまざまな⼈々との対話を通じ、モラトリアムにかすかな希望の光が差し込む様⼦が描かれる。本作のキャスト・スタッフは20代を中⼼に構成され、“戦える”映画を⽣み出すべく、それぞれの才能を惜しみなく注ぎ込んだ。ヒロインである芋⽣ 悠を筆頭に、藤江琢磨、中尾有伽、倉 悠貴、安野 澄、村⽥ 凪、⼩川未祐、⼩川李奈が出演しているほか、前⽥旺志郎、⼤東駿介、荻野友⾥、⽔澤紳吾ら実⼒派俳優たちが脇を固めている。
7⽉25⽇(⾦)、新宿武蔵野館にて本作の初⽇舞台挨拶が⾏われ、主演の樹、出演の芋⽣ 悠、藤江琢磨、中尾有伽、倉 悠貴、安野 澄、村⽥ 凪、⼩川未祐、⼩川李奈、⼋⽊伶⾳監督が登壇した。



本作の企画を⼿掛け、主⼈公の修⼆を演じた樹は「企画を⽴ち上げてから2年、⼋⽊監督、そしてキャスト、スタッフの⽅々と共に⾛り続けて、やっとこうして初⽇を迎えられました。本当に⼤好きな皆さんと、⼤好きな場所で上映できることが本当に嬉しい」と万感の表情。

⼋⽊監督は「数えきれないほどの⼈に助けられて迎えた初⽇。本当に幸せな気分です」と挨拶した。

本作の企画が⽴ち上がった経緯について、樹は「⾃分⾃⾝、⻑編映画の主演作がなかったこと、そして⼋⽊監督が⻑編デビュー作を撮りたいという思いから、⼆⼈の共通の⽬標として企画がスタートしました」と述懐。
⼋⽊監督は脚本の着想について「夜、静まりかえった街を男が歩き、壁に“尋ね⼈”の貼り紙が貼ってあるというイメージがあり、その光景を映像化したいという思いから脚本を書き始めました」とコメント。

樹と⼋⽊監督からオファーを受けたキャスト陣は、いずれも2⼈と同世代。悲しい過去を抱える翠を演じた芋⽣は、樹から⻑⽂のメールが届いたことを明かし「“この映画で何かを変えたい”という樹くんの熱い思いに感銘を受け、ぜひ⼀緒にやりたいと思いました」と吐露。
さらに「⼋⽊監督の脚本には、私たちぐらいの世代が感じる“切実な思い”と“⼋⽊さんらしいユーモア”が融合していて、すごく⾯⽩かったんです」と出演を即決した理由を語った。

そして、修⼆、翠と関わることになるキャラクターを演じた藤江と中尾は、もともと樹と友⼈同⼠。「樹から連絡がきた時点で、もう出演しようと決めていたんですが、さらに脚本を読み、同世代だからこそ感じられるものがありました」(藤江)、「俳優として切磋琢磨する同業者として、⾃分を選んでくれたことが嬉しかった。脚本も読み物としてすごく⾯⽩く、キャラクターをどう構築していくか考えるのにやりがいを感じられそうだと思って」とオファー快諾の決め⼿を振り返った。


“同世代が集まった現場”について、倉は「ある意味⾝内と⾔いますか、知っている⼈たちで映画を作る経験はなかなかないこと」と前置きしつつ、「とてもクリエイティビティな現場でしたね。みんなそれぞれやりたいと思うことがあって、『あの⼈は上司だから』とか関係なくお互いなんでも⾔い合える関係だったので、すごく良い作品ができたんじゃないかなと思ってます」と⾃信をのぞかせた。

安野も「同年代の⼈との作品作りは初めての経験だったのですが、ちゃんと“⾃分の仕事”をしよう︕と思いました。この作品を最⾼にすることだけを考えて参加させてもらいました」と、作品への真摯な姿勢を⾒せた。

作品に漂う“独特な空気感”について聞かれた村⽥は、「“ほぼ知り合い”という和やかな雰囲気がありつつも、いざ撮影が始まると、みんなちゃんと仕事として“作りたいものを作るんだ︕”という意識でやっていました。新鮮でしたね」と語った。

⼩川未祐は「⼋⽊監督の脚本って、切実さと、その世界をどこか少し上から⾒てるというか、⼈をちょっと滑稽なものとして⾒ているような2つの視点があって。それが独特のテンポを⽣んでいると思うし、余韻になっていると思う」と分析。

⼩川李奈は「脚本を最初に読んだとき、“こんな脚本を友⼈の⼋⽊が書けるなんて︕”と驚いたんです。今では、このような映画を作ってくれて、樹と⼋⽊監督に尊敬の気持ちでいっぱいです」と明かした。

そんな和気藹々とした“戦友たち”のコメントを照れくさそうに聞いていた樹は、「確かに友達同⼠で、明るく楽しく賑やかな現場という側⾯はありました。でも撮影前やテスト前にはみんながそれぞれの役や役割に真剣に向き合っていて、“仲の良い⼈たちと、ただ楽しいだけじゃなく、ストイックに映画を作るのって、こんなにも贅沢な時間なんだ”と感動しました」としみじみ。

⼋⽊監督も、本作の製作にあたり「⾃主映画だけでは終わらせたくない」という強い思いがあったのだそう。「上映だけをゴールにして作るのは良くない。 “もっと先に⾏けるような映画を作ろう”という⽬標を、関わった全ての⼈と共有していました」と振り返った。
そして、映画のタイトルが“ROPE”であることにちなみ、“ROPE”という単語から連想するものを聞かれた登壇者たち。芋⽣はシンプルに「つながり」、中尾は「使い⽅次第」と語り、縛る、繋ぐ、解くといった多様な使い⽅をもつことを⽰唆。倉は「伸びたり縮んだり、⾃由⾃在に形を変えられる、映画みたいなもの」と表現。



⼀⽅、安野と村⽥は共に「うどん」という珍回答で会場を笑いに包みました。⼩川李奈は、「固い絆。『ROPE』はまさにロープのような固い絆で結ばれた友情が作り出した映画。⽻ばたくこと間違いなし︕」と⼒強いコメント。



⼋⽊監督は「⼈類を昔から守ってきたツールである⼀⽅で、⾸吊りのような不吉なものも連想してしまうもの。光と影の⼆⾯性を持つ“素敵な⼩道具”」という独特の表現。樹はロープ⾃体がねじれていることに着⽬し「その“ねじれ”が登場⼈物たちの複雑さを表していると思う」と本作の魅⼒を⾃⼰分析した。
最後に登壇者を代表して挨拶を求められた樹と⼋⽊監督。樹は改めて観客への感謝を述べると共に、「皆さんの声がこの映画の⼒になっていきます。ぜひ鑑賞後の感想など共有して応援してほしい」と呼びかけ、⼋⽊監督も「特別な初⽇に集まってくださり、ありがとうございます。皆さんの感想を楽しみにしています」と締めくくった。


公開表記
配給:S・D・P
7/25(⾦)より新宿武蔵野館ほか全国順次ロードショー
(オフィシャル素材提供)