イベント・舞台挨拶

『風のマジム』日本女子大学 夏期特別教室

© 映画「風のマジム」

 登壇者:原田マハ(原作者)、伊藤沙莉(主演)

 映画の公開に先立って、夏休み中の日本女子大学にて夏期特別教室が実施された。日本女子大学は、120年以上にわたり女性が生涯を通して社会で活躍できる素地を育む学び舎。私立女子大学で最も女性社長を多く輩出している大学(※医歯薬系を除く)で、映画『風のマジム』を題材に、「やりたいことを実現するために何が必要か」を原田マハ、伊藤沙莉が300名の学生たちと語り合った。質疑応答も行われ、貴重な意見が交わされた。

女子学生300名以上に向けて夢の「夏期特別教室」を実施!原作・原田マハ主演・伊藤沙莉 登壇~やりたいことの実現を目指す女性のチャレンジを大学生と考える~

 2027年に経済学部(仮称)の開設を構想する日本女子大学で、約300人の大学生が『風のマジム』を鑑賞後に登壇した主演の伊藤沙莉と、原作者の原田マハ。伊藤は「こんなにもたくさんの方に大切な作品を観ていただいてありがとうございました」と笑顔を見せると、原田も「私が書いた『風のマジム』という小説を、このような素敵な映画にしていただき、伊藤沙莉さんにも素晴らしいマジムを演じてくださいました。そんな作品を観ていただきありがとうございます」と感謝を述べる。

 この日は、作品にちなんだトークが展開される。まずはマジムが劇中にバーでラム酒に出合うことから始まった夢にちなみ「夢を持つ始まり」というお題が。伊藤は「私がお芝居をさせていただくようになったのが、9歳のときでした。ドラマのオーディションにたまたま受かったことがきっかけでした。なのでマジムと同じく夢を目指してきたというよりは、ある日突然『あ、楽しい』とか『好きだな』というふうに経験が先に来たタイプ。好きなことから夢への切り替わりがあまりなく、グラデーションでずっとやってきた感じの人間なんです」と自己分析。

 一方の原田は「夢に向かって……という意識はあまりなかったんです」と切り出すと「子どものころからアートや物語を読んだり、自分で創作したりすることが好きな子でした。いま沙莉さんがおっしゃったように、夢と自分のやりたいことの境目がないというのが、一番幸せなスタートだと思います」と述べる。さらに原田は「私の場合、好きなことをとにかく突き詰めて、自分の思っていたことや妄想を実現してきたという歴史です」と振り返っていた。

 それでも原田は「最近ようやく夢という言葉や、夢そのものを意識するようになり、60代になって、はじめて映画監督に挑戦しました。この年齢になっても、自分でやろうと思えば夢は叶えられる。年齢や国、ジェンダーといったことが夢を阻むことは、この世の中には何もないんだということを、今日いらっしゃっている皆さんには肝に銘じていただきたいです」と熱い思いを吐露していた。

 夢に向かって突き進むなか、壁にぶつかることもある。そんななか、どうやってその壁を乗り越えるかというトークに展開すると、伊藤は「取材などで話をしていくなかで感じたのですが、私はだいたいのことを『壁』だと思っていないタイプなんだなと思ったんです」と述べると「もちろん食らうし、傷つくし、苦しいこともたくさんあるのですが、それが自分を邪魔する大きな壁だと思っていないようなんです」とあっけらかんと笑っていた。

 伊藤の回答に派生し「失敗したときにどう向き合うか」というトークテーマに移ると、伊藤は「私は基本的に『失敗はするものだ』と思っているんです」と即答。続けて伊藤は「失敗すれば後悔するし『あーなんで』と思うのですが、失敗して当たり前だと思えば、恐れることはない。失敗したことがある人は、失敗した人に優しくなれるし、経験と言う意味では、失敗することも経験値として自分を高めるものだと思うんです。漠然としたきれいごとなのかもしれませんが、失敗を恐れないこと」と結論を展開していた。

 同じ質問に原田は「昔から『失敗は成功の母である』と言われていましたからね」と伊藤の考えに同意すると「最近の若い人には、失敗するのが怖いから挑戦しないという人が増えていると聞きます。でもそれはとても残念。挑戦すること以上に面白いことはこの世にはないと思うんです。この映画の主人公のマジムもまさにそんな人。まずは挑戦してみる。それは失敗してもいい。特に若い皆さんは、いくらでも失敗していいと思います。失敗してもまだやり直せるし、失敗したとしても、それが皆さんを育てるんです」と学生たちにエールを送っていた。

