
イントロダクション
「戦後80年」……アジア太平洋戦争の記憶を思い起こすことがより求められる節目の年だ。
「豹変」とは、日本兵が戦場で人間性を損なわれ、望むと望まないにかかわらず“人間兵器”へと仕立て上げられていった姿を表している。
「沈黙」は、戦後、元日本兵らが口を閉ざしたこと、“豹変”の欠片を胸に秘めて生きることになった戦後の日々などを表している。
元日本兵本人が存命で直接インタビューができる時代には、戦中日記はさほど注目されなかったかもしれない。あまりに過酷な体験であり、また 緘口令があって戦争について多くを語らなかった体験者がほとんどだ。日記は元日本兵たちの知られざる一面を浮かび上がらせる社会的な財産なのだ。
本作はどこにでもいたごく普通の日本人が、兵士として体験した戦場の一端を描いている。生と死は紙一重、首斬りなども行われた異常な戦場……。
果たして中国をはじめアジアの戦場で何があったのか。戦中日記を丁寧に読み解くことで歴史の真実に迫ろうと挑戦したのが、この新作ドキュメンタリー映画だ。

ストーリー
1937年、盧溝橋事件を皮切りに本格化した日中戦争。徴兵された“よき息子”“よき夫”たちは、戦場で何を見て、何をしたのか。戦後、彼らの多くはその記憶を「墓場まで持っていく」と語ることなく生きた。本作では、武藤秋一、山本 武、昇、金城信隆らの戦中日記を朗読しながら、戦場での人間性の変容と、戦後の沈黙の意味を問い直す。東亜同文書院の学生・金城信隆の日記は初公開。日中提携の理想が戦争によってどう変質したかを描く。
(2025年、日本、上映時間:104分)
キャスト&スタッフ
監督:原 義和
出演:橘内良平、宮城さつき、西尾瞬三
日記:武藤秋一、山本 武、昇、金城信隆
インタビュー協力:田中信幸、山本富士夫、山本敏雄、具志堅正己など
ギャラリー





オフィシャル・サイト(外部サイト)
https://www.yoshikazuhara.com/
公開表記
2025年8月16日(土)より新宿K’s cinemaにて公開
(オフィシャル素材提供)