イベント・舞台挨拶

『私たちが光と想うすべて』装苑オンライン独占試写会/トークイベント

© PETIT CHAOS – CHALK & CHEESE FILMS – BALDR FILM – LES FILMS FAUVES – ARTE FRANCE CINÉMA – 2024

 登壇者:シトウレイ(ストリートスタイルフォトグラファー・ジャーナリスト)、奥浜レイラ(MC)

 インド映画史上初! 第77回カンヌ国際映画祭グランプリ受賞したほか、100を超える世界の映画祭・映画賞にノミネート、25以上の賞を獲得。“夜のムンバイを背景にした孤独なロマンスを、これほど美しくとらえた映画は初めてだ(Variety)” “心を奪われない人はいないはず(BBC)”“ 完璧な1作(Les Inrockuptibles)“と絶賛が続出し、初長編劇映画にして70ヵ国以上での公開が決定した『私たちが光と想うすべて』(7/25[金]公開)。この度、本作の公開を記念し、ストリートスタイルフォトグラファー・ジャーナリストのシトウレイが登壇するトークイベントが開催された。

 インドが舞台の本作にちなみ「友人が手がけたブランド」と言う、インドの手刺繍を施したドレスシャツ<adialaap>衣装で登壇したシトウは、本作の感想について「とにかく映像が綺麗」と絶賛! 「1990年代後半や、2000年代前半のウォン・カーウァイ作品に代表される「『恋する惑星』のような幻想美を感じた」「ニュアンスの塊みたいなのがとても良かった」と、これまで自身がインド映画に持っていた印象が翻ったことを告白。奥浜も「香港ニューウェーブ的な匂いもしますし、あとは、エドワード・ヤン的な雰囲気もする」と同意しつつ「インドって各地方に映画産業がありますから、その中でもまた突出した才能が出てきた」と喜んだ。

 本作で長編劇映画デビューを果たすまで、ドキュメンタリー作家としても高く評価されていたカパーリヤー監督。「最初、観始めた時、ドキュメンタリーかと思った」「街も主役の一人、と思うほどしっかり風景が映されていた」ことへの驚きを奥浜が告げると、「私も印象的だった」とシトウは言う。「インドに住む人の日常、インドの人たちが当たり前すぎて気がつかなさそうなものにまで光を当てているな、っていうのがすごく面白くって。こんな感じなんだって、映画を通して、インドに住んでいる人の視点が分かったのがとても勉強になりました」と明かした。

 看護師として働くため、ケーララ州地方から都市ムンバイに出てきたアヌとプラバ。公用語が22もあるインドで言葉や人種、宗教などの壁と向き合いながら働き、生きていく二人や周囲の人々同士の<コミュニケーション>の難しさも浮き彫りにされる本作だが、海外のファッションウィークで自身も英語の壁にぶつかった経験を語ったシトウは、そのことについて「言語が違う人間同士がコミュニケーションを取る場合ってお互い歩み寄ろうとするんです。お互い、なんて言っているのかなとか、もうちょっと知りたいとか、知ってあげたいという気持ちがあるから、すごく優しいコミュニケーションになると思っています」と展開。劇中に登場する、言葉の壁に悩むドクターやアヌ、プラバたちのコミュニケーションの様子について「なんだか、優しく伝えているな、歩み寄ろうとしているな」という姿を感じ取り、「すごく、共感しますね」と伝えた。

 住居立ち退きを迫られた友人のために、立場や階級をこえて連帯する女性たちが映し出されるシーンについてシトウは「自分だったらそれができるかな?って思ったら、割と難しいと思うんですよ」と言う。それでも<じゃあ、一緒に行こうよ>と、孤独を感じているかもしれない友人にさりげなく手を延ばす彼女たちの姿を見て「近くに人がいるっていうだけでやっぱり嬉しいし、守られてるという感じがする」「彼女たちが手を握ってくれたことはすごく、勇気になったんじゃないかなと感じました」と振り返る。そして、奥浜もそれが「タイトルにある<光>の1つなんだろうなって感じますよね」と語り、このような女性同士の友情や連帯について触れる物語が、インド映画として作られたことについて「新しい波だと感じさせる」と驚いていた。

 最後、来場者に向けて「私的には、この映画は、フランスのヌーヴェル・ヴァーグみたいに新しいインドの流れだと思っています。<ちょっと新しいインドの流れ観に行かない>みたいな感じで知り合いに勧めると、興味持ってもらえる方がいるんじゃないかなと思います」「ぜひ、この映画が面白いと思ったらご家族、友人たちに勧めてみてくださいね」と締め括った。

公開表記

 配給:セテラ・インターナショナル
 7月25日(金)よりBunkamuraル・シネマ 渋谷宮下、ヒューマントラストシネマ有楽町ほかロードショー

(オフィシャル素材提供)

関連作品

スポンサーリンク
シェアする
サイト 管理者をフォローする
Translate »
タイトルとURLをコピーしました