映画『アウトロー』の来日記者会見が都内ホテルにて行われ、主演のトム・クルーズ、共演のロザムンド・パイク、クリストファー・マッカリー監督が登壇した。
イギリスの作家リー・チャイルド原作のハードボイルド小説「ジャック・リーチャー」シリーズを映画化したアクション大作。街から街をさすらう元軍の秘密捜査官だった男が、たった一人で悪に立ち向かう様を描く。
トムは開口一番、「日本、東京大好きです」と笑顔で親日家振りをアピール。そして「ハッピー・ニュー・イヤー!」と会場にメッセージを送った。『ミッション:インポッシブル ゴースト・プロトコル』(2011)以来、約1年ぶりの来日となる。
キャリア史上、最も危険でワイルドなヒーローを演じたトムは「ジャック・リーチャーは非常に古典的な男だよ。サムライ、浪人のスピリットを持っている。西部劇に出てくるスピリットを持っている男なんだ。ネットをしないし、公衆電話を使うんだから、デジタル社会に生きるアナログ人間とも言えるね。人間を見たがる男だ」と分析。さらに、「映画人としては、演じたくてしょうがない、待ちきれないほどに魅力的なキャラクターで、俳優が挑戦できる要素がたくさんあった」と熱っぽく語った。
本作の見どころのひとつに激しいカー・チェイス・シーンがあるが、トムは、スタント無しで自らチャレンジしている。「CGは一切使っていない。生々しい男っぽさ、強さを出すことができたと思う」と説明に力を込めた。そして、「結局8台の車を廃車にした。最後の1台は誕生日にもらったよ」と茶目っ気たっぷりに語った。
マッカリー監督とは長年の友人だと話したトムは「監督の書いた脚本が素晴らしい。いつも新しいストーリーを考え出すんだ。映画好きの男だよ」と監督を紹介。さらに、マッカリー監督に全面的な信頼を寄せていることを明かしたトムは、「『ミッション:インポッシブル5(仮題)』は彼が監督するんだ!」と発表し、会見に出席した報道陣を沸かせた。
一方、マッカリー監督も「トムは常に学ぶ姿勢を持った人」と信頼関係をアピール。さらに、「トムは押しつけることを一切しない。彼と会って映画作りの素晴らしさを体験できたのは幸運だった」と絶賛。続けて「映画創りには大変な作業、苦労があるにも関わらず、トムと一緒ならそれが楽しい経験になる。トムと僕は睡眠をとらないんだ(笑)。トムは僕よりも働くんだよ」と二人の絆についても語った。トムも「ベスト・ムービーを作るために、45時間ぶっ続けで働いたこともある。でも楽しい」と仕事人間であることを明かしていた。
弁護士のヘレン役を演じたロザムンド・パイクは 映画で苦労したことを聞かれ「男性が多い映画だけど、こんな映画に出演できる素晴らしい機会を誰も断れないわ。トムとクリスの友情の中に、自分も入らなければいけないので、追いつくように頑張ったの。10回くらい3人で夕食をとりながら台本を読んだわ」とコメント。さらに、「トムの熱意は自然と現場に広がるの。もちろん、私も大いに鼓舞されたわ」と撮影を振り返っていた。
最後にトムは「僕は、お客様を楽しませるためにベストを尽くす。ベスト・フィルムにしたいという信念で、いつも映画を創っているんだ。今回も心躍る気持ちで臨んだよ。尊敬できるクルーと仕事ができることは楽しいことだ。映画創りというのは、本当に素晴らしいことだと思う」と映画創りへの溢れる愛情を興奮気味に語って会見を締めくくった。
登壇者:トム・クルーズ、ロザムンド・パイク、クリストファー・マッカリー監督
トムの新シリーズとなる本作、試写を観た人たちの評判も上々、トムが熱く語り続けた激しいカー・チェイス・シーンも見逃せない。
(取材・文・写真:福住佐知子)
公開表記
配給:パラマウント ピクチャーズ ジャパン
2013年2月1日(金) 丸の内ピカデリー他、全国ロードショー!