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『劇場版 ソードアート・オンライン -プログレッシブ- 冥き夕闇のスケルツォ』初日舞台挨拶

©2020 川原 礫/KADOKAWA/SAO-P Project

 第15回電撃小説大賞<大賞>を受賞した川原 礫氏による小説『ソードアート・オンライン』シリーズ(『電撃文庫』刊)。次世代VRMMORPG《ソードアート・オンライン》を舞台に繰り広げられる主人公・キリトの活躍を描いた物語は、2009年4月の原作小説第1巻発売以来高い人気を誇り、2022年現在、全世界での累計発行部数は3000万部を突破。TVアニメは2012年に第1期が放送、現在まで続く4シリーズ(全97話※1)に加えて、劇場版が2本公開されている。アニメ放送開始から10年、さらに作品内のゲーム《ソードアート・オンライン》正式サービス開始は、2022年。アニメ『SAO』にとって、もっとも重要な1年が始まる。

 10月22日(土)、本作の初日舞台挨拶が実施され、戸松 遥、松岡禎丞、井澤詩織、さらに主題歌を担当する藍井エイルが登壇した。

お祝いづくしの《SAO》を、特製くす玉でお祝い!

 『劇場版 ソードアート・オンライン -プログレッシブ- 冥き夕闇のスケルツォ』の初日舞台挨拶に登壇したのは、アスナ役・戸松 遥、キリト役・松岡禎丞、アルゴ役・井澤詩織、そして主題歌アーティスト・藍井エイル。
 まず初めに行われたのは、ステージ上に設置されたくす玉割り。こちらはヒット祈願が込められているのはもちろんのこと、アニメ『ソードアート・オンライン』シリーズのさまざまな節目が重なったお祝いの意味合いも。というのも、TVシリーズ97話+過去の劇場2作を経て、今回でアニメ《SAO》はシリーズ通算100作目を達成。さらにアニメ放送開始から10周年、そしてアニメ公式Twitterフォロワー100万人突破も記録した。
 登壇者を代表して、くす玉割りを任されたのは松岡。「思いっきり引くと、くす玉がスコーン!と落ちてきて、大変なことになりますから……」とそうっと糸を引いたが、力加減が優しすぎたようで、1度目では割れないというちょっとしたハプニングも。会場が笑いに包まれつつ、仕切り直し、中からは見事「大ヒット!&アニメ10周年&100万フォロワー達成!」の文字が現れた。
 作品が歩んできた歴史を実感した一同は、「めでたい!」と笑顔。客席からも大きな拍手が送られた。

心血を注いで挑んだ100作目公開を迎えて

 最初の挨拶で、実は藍井にとってこれが人生初の舞台挨拶であることが判明。「めちゃくちゃ緊張しています」と打ち明けた藍井は、登壇直前、戸松に「舞台挨拶ってどうやるの?」と聞こうとしたところ、間違えて「記者会見ってどういう感じ……?」と聞いてしまったのだそう。戸松は思わず「何か謝るの!?」とツッコんだという裏話で、会場を和ませた。
 公開初日を迎えて、素直な胸の内を語る4人。アスナ役として今回の座組みを引っ張る戸松は、「素直に嬉しいです! たくさんの方に愛されている作品なので、こうして今日無事に映画が公開されてホッとしていますし、間違いなく楽しんでいただける内容になっているという自信があります」と胸を張る。
 共に作品を率いてきた松岡は、「キャスト&スタッフ含め、“心血を注いで”という言葉が一番似合うなと思うくらい、力を入れてやらせていただきました。こうして劇場でご覧いだけて、感無量です」と語った。
 井澤は「『ソードアート・オンライン』は男女共に人気があって、たくさんの方が観てくださるのが嬉しいです。しかも国内だけじゃなく、海外でも人気があるじゃないですか?  本当にとんでもないことだなと思います!」と声を弾ませた。またアルゴ役としては「ようやくアニメに本格参戦ということで、みなさんにアルゴの勇姿を観ていただけるはず!」と笑顔を浮かべていた。
 主題歌『心臓』を担当する藍井は、「いよいよ公開初日がやってきたんだなという気持ちです」としみじみした様子。「私は試写会で本編を拝見したのですが、こんなに大きいスクリーンではなかったので、皆さんはより迫力ある『ソードアート・オンライン』の世界を感じられると思います」と、大きな劇場で観られるファンに羨ましさも覗かせつつ、本編への期待を高めてくれた。

劇場版ではお馴染み!? アスナのお風呂シーンもお楽しみに!

