
登壇者:三浦獠太、浅川梨奈、堀江 慶監督
同じ時間軸を三つの視点から描く“羅生門スタイル”のクライム・エンターテインメント、映画『フェイクアウト!』がヒューマントラストシネマ渋谷ほかにて6月20日(金)より全国公開となる。
5月27日(火)、全国公開に先駆け、完成披露試写会を実施。本作が初主演となる三浦獠太、共演の浅川梨奈、そして、堀江 慶監督が集結し、撮影時のまさかなエピソードから、映画の「あなたも必ず騙される」というキャッチコピーにちなみ、自身の「騙されたこと」までたっぷりと話した。
ストーリーが二転三転し、物語の視点が変わるごとに、今まで見えていたものがまったく違うものに見えてくる本作。この日の舞台挨拶は映画上映前に実施、ということでネタバレは厳禁。
そんな状況の中、映画初主演を務める三浦は「最初に台本を読んだ時に、これは映像になった時にどうやって人に伝わるんだろうと思うようなシーンがたくさんあって。何回も読み返しながら理解を進めていきました。だから映像になったものを観た時に、こういうふうになって、こういうふうに伝わっていくのかと。完成したものを観て、ようやく自分の中で腑に落ちたという感覚になりました」と述懐。

浅川は、劇中で自身がゴスロリ衣装姿を披露していることに触れ、「最初にお話をいただいた時から、撮影中も、そして今に至るまで、なんでゴスロリを着させられたのか……と思っています(笑)」とどこか納得していない様子で苦笑い。そこで堀江監督が「本人はめちゃくちゃ嫌がっていたんですけど、似合っていましたよ」と浅川をなだめるも、やはり本人としては抵抗があったようで、「3年前にやりたかった。あと3年若かったら、ノリノリだったと思います」と笑ってみせた。

そんな中、本作で初主演を務めることになった経緯を尋ねられた三浦は、「実はこの作品に入る半年くらい前に、別の現場で監督とお会いして。仲良くなったんで、いつか一緒にやろうねと言っていたら、その半年後くらいにオファーが来た」と説明。そこに補足するように堀江監督が「実は友だちの現場を手伝いに行ったんですが、その作品に三浦くんが出ていて。普通に空き時間に話していたら仲良くなっちゃいまして。超いいヤツだなと思ったので、来週遊ぼうぜというノリですぐにオファーを出してしまった」と笑いながら述懐。

