
映画『ベスト・キッド:レジェンズ』が公開され、PRのために来日したジャッキー・チェン。2日間でなんと11回もの舞台挨拶に登壇した。ハリウッドの映画俳優としての1作品の舞台挨拶として最多記録となった。最終回となる東京・TOHOシネマズ 日比谷で行われた舞台挨拶をリポート。
満員の会場に手を振りながら笑顔で登壇したジャッキー。日本のファンに「久しぶりね!」と日本語で呼びかけ、「ジャッキー~!!」と大きな歓声で迎えられた。ジャッキーは「11回も舞台挨拶をやるのは大変です(笑)。でも毎回皆さんと会ってお話するのはとても楽しい。まだやれますよ」と満面の笑み。会場を見渡し、「古い友達がたくさん来ています。皆さん、私の映画を観て大人になったんでしょ? 私も皆さんと一緒に大人になりました(笑)」と楽しそうに話した。

本作は、続編やリメイク版なども製作された『ベスト・キッド』シリーズの最新作。オリジナル版で主人公を演じたラルフ・マッチオと、リメイク版でカンフーの師匠を演じたジャッキー・チェンが共演し、二人に導かれる少年をドラマ「アメリカン・ボーン・チャイニーズ 僕らの西遊記」などのベン・ウォンが演じている。ベン・ウォンは、オーディションを勝ち抜き主演に抜擢された。
多忙をきわめるジャッキーは「今月の中旬までスイスにいました。その後イタリア、ロンドン、北京、そしてマカオ、広州、香港、セルビア、カザフスタン……を回ってから、昨日、日本に来ました。いま自分がどこにいるのさっぱり分かりません(苦笑)が、とにかく今日ここにいるのが一番嬉しいです」と語り、会場には大きな拍手が起こった。

作品について、ジャッキーは「若い頃、アクション映画が大好きでした。オリジナルの『ベスト・キッド』が香港で公開されたときも、すぐに映画館に観に行きました。楽勝だと思ったんです。なんで僕にオファーが来なかったんだろう?って思いました(笑)」と冗談交じりに話して会場を沸かせた。
その後、自身が師匠のミスター・ハン役で出演した1984年の映画『ベスト・キッド』のリメイク版(2010)がヒットして、すぐに続編の話が出たものの、「いい脚本が出なくて、10年が経ってしまいました」と続編を断念したことを報告した。

今回主人公を演じたベン・ウォンはアクション未経験。ジャッキーは「クランクインまで4ヵ月しかない。そこでジャッキー・スタントチームを派遣して彼を4ヵ月間ノンストップでトレーニングをしました。痛みを伴い、辛いこともあって怪我もするかもしれませんでした。でも『大勢の中から選ばれたのだからしっかりやりなさい。君が40歳、あるいは50歳になったとき、自分が24歳のときにした努力に感謝すると思う』と励ましたという。「僕自身も、いつも自分の20歳の頃の努力に感謝しています」と話した。
イベントでは、ジャッキー・チェンが「Tokyo Saturday Night ~嘆きのブルース~」の一節を歌い、美声も披露。懐かしい歌にファンは拍手喝さい。会場は大盛り上がり。また、当日は抽選で選ばれたファンにジャッキーからサイン入りポートレートに加え、ツーショットの写真を撮るというビックプレゼントがあり、当選したファンは「幸せです」と喜びを噛みしめていた。
昭和55年(1980)の『バトルクリーク・ブロー』公開時に手形イベントを行ったジャッキーの当時の写真が映し出されると、「懐かしい。カッコイイね!」と見つめるジャッキー。東京・日比谷のザ・スター・ギャラリーには平成時代の手形が飾られていることから、新たに“カンフー手形”の型を取る企画も実施された。


それまで最前列に座っていたジャッキーちゃんがサプライズで登壇。ジャッキーはジャッキーちゃんが手に持った粘土板に向けて、カンフーの型を決めながら拳を押し付けた。ジャッキーは、昭和、平成に続いて、日比谷で3度目となる令和版の手形を残した。この手形はミッドタウン日比谷4階のTOHOシネマズ日比谷ロビーにて8月31日から9月15日まで展示される。

ファンからの質問で「影響を受けた人たち」について話が及ぶと、ジャッキーは「この世界に入ってから64年が経ちました」としみじみ。「チャールズ・チャップリン、黒澤 明、アルフレッド・ヒッチコック、ロバート・デ・ニーロ、シルヴェスタ・スタローン、ダスティン・ホフマンなど、数々の映画人に影響を受けてきました」とこれまでの俳優人生を振り返る。アクション映画が受け入れられず、ギブアップを考えた時期もあったというが、「『ロッキー』という映画に出合って、励まされた記憶もあります」とエピソードを披露した。
さらに、ジャッキーは「映画というのは、たくさんの人に影響を与えることができます。私は映画に携わるとき、注意深く、社会に対する責任を意識しています。アクションがあっても残虐なシーンはなく、コメディでも下ネタはありません(笑)」と自身の映画作りについて話した。

また、監督するときは、「全世界の子どもが観ても大丈夫なものを作ります。自分の子どもに観せられるものだったら大丈夫。僕の作品には常に愛があり、平和があり、団結があります。あとは環境保護を大切にしています」とこだわりを明かす。
最後にジャッキーは「私が映画作りにエネルギーを注いでこれたのは、皆さんからそのエネルギーを与えられてきたから。この場を借りて、全世界のジャッキー・ファンに感謝したいです。(これからも)応援してください。僕がんばります。ありがとうございました」と日本語も交えたメッセージを送った。

ファンへの愛、もちろん映画への限りない熱い思いをたっぷりと話してくれたジャッキー。愛されている俳優だなとしみじみ。観客から惜しみない拍手が贈られた。
(取材・文・写真:福住佐知子)
公開表記
配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
8月29日(金) 全国の映画館で公開
(オフィシャル素材提供)
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