 イベント後半には、学生からの相談に答えるコーナーも。「現代社会では、女性がどのように活躍し、キャリアを築いていくべきか、またどのような信念を持って社会で生きるべきか、ということを考えています。お二人は、この映画の主人公を演じたり、生み出したりする中で、ご自身の価値観や社会への眼差しにどのような変化がありましたか?」という質問が二人に投げかけられる。

 原田は「素晴らしい質問ですね」と学生を見つめると「女性のキャリア形成への考え方は大きく変わってきています。私が自分のキャリア形成を始めたころは、まだまだ日本の社会における女性の地位は、正直それほど高いものではありませんでした。沙莉ちゃんが『虎に翼』で奮闘していましたよね。あれには私も感動して観ていましたが、今はだいぶ変わったと思います」と変化を述べる。

 さらに原田は「ジェンダーや国籍、イデオロギーなどに左右されず、個々人が自分の信念を持って『こういうことがやりたい』とか『こういう人として生きたい』ということが尊重される世の中になりつつあると思います。ただ、その中で日本はまだ若干遅れている部分があるので、自分が自由にやりたいことをやれるように、個々の努力を重ねていくということが、男女関係なくやっていくべきことなのかなと思います」と述べていた。

 伊藤は「私はマジムを演じさせていただいて勉強になったことは、自分にはない“行動力”です。マジムは思い立ったらすぐ動きますし、自分が興味を惹かれたことやアイデアに向かってすぐに突き進んでいきますが、それは意外とできることではないなと思っています。私自身も結構後回しにする人間なんです」と苦笑いを浮かべると「でも行動力がある人というのは、何か必ず得ているなと思ったので、私も今後の自分の人生に活かしていきたいなと思いました」と語っていた。

 続いて「マジムが思い立ったら、その自分の軸をぶらさずに突き進んでいく姿に、とても勇気をもらいました」と感想を述べた学生が「起業する方は本当にすごい行動力があるなと思う一方で、私はなかなか失敗を恐れてしまって行動に移せないことがあります。お二人はいろいろなことにチャレンジされていると思いますが、その際の原動力やモチベーションはどのようなものでしょうか?」という質問が。

 原田は「私はよく人から『大変でしょう?』と言われるのですが、大変だと思ったことは一度もないんです。自分でやりたくてやっていることなので」と述べると「実際、大変なこともあるのですが、自分が思い描いていることを実現するためにやっているんだと思い返すと、大変なことも思い通りにいかないことも、それは全て自分のための栄養だとして飲み込めるかなと思っています」と回答。

 伊藤は「私のモチベーションは、小さい頃から変わっていないんです」とはにかむと「とにかく“家族に褒められたい”ということなんです。母に『すごいね』と言われたいとか、一緒に住んでいる叔母に『え、かっこいい』とか言われたら、本当にやってよかったなと思います。私はそもそも『かっこよく生きよう』と思っていないので、かっこ悪い自分を想像した時に、別にそうなったってどうでもいいと思っているところがあります。だからモチベーションも、かっこいいものを自分の中にぶら下げなくてもよくて。本当に、「大金持ちになりたいんだ」と思っていてもいいし、軽いことだけで自分が何か行動を起こしたり立ち上がったりする原動力になるんだったら、ちっちゃいことだけ持っていていいと思います」とメッセージを送っていた。

 伊藤と原田のトークに、熱心に耳を傾ける学生たち。伊藤は「本当にこんなにたくさんお集まりいただきありがとうございました。フレッシュな空気の中で、皆さんとこうやってお話できたことが嬉しかったです」と破顔すると、原田も「こんな素晴らしい場所で、若いエネルギーに満ち溢れた皆さんを前にして、沙莉さんと一緒にこの『風のマジム』という映画を送り出す瞬間に共に立ち会えたことが本当に嬉しいです」笑顔を見せていた。

公開表記

 製作・配給:コギトワークス
 2025年9月5日(金) 沖縄県先行公開
 9月12日(金) 全国公開

(オフィシャル素材提供)

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