
登壇者:原 嘉孝、沢口愛華、佐藤アツヒロ、夏目大一朗監督
映画『初恋芸人』(12月19日より公開)先行プレミア試写会舞台挨拶が11月29日(土)、東京・新宿バルト9で行われ、主演の原 嘉孝、共演の沢口愛華、佐藤アツヒロ、メガホンをとった夏目大一朗監督が登壇した。
サブカル関係者をはじめ、児童文化作家たちからも絶賛を受けた特撮番組の脚本執筆やUMA研究家としても知られる 中沢 健氏の作家デビュー作『初恋芸人』を映画初主演となる原を迎えて映画化した本作。売れないピン芸人で彼女いない歴=年齢の佐藤賢治(原)は、自身のことを「面白い」と言ってくれる市川理沙(沢口)に初めての恋のときめきに満ちていた。しかし、不器用な佐藤は想いを伝えられないまま、市川から距離を置かれてしまう。やがて明かされる市川の秘密――。これは、何かになりたかった人たちに捧げる、「何物でもないもの」の物語。
売れないピン芸人役を演じた感想や、演じる上で気をつけたことを聞かれた原は「芸人さんの役を演じるのは初めてだったんですが、撮影に入る前に、お笑い芸人さんの無料ライブをやっていた街があって、そこにプライベートで3〜4回通いました」と打ち明け、「売れない芸人なので、どこが原因で売れないのかとか、勝手ながらメモ用紙片手に観察させていただきまして、間が悪いのか、セリフのトーンが悪いのかとか、いろんなことをヒントにしながらこの役を演じました」と告白。続けて、原は「僕自身、コメディとかを舞台でやったりもするので、僕の感覚でセリフを読んだらどうしても面白くなってしまうんです。なので、面白くない感じでやるにはどうしたらいいかということを、すごく悩みながら作りましたね」とコメントして会場の笑いを誘った。
お笑いファンで佐藤と距離を縮めていく市川を演じた沢口は「ありがたいことに作品の主軸や流れを担っているような役どころだったので、私から言えることは少ないんですけど……」とネタバレを警戒し、役を演じた感想については「今までは外見に特徴があったり、例えばパパ活をやっている女の子の役とか(笑)、そういった前置詞がついている役が多かったので、本当にピュアなヒロイン役というのは初めてでしたし、自分の中で恥ずかしいなとも思ってはいたんですが、台本だったりスタッフの皆さんとか、出演者の皆さんに支えられてできたので、すごく楽しい役になりました」と声を弾ませた。
売れっ子芸人の兼子三郎役を演じた佐藤は「芸人の役で大御所のポジションなんですけど、自分の中からは大御所感が出ないので……」と自虐的なコメントをし、原はすかさず「何をおっしゃいますか」とフォロー。続けて、佐藤は「普段は舞台をやっているので声が大きくなっちゃうんですけど、今回の芝居は監督から『抑えめに、抑えめに』と言われたので、大御所感を出すために細々としゃべっています」と工夫を明かした。
また、映画初主演を果たした原は、主演として撮影に参加した感想を求められると「主演ではあるんですけど、いい意味で気負いせずというか、“やることをやるだけ”という精神で臨みました。誰よりもこの作品に向き合って、佐藤賢治に向き合って、それが結果として作品を引っ張るということにつながると信じているので、その姿勢で臨みました」と吐露し、「真ん中に立たせてもらうというか、真ん中を張るという覚悟みたいなものを経験して、また1つ成長できたかなと思います」と胸を張った。加えて、MCが「スクリーンの中に原さんがいないんです。佐藤賢治しかいないんです」と感想を述べると、原は「最高の褒め言葉ですね。気持ちいいですね」と笑顔を見せた。
そんな原と多くのシーンをともにした沢口は、現場での原の印象を聞かれると「すごく真摯に向き合っていらっしゃる方で、先ほどのお話にもありましたが、劇場に通ったというのもそうですし、今回、出演されているハニトラ梅木さんと、漫才の部分もめちゃくちゃ練習していらっしゃって、映像ってごまかせるというか、小手先でやっても手を抜いてもバレなくすることは可能なのにもかかわらず、そこも真摯に向き合っていらっしゃっていて、芸人役を演じる上で、芸人さんへのリスペクトがすばらしいなというのはすごく感じていました」と絶賛し、原は「今日はいい酒が飲めそうです」と満面の笑みを浮かべた。
そして、原の座長としての印象を尋ねられた佐藤は「撮影当時、普段の原くんの感じをすべて隠し、それを最後まで貫き通していて、本当に難しい役だったと思うんですが、この役を全うしたな、すごいなと思いました」と舌を巻いた。
さらに、そんなキャスト3人の印象を聞かれた夏目監督は「原さんとは撮影の前から役作りの部分からいろいろ話し合わせてもらって、“佐藤賢治はこういうキャラにしよう”とか、役作りの部分でいろいろとコミュニケーションを取らせてもらいました」と打ち明け、「それは沢口さんもそうなんですが、3人で話し合ったり、先ほどお話にあったハニトラ梅木さんと(漫才の)自主練みたいなのをやってるのを見て、本当に役に真摯に取り組んでいるなと思いました。佐藤賢治は、原さんとは真逆の役というか、原さんは初めて会った時からキラキラしているし、その時ムキムキだったんですけど、佐藤賢治に合わせて役作りをして挑んでくれて、原さんには本当に支えられたなと思っています」と感謝。
