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『僕が愛したすべての君へ』『君を愛したひとりの僕へ』大ヒット記念舞台挨拶

©2022「僕愛」「君愛」製作委員会

 乙野四方字(おとのよもじ)原作小説の『僕が愛したすべての君へ』『君を愛したひとりの僕へ』がアニメーションとなり、全国公開中! SNS上では「久々に泣いた! 友達全員におすすめしたい」「すごくスケールの大きな作品で圧倒されました」「君愛は、想いを馳せる物語。僕愛は、想いを届ける物語」などの感想が絶えない本作。原作は、2016年6月に刊行された乙野四方字の小説「僕が愛したすべての君へ」、「君を愛したひとりの僕へ」(ハヤカワ文庫刊)。“並行世界”を行き来することができる世界。ひとりの少年が、それぞれの世界で別々の少女と恋に落ちるラブ・ストーリー。『僕愛』『君愛』2作品の主人公である暦を、宮沢氷魚。『僕愛』のヒロイン・和音は橋本 愛、『君愛』のヒロイン・栞は蒔田彩珠が担当。さらに『僕愛』の主題歌・挿入歌を須田景凪、『君愛』の主題歌・挿入歌をSaucy Dogが担当。
 10月15日(土)、大ヒット記念舞台挨拶が実施され、2作品の主人公・暦を演じた宮沢氷魚、『僕愛』主題歌・挿入歌を担当した須田景凪、さらに原作者である乙野四方字が、『僕愛』『君愛』の台紙を持ったファンと共に、作品の大ヒットをお祝いした!

 『僕愛』『君愛』の順番での連続上映後にトークイベントはスタート。宮沢は『僕愛』『君愛』、須田と乙野は『君愛』『僕愛』の順番で鑑賞したそう。観る順番で結末が大きく変わると話題の本作だが宮沢は「記憶をすべて消して『君愛』『僕愛』の順番で観てみたいです」とコメント。須田は「1度観てしまうと逆の解釈ができないので寂しい」と話した。上映尺で順番を決めたと明かした乙野は「原作者の立場からは、どちらから観ても正解と言いたいです」と本音を語った。さらにSNSにはさまざまな感想が寄せられている本作。周囲の反響について宮沢は「友達もたくさん観てくれました。『君愛』から観た人が多く、その感想を聞くと新しい発見があります」とニッコリ。さらに「今日は妹といとこがどこかの劇場でちょうど今頃、観ているはずです」とうれしそうに報告した。須田は本作の主題歌を聴き自分の楽曲を知ったという声もあり「新しい聞き手の方が増えて、すごくうれしいです」と笑顔を浮かべた。本作の舞台は大分県。乙野は「僕の故郷なので、地元の友達から『観たよ!』という反応がたくさんありました。地元の風景を忠実に描いてくれています」と映像に満足といった表情を浮かべていた。

 宮沢と須田は本作で声優に初挑戦。『僕愛』『君愛』の2作で主人公・暦を演じた宮沢は「1作品だけでも大変なのに、今回は2作品。相当のプレッシャーがありました。暦の若い頃から中年まで、さらに並行世界で違う人生を歩んだ暦など、いろいろなパターンを演じ、挑戦できたことがうれしかったです」と初挑戦の感想を伝えた。この日はネタバレOKということで、須田も演じた役柄を明かすことに。『僕愛』の主人公の暦のクラスメイトで隣の席にいる眼鏡をかけた友人を演じた須田が担当したセリフはたった一言だったという。「間(ま)など細かいことを考え出したらキリがない。途方もない作業だし、改めて声優さんってすごいと思いました。歌も演技的な要素はあるけれど、100%声だけで芝居をし、表現するのはとても難しいことです」と感想を語った。

©2022「僕愛」「君愛」製作委員会

 トークはすべてネタバレOKで展開。まずは『僕愛』での暦から和音へのプロポーズにちなみ、指輪の渡し方について語ることに。ちなみに別のイベントでは「指輪の箱をパカッと開けてのプロポーズ」について橋本 愛(『僕愛』和音役)は「恥ずかしいからやらないでほしい」、蒔田は「憧れがあるのでやってほしい」と話した。宮沢は「パカッと箱を開けるのはちょっと恥ずかしいけれど、指輪は渡したいです。2人の誓いというか約束が生まれる瞬間だから、気持ちはもちろんだけどモノとして残るのはいいかな」と回答。須田が「渡してみたいという憧れはあります。でも『パカッ』は恥ずかしいかな……。いつも見る場所に適当に置くのもいいかな、いや、恥ずかしいか」と迷っていると、MCから「さらにオリジナル・ソングを歌いながら?」とすすめられると「それだけは絶対嫌です」と断固拒否し登壇者を笑わせた。乙野は「人を驚かせたい願望があるので、ひとねりしたいです。ただ『パカッ』と開けるのではなく、伏せたカップを開けたら指輪が置いてあるなどのサプライズをしたいです」と願望を語った。
 
 『君愛』にちなみ、愛する人がいなくなると分かっていても愛し続けることができるか、愛する人がいるのに会わない世界を選択できるかという質問に宮沢は「1番大事にしたい人の気持ちを考えたいとは思うけれど、自分とは結ばれない……。大事にしたい人の気持ちを1番に考えたいけれど、その世界は自分には耐えられないと思います。できません……」とコメント。須田は「今の価値観では無理だと思います。結構残酷な選択ですよね。自分があの立場だったら、サポートしてあげたいけれどやっぱり感情が追いつかないと思います」と説明。乙野は「物語を書いたものとしては、大事な人のために絶対に諦めないと言わなきゃいけない。だけど、実際問題は諦めちゃうと思います。実は僕、現実的には割り切ってしまうタイプなので……」と苦笑いしながら答えていた。
 
