
登壇者:長屋誠志郎監督(『庭には二羽ニワトリがいた。』)、武内宣之監督(『恋は盲目』)、大山 良(エイベックス・アニメーションレーベルズ)
『チェンソーマン』、『ルックバック』の漫画家・藤本タツキが17歳から26歳の間に描いた短編8作品をアニメ化し、10月17日(金)より2週間限定上映、11月8日(土)よりPrime Videoで世界独占配信されることが先日発表されたアニメ『藤本タツキ 17-26』。
9/3(水)に公開された予告編は130万回再生を超えており、解禁時はYahooトレンド1位を獲得した本作は、9/19(金)に公開され現在興収35億円超えのヒットを記録している『チェンソーマン レゼ篇』に続き、藤本タツキ原作のアニメ化としてさらなる注目が集まっている。
この度、2025年10月5日(※現地時間)にロサンゼルスで開催された「グローバルステージハリウッド映画祭 2025」にて、本作のワールドプレミア上映を実施。登壇した『庭には二羽ニワトリがいた。』の長屋誠志郎(ながや・せいしろう)監督、『恋は盲目』の武内宣之(たけうち・のぶゆき)監督のコメントと併せて、熱気あふれるオフィシャル・リポートが到着した。
2025年10月3日(金)~10月5日(日)(※現地時間)にハリウッドの名門チャイニーズシアターで開催された「グローバルステージハリウッド映画祭2025」にて、『藤本タツキ 17-26』のワールドプレミアが実施された。『庭には二羽ニワトリがいた。』の長屋誠志郎監督、『恋は盲目』の武内宣之監督、そして本作の企画・プロデュースを務めるエイベックス・アニメーションレーベルズの大山 良が本プレミアに参加した。

世界で初めて本編が上映される機会ということもあり、藤本タツキ作品のグッズに身を包んだり、原作を片手に来場したファンが会場に殺到。立ち見客も溢れる会場内で大きな拍手に包まれる中、長屋監督が「ワールドプレミアに来てくれているということはアメリカの中でも一番の“藤本タツキ・ファン”だと思うので、皆さんの前で上映できることを緊張しつつも、とても嬉しく思います」と語り、武内監督は「子どもの頃から『刑事コロンボ』が大好きで、このハリウッドのど真ん中でプレミア上映を迎えられることを本当に嬉しく思います」と現地のファンに喜びを伝えると会場は更に盛り上がった。
上映後には、長屋監督、武内監督、大山プロデューサーを迎えた特別トークセッションが実施された。セッションでは、藤本タツキの初期短編をアニメ化する上での制作上の課題や、藤本作品特有の作風を映像で表現するためのアプローチなど、貴重な舞台裏のエピソードが語られた。
まず、本作の制作経緯について尋ねられた大山プロデューサーは、「この作品を今回のワールドプレミアで、世界で初めて皆さんに観ていただき、本当に嬉しく、そしてホッとしています。「『ルックバック』に続き、本作『藤本タツキ17-26』のアニメ企画が、こうして形にできたことをとても嬉しく思います」とコメント。
原作の藤本タツキ先生に本企画を提案した当時について、「“初期の作品をアニメ化されるのは恥ずかしい”とおっしゃっていましたが、監督たちには、面白いものを優先して、自由に作ってくださいというメッセージをいただきました」と振り返った。また、「8本の作品のそれぞれの個性を、アニメのクリエイターの演出によってさらに際立たせていこうと考えました」と、企画の意図を明かした。