続けて、夏目監督は「沢口さんも結構お話しましたよね。撮影に入る前もそうなんですけど、撮影中もいろいろお話させてもらって、沢口さんだからこそ市川理沙が演じられたんじゃないかなと僕は思っています」と語り、「アツヒロさんは、アドリブのシーンが何ヵ所かあって、アツヒロさんに『ここはナレーションバックなので、ちょっとお客さんを沸かせてください』みたいな無茶振りをしたんですが、アツヒロさんが事前に考えてくれていた一人漫談のようなネタをやってくれて、それがめちゃくちゃ面白かったですね」と絶賛。これに沢口も「しかも、エピソードが1つじゃなくて4〜5個ありましたよね。撮るたびに違うエピソードが出てくるので、“どこまで引き出しあるんだろう”って、みんなで逆に怖くなりましたね(笑)」と感嘆した。
そして、本作のキャッチコピー『彼女の笑顔が僕をヒーローにしてくれた』にちなみ、自身にとってのヒーローを尋ねられると、原は「僕にとってのヒーローは、最近、本当によく思うんですけど、支えてくださっているファンの方です」と答え、「僕は去年まで舞台を中心にやっていて、劇場の空間でお会いできるファンの方々を目の前にすることはありましたが、この間アリーナツアーをやりまして、そこで今まで見たことのない数の自分たちのファンが目の前にいた時に、“これだけたくさんの人に支えられているんだな”と。『僕が元気を与えているようで、逆に与えられている』って、よくアイドルの方はおっしゃいますけど、それが本当に身に染みて感じた瞬間で、助けられているなという思いはありました」としみじみと語った。
沢口は「私は今シーズン、スーパー・フォーミュラという国内のフォーミュラ・レースのアンバサダーをやっていまして、そこでシリーズ・チャンピオンを獲った岩佐歩夢選手が私にとってのヒーローだなと思います」と答え、「2年目のシーズン参戦で、マシン・トラブルで完走ができなかったり、初優勝までがすごく道のりが長かったりして、悔しい思いをされている中で取材をさせていただいたので、先週、シリーズ・チャンピオンを獲ったあの瞬間というのは本当に“ああ、これは私のヒーローだな”というふうに思いましたね」と目を輝かせた。
同じ質問に、佐藤は「3つぐらい考えたんですけど、考えたものをちょっとやめて……、原くんが言ったように、僕もファンの方に支えられているので……」と原に引っ張られた回答をして笑いを誘い、夏目監督が本当はなんと言おうとしていたのか教えてほしいとお願いすると、佐藤は「そうですね……ONE PIECEのルフィとかですね(笑)」と明かして会場を沸かせた。
また、今年10月に開催された『ゆうばり国際ファンタスティック思い出映画祭』で原は、映画初主演でありながら今年新設されたヌーヴェル・エトワール賞のベル・アクトル賞を受賞したが、本作の企画プロデュースの小浜圭太朗氏と、プロデューサーの峯松里香氏も登壇し、原にトロフィー授与する一幕もあり、トロフィーを受け取った原は「トロフィーうれしいですね。僕なんかがこういう賞をいただき本当に光栄に思っていると同時に、僕だけでなくスタッフさんと、キャストの皆さんと、いろんな方のお力があって受賞できたものだと思っています」と笑顔で語り、「映画ってすごくパワーのあるエンタメだなと思う日々が最近よくありまして、どの映画を観ても、たった2時間で見た人の明日に影響を与えられる、すごいエンタメだなと思っていて、僕はそんな映画の中で役を生きることで、何か一つでも皆さんの心の中に持って帰っていただけるものがあれば幸せだなと思いますし、これがスタートだと思って、ここからまたゼロから役者として、もっともっと映画界を引っ張っていけるような役者に将来なれるように日々精進していきますので、この『初恋芸人』をはじめ、これからキャスト一同、いろんな活動をしていくと思いますが、まずは今回受賞いただけたということは、僕の人生にとっても本当に最高の1ページになりましたし、日々精進していくのでこれからも応援よろしくお願いします」と喜びを口にした。

そして、登壇者を代表して最後に挨拶を求められた原は「この作品は、演じていてもそうですし、観ていてもそうなんですが、どこかもどかしくなる作品と言いますか、佐藤賢治という売れない芸人なんですが、“お前もっとやれよ! 努力しろよ!”って背中を叩きたくなるような、ムズムズした感覚を味わうかと思います。でも、何かをめちゃくちゃ頑張ってる人の背中を押せるような作品ってよくあると思うんですけど、僕はそっちより、何かできずに立ち止まっている人の背中をそっとさするぐらいの感覚だと思っております。何かを頑張ろうとしている人が、ほんの少しだけど、本人にとっては大きな成長みたいな瞬間が、この映画で表現されていると思うので、ぜひ楽しんでいっていただけたらと思います。本日はありがとうございました」と来場した皆さんに語った。
「ゆうばり国際ファンタスティック思い出映画祭」ベル・アクトリース賞のベル・アクトル賞とは?
今年から名称を「ゆうばり国際ファンタスティック思い出映画祭」へと改めた同映画祭では、近年活躍が目覚ましい俳優に贈られる「ヌーヴェル・エトワール賞」が設けられている。従来は女性俳優に対して「ベル・アクトリース賞」が贈られてきたが、本年より新たに男性俳優を対象とした「ベル・アクトル賞」が創設された。
公開表記
配給:ギグリーボックス
12月19日(金)より池袋HUMAXシネマズ、新宿バルト9ほか全国ロードショー
(オフィシャル素材提供)