ふたりをつなげるきっかけとなったのは、なんと堀江監督が俳優として出演したスーパー戦隊シリーズ「百獣戦隊ガオレンジャー」だったという。「僕は小さい時にずっとガオレンジャーを観ていたので、なんか似ている人がいるなと思って。『もしかしてガオイエローですか?』と聞いたら『そうです』と言われた」と三浦が証言すると、浅川も「わたし、さっき取材を受けていた時にその話を聞いて。はじめて知りました(笑)」と驚いた様子。とは言いながらも、「それがきっかけで仲良くなりました。もちろん友だちだからということだけではなく、この役にピッタリで。男らしさもあるし。この人しかいないと思ってオファーをしたんです」と念を押した堀江監督だった。
だが三浦演じる主人公・高島誠人が、その純朴さゆえに、騙し合いを繰り広げるキャラクターたちに翻弄される役柄ということもあって、「あまりピッタリ、ピッタリだと言われるのもうれしくないな」とボヤいてみせて、ドッと沸いた会場内。一方、物語の重要なカギを握るキーパーソンを演じた浅川は「言えることが本当に何もなくて……」と思案顔だったが、「ただ本人としては、ミステリアスな役だとは思っていなくて。ただ役として普通に演じていたら、編集のおかげもあって、そういう感じになったということ。この役は監督あってこその役だと思います」と堀江監督に感謝の思いを述べるひと幕も。
本作の主人公・誠人は、劇中でいろんな人たちの思惑に巻き込まれていくが、実際の登壇者たちは“巻き込むタイプ”なのか、“巻き込まれるタイプ”なのか、どっちなのだろうか。まずは「僕は巻き込もうとするタイプ」と答えた三浦から。その理由について「僕が主催で何かをすることが多いですし、旅行に行くときも僕が仕切ることが多いかも。わりと人のペースに合わせるよりも、自分のペースでやるのが好きなので。大変だけど予約をとったりもしますし、自分でやりたいタイプ。僕のまわりには“やってもらいたいタイプ”の人が多いかもしれないですね」。
続く浅川は三浦とは真逆の“巻き込まれたいタイプ”だという。「基本、どこかに行く時も、何かをやるタイプでもないし。まわりも、何も決めずに行き当たりばったりという子が多いです。ホワホワと生きているので、三浦さんみたいな人が近くにいたら助かります」と語る浅川だが、「逆にせかせかしちゃうかも。分刻みで行動するんで」という三浦の言葉に、「だめだめ! 何も決めたくないです」と返した浅川の様子に会場は笑いに包まれた。
トーク中にはMCより三浦に対して「家族に映画を観てもらったりする?」という質問も。「ほとんどないですね」と返答した三浦。「どちらかというと祖母が観てくれています。すごい端のほうの役でも『主役でしたね』という感じで言うんで、本当に観ているのかなと思うんですけど、僕が主役に見えるらしいです」というほっこりとした家族のエピソードを披露すると、浅川も「かわいい!」と思わずコメント。
さらに二転三転する騙し合いについて描かれた本作ということで、「人生の中で一番の騙されたエピソードは?」という質問も。まずは三浦が「ドッキリ」と返答。映画の番宣でのバラエティ番組で、初ドッキリ経験したことを明かすと、浅川は「猫ちゃん」と返答。「家で猫を2匹飼っているんですけど、2匹目はマンチカンを飼いました。親猫も3キロほどで、店員さんからも『この子はそんなに大きくならないと思いますよ』と言われ、手のひらサイズの子猫を迎え入れたのですが、今では5キロを超える猫に育ってしまいました。聞いていた話と違う(笑)!」とボヤいて会場を沸かせた。そして愛情たっぶりに「でもかわいいんですけどね」と呟いてみせた。
そんな大盛り上がりのイベントもいよいよ終盤。最後のコメントを求められた浅川は「この後、映画を観ていただくと思いますが、わたしの役については、ちょっとしたことが命取りになってしまうので、何も言わないでください。ただ『可愛かった』とか書いてくれれば喜ぶので(笑)、皆さんの腕に期待しています!」と語ると、三浦は「つぶやくのにこんなにプレッシャーをかける映画もないと思いますが……」と笑いながら、「物語は時間軸が二転三転して。途中、え?と思う所もあるかもしれませんが、最後まで何も考えずに、このエンターテインメントを楽しんでいただけたら」と会場にメッセージを送った。
ストーリー
IT企業の警備員として働く高島誠人は、父親が残した多額の借金を知らぬ間に相続し、返済に追われていた。恋人の清美へのプロポーズを控えた誠人は、「勤め先の機密データを持ち出せば100万円を払う」という知人の桝井からの依頼を受けることに。だが、そのデータが超高精度の≪AI株価予想プログラム≫だと気づくと、報酬の増額を要求する。これに激怒した桝井は誠人の妹・由衣を誘拐し、データとの交換を迫る。誠人は妹を助けるため、指定された場所へ向かうが、そこには桝井の遺体が転がっていた……。
物語が《誠人がデータを持ち出す前》に遡ると、データを巡り交錯するさまざまな思惑や、誠人を取り巻く人物たちの本性が明らかになっていく……。果たして誠人は、この騙し合いの渦から抜け出せるのか?
(2025年、日本、上映時間:114分)
キャスト&スタッフ
監督:堀江 慶
出演:三浦 獠太、浅川 梨奈
製作・企画:Colossus Pictures
制作プロダクション:CORNFLAKES
オフィシャル・サイト(外部サイト)
公式Xアカウント:@fakeout_movie
公開表記
配給:ギグリーボックス
2025年6月20日(金) ヒューマントラストシネマ渋谷ほかにて全国順次公開
(オフィシャル素材提供)