原作漫画について尋ねられると、長屋監督は「『チェンソーマン』を読んだ後に『庭には二羽ニワトリがいた。』に触れましたが、藤本タツキ先生が今よりも若い頃に描かれたにもかかわらず、共通するものを感じました。兄と妹の関係や“変身”といったモチーフがすでに現れていて、『チェンソーマン』へとつながっているのが面白いと思いました。私自身アニメーター出身なので、アニメーションでどうキャラクターを動かすかを一番こだわりたかった。宇宙人がいっぱい出てくる作品で、見た目は宇宙人なのに、そのほかは全部人間と一緒。振る舞いや行動が宇宙人を見ていると、自分たちなんじゃないかと思えてくるように、キャラクターを動かしたいと思って作っていました」と語った。
一方、武内監督は、「『恋は盲目』は、僕が参加を決めた時点で最後に残っていた作品でした。恥ずかしいと思いながらも、自分が恋をした時のことを想像しながら作品を作りました。主人公の伊吹(いぶき)に思い入れを100%入れて作画しました。誰も気がつかないと思いますが、告白する時に頬も赤くなるが、耳たぶも赤くなるところに一番こだわりました」と話した。
お互いの作品についての感想では、長屋監督が「『恋は盲目』は本作の中で最もコメディ色が強い作品。それが武内監督の演出で、その個性がさらに際立っている」と評し、武内監督は「『庭には二羽ニワトリがいた。』は、藤本タツキ先生の原作らしさを失わずに、日本のアニメーションらしい日常の風景を美しく切り取っているのが印象的でした」とコメントした。
作品全体を通して共感したテーマについて、大山プロデューサーは、「私は“ボーイ・ミーツ・ガール”の物語が好きなので、『恋は盲目』の告白に至るシーンにとても共感しました」と語り、武内監督も「主人公・伊吹のどこか一方的な心の伝え方に共感しました」と述べた。長屋監督は「藤本タツキ作品には常に“他者とのコミュニケーション”というテーマがあり、それは今の時代においてますます難しくなっているからこそ、大切なことだと感じます」と話した。
最後に、大山プロデューサーは「本日は立ち見の人も出るくらい満席の会場で上映できたこと、そして藤本タツキ作品を応援してくださる皆さまに心から感謝します」と感謝を述べ、長屋監督は「今日皆さまが楽しんでいただいた様子を一緒に頑張ってくれたスタッフにも伝えたい」と語り、武内監督は「本日はご覧いただき本当にありがとうございました。日本では、10月17日(金)から2週間限定公開されます。アメリカほか世界では11月8日(土)からPrime Videoで世界独占配信されますので、ぜひもう一度楽しんでください」と締めくくった。
『藤本タツキ 17-26』は、2025年10月17日(金)より2週間限定上映、11月8日(土)よりPrime Videoにて世界独占配信開始予定でクリエイターのひとりを形作った初期作品群を、世界中のファンが体験できる日も目前だ。藤本タツキの想像力あふれる原点を、実力派クリエイター陣がそれぞれのアプローチで魅力的なアニメとして蘇らせた本作をぜひご覧いただきたい。

◆『藤本タツキ 17-26』とは
『チェンソーマン』、『ルックバック』を生んだ藤本タツキが17歳から26歳までに描いた短編8作品が、6つのスタジオと7名の監督により待望のアニメ化。漫画賞初投稿作「庭には二羽ニワトリがいた。」から、「予言のナユタ」、「妹の姉」まで、思春期の恋、暴走、狂気、絆を描いた多彩な物語が、今鮮やかに映像となって動き出す。