 次に本作の見どころを聞かれたキャスト陣。まず井澤は、「原作やゲームでアルゴを知っている方もいると思うのですが、恐らくまだどんな人物か分からないという方も多いはず。(アニメ出演という意味では)前作の最後でちょこっと顔見せをして、ギャラ泥棒して帰っていっただけなので(笑)」と茶目っ気も挟みつつ、「アルゴがどんなキャラクターなのか、早く皆さんにご覧いただきたいですし、できることなら愛されるキャラクターになったらいいなと思っています」と語る姿からも、役柄への愛情が伝わってきた。
 次に戸松が、「劇場版といえばお察しのとおり……アスナさんのお風呂!」と声高に述べると、会場からは自然と拍手が。「アスナの入浴時のリアクションは、かなりいろんなパターンを録らせていただいていて」と収録エピソードを明かしたところ、井澤も「いい音が出てますよ」と太鼓判。過去2作の劇場版でも入浴シーンが出てきていることに触れ、「アスナはお風呂好きですから」と役柄への理解度の高さもうかがわせていた。
 質問を振られるや、「キバオウ」と即答したのは松岡。「ちょっと見方が変わると思います」とし、再び起こった拍手から、会場のファンも松岡の想いを察している様子。また「本作では、ミトがどうか関わってくるのかも見どころ。とあるシーンは本当にグッときましたね」と、前作からの流れを汲みつつ、物語への期待度を膨らませていた。
 一方楽曲で作品を彩る藍井は、自身の活動も《SAO》と同じく10周年の節目。しかもご自身初となる劇場作品の主題歌を任された ことについて、「本当に光栄に思っています」と喜びを滲ませ、「今回はヨルシカのn-bunaさんに楽曲を作っていただいたのですが、デモを5~6回録ってようやく完成しました」と制作裏話を告白。「曲をバックに流れるエンディング映像も素晴らしいものになっていますので、ぜひ最後までご覧いただけたら嬉しいです……!」と会場に投げかけていた。

《SAO》と駆け抜けてきた10年間

 今年2022年はアニメ・シリーズが10周年を迎えただけでなく、作中で『ソードアート・オンライン』がサービス開始とされている記念イヤー。改めて《SAO》と10年歩んできたことについて、戸松は「本当にあっという間でしたね。初めて作品に関わらせていただいたときは、まさか10年後こうして舞台挨拶をしているなんて、想像していなかったです」としみじみ。井澤も「10年も続いている作品なんて、なかなかないもんね」と頷く。
 そんな戸松は、アニメが動いていなくてもどこかしらでアスナを演じていたことから、この10年間でアスナを演じていない時期がないのだそう。「本当にそういう作品は、(自分にとって)《SAO》だけなんです」というコメントからも、作品との長い歩みを感じさせられた。
 また、作中での「ソードアート・オンライン」サービス開始日とされている“2022年11月6日”が間近に迫っていることについて、「本当にその日が来た!という感じ。その瞬間を迎えられることがすごく嬉しいです」としつつ、「最初から10年先を見据えて始まったわけではないので、こうして応援してくださる方々がいらっしゃるからこそ、今があるんだなと感じています」と、改めてファンに感謝を伝えていた。
 シリーズの先頭に立ってきた松岡は、「実はTVシリーズ第1期の頃、スタッフさんと『2022年まで、10年間続けるとか、いけますかね?』と冗談混じりに話していて」と明かし、「本当に10年が経って、駆け抜けてきたなと。どの現場でも印象深い経験があって、何話のどのシーンで何があったのか思い出せるくらいなんですけど、振り返ってみるとこの10年がすごく短く感じます」と感慨深い様子だった。

はじまりの物語だからこそ大切にした、それぞれの関係性

 《SAO》のすべての始まりを描いている今回の物語。収録を振り返って、「前作『星なき夜のアリア』で昇華できたので、今回はものすごくやりやすかったです」と語る松岡。
 ただ一点、本作の物語はTVシリーズ第1期へと繋がっていく時間軸となるため、キリトとアスナの関係性がTVシリーズを超えてしまうと辻褄が合わなくなることから、「その線引きが難しかったです。本作でもキリトとアスナの関係性が感じさせられるシーンも出てきますが、 それ以上先にはまだ踏み込めないんですよ」とコメント。
 「ここから『なんでこんなところで寝てるの』『あんたも寝てみれば』からの、結局アスナがよだれを垂らして寝ている……みたいな」とTVシリーズ第1期第5話「圏内事件」 を彷彿とさせられるやりとりを例に挙げる。戸松も隣で頷きながら、「大丈夫、把握してる」と納得の表情。《SAO》を牽引してきたおふたりだからこそ通じ合っているものが見え、そんなふたりに会場からは笑いと温かい拍手が送られていた。
 本作の物語に懐かしさも新しさも感じさせる一因として、アルゴの存在が大きいのではという話題に。井澤は「そうかもしれないですね。新しい風を運んできました」と同意しつつ、「原作やゲームから熱烈なアルゴファンの方がいることは知っていたので、『ついに動いているアルゴが観られるよ!』と、私としても悲願達成ですね」と、出演への喜びを改めて語った。
 ちなみに収録は、戸松、松岡、井澤の3人揃って行えた場面が多かったのだそう。アスナとアルゴの掛け合いについて「不思議な感じがしました」という井澤に、「たしかに! アルゴとガッツリ話すのが初めてだったから」と共感する戸松。また井澤は「アルゴはゲームのときから、アスナをアーちゃん、キリトくんのことをキー坊と呼ぶため、本作ではすでにそのレベルでの関係性でいなければいけませんでした」と、お芝居におけるポイントも教えてくれた。