 また『僕愛』のラストで暦のIP端末がエラー表示になっていることについて「原作を出した後も、その質問は多かったです」と話した乙野は本音としては「本を読んだ皆さん、映画を観た皆さん自身に考えてほしいので答えは言いません」とキッパリ。しかし「ヒントを言うならば……『僕愛』のラストで暦を助ける老婦人のIP端末もエラー表示になっています。そこと『君愛』のラストをあわせると答えが分かると思います」と解説し、さらにそのシーンについてはスピンオフ小説に描かれているので、そちらもあわせて読んでほしいと呼びかけていた。
 
 イベントでは、宮沢、須田、乙野がお互いに聞きたかったことを教えてもらうコーナーも。宮沢から原作を書いているときにどの並行世界にいるのか、ごちゃごちゃにならないのかと質問された乙野は「頭の中はすごくごちゃごちゃです」と即答。しかし、表やチャートなどを照らし合わせて書くことはないと補足していた。須田は乙野に本作誕生の背景を質問。もともと並行世界の小説などが好きだったという乙野は「自分だけの並行世界の形を考えようと思っていました」と話し、イメージとして小学校などにある掃除当番を決めるルーレットを挙げる。ルーレットは大抵、外側の丸に掃除する場所、その中に担当する班や人の名前が書いてあるとし、「ルーレットの外の世界が一般世界、中の丸が並行世界、さらにその中の丸が登場人物。それがストーリーを思いついたきっかけです」と乙野の説明に須田は「考えたこともなかった……」と驚きを隠せない様子だった。
 
 乙野から宮沢、須田にはなんと16個の質問を準備。その中で1番、答えを知りたいのは「和音、栞、恋人にするならどっち」という質問だとニヤニヤ。和音を選んだ宮沢は「僕は優柔不断なのでいろいろなことで悩みます。なので、引っ張っていってくれる存在、迷子になったときに答えを導き出してくれる和音がいいです」と回答。栞を選んだ須田は「明確なこれだという理由はないけれど、『君愛』での暦が栞の手を引くシーンが印象的でした。一緒に成長していないからこそ、その過程、そして未来を見てみたい気がします。(宮沢の答えを思い出しながら)ひっぱってほしい……、確かに。でも分からないな」と栞を選んだものの、まだ迷っている様子で答えていた。2人の回答に対し「僕はもちろん2人を愛しています」とコメントした乙野に須田が「ずるーい!」とツッコミを入れ笑いを誘う場面もあった。

©2022「僕愛」「君愛」製作委員会


 
 本作で声優に初挑戦した宮沢に歌の仕事への興味を尋ねたいという乙野。少し俯きながら「結構です……」と話した宮沢は「歌うのは大好きですけれど、本当に自信がなくて。舞台や朝ドラで歌った経験はありますが、もう封印したいです。本当に大丈夫です」と優しい笑顔を浮かべながらもしっかりと拒否。しかし、役柄上必要が出てきた場合には「しっかり稽古して挑みます」と決意も明かしていた。乙野は須田が使う言葉に興味津々の様子。1番気に入っているフレーズについては主題歌「雲を恋う」の2番のサビ前「♪幼く醜い恋心だ」を挙げながらも、「気に入ったものを詰め込んで世に送り出しているので選ぶのは難しいです」とも話した。また、乙野は「『雲を恋う』の歌詞で出典を見たとき、僕も知らなかったので、どうやって知ったんだろう、すごいなと思いました」と話すと、須田は「小説、漫画、映画などで知らない言葉や、気になる言葉が出てきたら調べて、自分の中でひたすらメモしてストックしています」と語り、「なので、何で知ったかはもう覚えていないんです(笑)」と説明していた。
 
 『僕愛』ではカラオケボックス、『君愛』では夜景の見える高台など印象的なシーンが登場する。思い出の場所を訊かれた須田は初のワンマン・ライブの開催地である渋谷のライブハウスWWWだとし「目の前に10人いるだけで声が震えるほど人前が苦手だったのに、あんなにたくさんの人の前で」と懐かしそうな表情を浮かべ、「緊張で光景はほとんど覚えてないけれど、自分の人生を変えてくれた大事な場所です」と微笑んだ。生まれた場所、サンフランシスコのアラメダを挙げた宮沢は「故郷のような場所です。僕自身は住んだことはないけれど、おばあちゃんが住んでいる場所で、生まれてすぐに感じたもの、吸った空気が思い出せる場所。行くと実家に帰ったような気持ちになれます。コロナ禍が落ち着いたら行きたいです」と明かした。乙野は最近仕事で夢が叶った場所だと前置きし、「いつかお仕事で会いたいと思っていた鷲崎 健さんに文化放送のラジオ収録で会えました!」と満面の笑みで報告していた。
 
 最後の挨拶で乙野は「今が自分の人生のピークだと思っています。この感動を胸に、今後、生きていきたいと思います」とジョークを交えてコメント。須田は「主題歌も挿入歌も2曲とも気に入っています。特に『雲を恋う』は人生を振り返るうえで、大事な曲になると思います。映画とともに長く愛してください」とアピール。「映画が公開されて1週間。ヒットのお礼イベントができるのは本当にうれしいです」と笑顔の宮沢は作品に絡めて「毎日、いろいろな選択をして僕たちの今があります。すべてがここにいるための判断だと思うので、後悔しないように人生をまっとうしてほしいですし、そう思える作品と僕は出合うことができました。映画がたくさんの方に届くよう、皆さんのお力も貸していただければ嬉しいです」と話し、イベントを締めくくった。

公開表記

配給:東映
全国公開中!

(オフィシャル素材提供)

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