『藤本タツキ 17-26』

イントロダクション
『ファイアパンチ』、『チェンソーマン』、『ルックバック』を生んだ鬼才・藤本タツキが17歳から26歳までに描いた読み切りの短編作品集をアニメ化! 2016年「少年ジャンプ+」で『ファイアパンチ』の連載をスタートさせた藤本タツキ。エキセントリックなキャラクターたちが繰り広げるバイオレンスとエモーショナルな展開が溢れる構成で多くのファンを虜にし、2020年には『チェンソーマン』で第66回小学館漫画賞少年向け部門を受賞。さらに、原作を手掛けた『ルックバック』が2024年6月に公開されると、国内外での興行収入44億円を超えるヒットに。今、日本のみならず世界中から支持を集める作家のひとりである。
今回、藤本タツキが17歳から26歳までに描いた読み切りの短編作品集に収められた全8作品をアニメ化。人類が滅亡した世界で生き残った2人の絆を描く『庭には二羽ニワトリがいた。』をはじめ、思春期の衝動がさく裂する『佐々木くんが銃弾止めた』、恋心が宇宙規模で暴走するSFラブコメ『恋は盲目』、ネジの外れた殺し屋少女の暴走愛『シカク』、海中のピアノが奏でる少年と人魚の恋『人魚ラプソディ』、ジェンダーの枠を超えて“自分らしさ”を見つける『目が覚めたら女の子になっていた病』、過酷な宿命を背負った兄妹の再生の物語『予言のナユタ』、絵に懸ける姉妹の嫉妬や葛藤、そして成長を描く『妹の姉』の計8作品を、6つのスタジオ×7名の監督たちがそれぞれのカラーで新たに創り出す。
ストーリー
「庭には二羽ニワトリがいた。」
宇宙人との戦争に敗れ、人類は滅びた——とされている地球。そこで暮らす宇宙人の学生・陽平は、学校で二羽のニワトリを世話していた。だが、そのニワトリには秘密があった。
監督・脚本長屋誠志郎
キャラクターデザイン:もああん
制作:ZEXCS
キャスト:小野賢章、桜井しおん、浦和 希、斉藤貴美子、岩田光央
「佐々木くんが銃弾止めた」
春休みの補修、担任の川口先生に会いたい一心で参加した学生・佐々木。そこに突然の銃声が響く。教室に現れたのは、かつて川口先生に振られた男だった――。
監督:木村延景
脚本:内海照子
キャラクターデザイン:小園菜穂
制作:ラパントラック
キャスト:熊谷俊輝、安済知佳、岡野陽一
「恋は盲目」
高校卒業の前日、生徒会長の伊吹は、想いを寄せるユリを下校に誘う。長年秘めてきた恋心を彼女に伝えようとするが、さまざまな障害が現れては、伊吹たちの下校を阻む!
監督:武内宣之
脚本:内海照子
キャラクターデザイン:もり ともこ
制作:ラパントラック
キャスト:堀江 瞬、若山詩音、森川智之、山本高広、諏訪部順一、能登麻美子
「シカク」
殺し屋としてその名を馳せている少女・シカク。吸血鬼・ユゲルは、3500年にも及ぶ不死の生活に退屈し、シカクに自分を殺すよう依頼する。
監督・脚本:安藤尚也
キャラクターデザイン:MYOUN
制作:GRAPH77
キャスト:花澤香菜、杉田智和
「人魚ラプソディ」
海辺の町に暮らす少年・トシヒデの宝物は、海の底に捨てられている人魚のピアノ。ある日、いつも通りピアノを演奏していたトシヒデは、隠れて聴いていた人魚の少女・シジュと出会う。
監督:渡邉徹明
脚本:小林達夫
キャラクターデザイン:島崎 望
制作:100studio
キャスト:菊田千瑛、幸村恵理
「目が覚めたら女の子になっていた病」
ある日、目が覚めたら女の子になっていた少年・トシヒデ。クラスの男子たちの嫌がらせの標的にされてしまったトシヒデを助けたのは、恋人・リエの兄・アキラで……。
監督・脚本:寺澤和晃
キャラクターデザイン:徳岡紘平
制作:スタジオカフカ
キャスト:榊原優希、河瀬茉希、山下誠一郎
「予言のナユタ」
ケンジの妹・ナユタは「世界を滅ぼす」と予言された悪魔の子として、周囲の人々から忌み嫌われていた。ある日ついに、ナユタが大事件を起こしてしまう……。
監督・脚本:渡邉徹明
キャラクターデザイン:東島久志
制作:100studio
キャスト:咲々木瞳、松岡洋平
「妹の姉」
ある朝、光子が美術学校に登校すると、玄関に自分の裸の絵が飾られていた! それは光子の妹・杏子が描いた作品で、1年間も学校に飾られることに。屈辱を晴らしたい光子は……。
監督:本間 修
脚本:米内山陽子
キャラクターデザイン:佐川 遥
制作:P.A.WORKS
キャスト:中島瑠菜、中井友望、今井朋彦
スタッフ&キャスト
「藤本タツキ 17-26」
原作:藤本タツキ『藤本タツキ短編集 17-21』『藤本タツキ短編集 22‐26』(集英社ジャンプコミックス刊)
「庭には二羽ニワトリがいた。」監督:長屋誠志郎 制作:ZEXCS
「佐々木くんが銃弾止めた」監督:木村延景 制作:ラパントラック
「恋は盲目」監督:武内宣之 制作:ラパントラック
「シカク」監督:安藤尚也 制作:GRAPH77
「人魚ラプソディ」監督:渡邉徹明 制作:100studio
「目が覚めたら女の子になっていた病」監督:寺澤和晃 制作:スタジオカフカ
「予言のナユタ」監督:渡邉徹明 制作:100studio
「妹の姉」監督:本間修 制作:P.A.WORKS
予告編
オフィシャル・サイト(外部サイト)
https://avex-pictures.co.jp/lineup/70338/
公開表記
配給:エイベックス・ピクチャーズ
10月17日(金)より2週間限定上映【Part-1】【Part-2】2作同日公開
2025年11月8日(土)よりPrime Videoにて世界独占配信
(オフィシャル素材提供)