「5層のボス」ダルマでヒット祈願!

 ここでステージ中央に、布に包まれた謎の物体が登場。ざわめきが広がるなか姿を現したのは、本作に登場する「5層のボス」を模したダルマだった。カラフルなダルマを前に、「毒々しい」と笑う井澤と、「色がハロウィンだ」と驚く戸松。松岡、藍井も興味津々なご様子。
 映画大ヒットを祈願して、目入れを任された戸松。「描きやすいところで行ったらいいんじゃない?」という井澤に、「目以外でもいいってこと!?」と混乱する戸松に、松岡も思わず「(目入れなのに)目以外って、どういうことですか!?」とツッコむのを抑えられず、このやりとりには笑いが起こった。
 無事役目を果たした戸松に、「これまで筆入れをやられたことはあるんですか?」と尋ねる松岡。すると戸松は、「人生で初めてやりました! 『ソードアート・オンライン』でできてよかったです。嬉しい!!」と満面の笑みを見せた。
 なおこちらのだるまは、配給元であるアニプレックスの社長室に飾られるかも……?という噂があるのだとか。これには一同「ボス部屋だ!」と声を挙げていた。

見どころばかりの今作。鑑賞時はどうぞラストまで気を抜かずに

 舞台挨拶も終わりが近づき、登壇者それぞれの挨拶へ。
 藍井は、「美しく迫力満点の映像で、お風呂のシーンも(笑)、ラスト・シーンも、見どころ満載の映画になっていますので、これから観劇される皆さんは楽しみにしていてください。期待度マックスでご覧になってもなお、素晴らしい作品だと思います。どうぞよろしくお願いします!」とコメント。
 次に井澤は、「今日は皆さんにお会いできて嬉しかったです」と会場を見渡しながら、「休みの日に早起きして劇場に来た甲斐が、絶対にあるはずです。楽しんでいってください!」と呼びかけた。
 続いて松岡は、「改めて本作全体を通して見たときに、ここから『ソードアート・オンライン』という物語が繋がっていくんだな……というワクワク感があります」として、「すべてのシーンを余すことなく楽しんでください」とファンに想いを伝えた。
 最後を飾ったのは戸松。「今作もすべてが見どころといっても過言でないくらい、どのシーンも素晴らしいです。自信をもって間違いなく楽しんでいただける!といえる内容になっています」と確かな手応えを滲ませる。また、「『ソードアート・オンライン』といえばカッコよすぎる戦闘シーンはもちろんのこと、ぜひ“最後まで”気を抜かないで観てください」と意味深発言。すると松岡も「『嘘だろ……?』って感じですよね」と、戸松と頷き合った。
 そして戸松は、「最後の最後までドキドキで、ジェットコースターに乗ったような感情になりながら観られる作品です。最後まで楽しんでいってください!」と、客席へ呼びかけて挨拶を締めくくった。

最後は《SAO》お馴染みの掛け声で!

 挨拶後のフォトセッションでは、だるまを抱える戸松に対して、作品名が記されたフラッグを手にしていた松岡。戸松と井澤が「これって……!」と何やら顔を見合わせたり、4人でフラッグを指してみたりする一幕もあった。
 撮影が終わっても、フラッグを携えたままの松岡にざわめく会場。その空気を察知し、「つぐつぐは旗を持っててね」という戸松に、松岡は「はい」と素直に従っていて、そんなふたりのやりとりにまた穏やかな笑いが起こった。
 最後は戸松の「《SAO》の世界へ……」という音頭で、キャスト一同声を揃えた作品お馴染みの合言葉「“リンクスタート”!」を唱え、舞台挨拶は終了。劇場にはこの日一番の拍手が響き渡った。

登壇者:戸松 遥、松岡禎丞、井澤詩織、藍井エイル(主題歌)

(オフィシャル素材提供)

公開表記

配給:アニプレックス
10月22日(土)より全国公開!

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