イベント・舞台挨拶

『MEN 同じ顔の男たち』アレックス・ガーランド監督 来日舞台挨拶つき試写会

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 『ミッドサマー』『ヘレディタリー/継承』を手掛け、クオリティの高い映画製作に定評のあるアメリカの配給会社「A24」とSFスリラー『エクス・マキナ』でアカデミー賞®️視覚効果賞を受賞したアレックス・ガーランド監督が究極のタッグを組んだ映画『MEN同じ顔の男たち』が12月9日(金)、TOHOシネマズ 日比谷ほか全国公開となる。

 映画『MEN 同じ顔の男たち』は夫の死を目撃してしまった女性が心の傷を癒すため、自然あふれる美しいイギリスの田舎街を訪れるのだが、そこで現れる男たちが全員、同じ顔をしているという不気味な物語。監督を務めるのは2015年長編デビュー作となるSFスリラー『エクス・マキナ』が第88回アカデミー賞®️視覚効果賞を受賞し、脚本賞にもノミネートするという快挙を果たしたアレックス・ガーランド。2021年マギー・ギレンホール監督作『ロスト・ドーター』でアカデミー賞®️助演女優賞へノミネートを果たした注目女優ジェシー・バックリーは夫の死を目撃した過去のトラウマと目の前に現れる同じ顔の男たちの恐怖に対峙する主人公を見事に体現している。次から次へと現れる同じ顔をした男たちには『007 慰めの報酬』から『007 ノー・タイム・トゥ・ダイ』までの007シリーズにビル・タナー役で出演した英国俳優ロリー・キニアが1人で何役もの不気味な男たちを怪演している。本作は第75回カンヌ国際映画祭の<監督週間>で上映が行われ、その衝撃的な展開に度肝を抜かれる観客が続出! 特にラストへと展開する怒涛の20分は永遠のトラウマになること必至だ。

 11月29日(金)に秋葉原UDXシアターにて行われた試写会に、緊急来日したアレックス・ガーランド監督が舞台挨拶に登壇した! まずは本編を観終えたばかりの観客に向けて「本日はご来場いただき誠にありがとうございます! 非常に変な、奇妙な体験だったかと思いますが、耐え忍んでいただき誠にありがとうございます(笑)」と冗談交じりに挨拶し、会場の笑いを誘った。
 監督はプライベートでも来日経験があり、MCより日本の好きなところは?との問いに「創造力溢れる日本の文化には目を見張るばかりで“唯一無二”観がある国だなと思っている。そして日本といえば連想するのは“匠”。絵画や陶芸、アニメーション、もちろん映画にしても匠を感じさせる国だなと思う」と日本文化への敬意を示した。また監督の父親は漫画家で、監督自身が漫画本に囲まれて育ったと明かし、「日本の漫画は他の国にはない文化を有している、そしてある一定の質を担保しているユニークな国だなと思う」と印象を語った。
 続いて映画『MEN 同じ顔の男たち』のトークへ。主人公が同じ顔の男と出会うという設定について本作には2つ問いをたてたと説明し、「答えを全部与えてくれるような消化しやすい映画には興味がなく、いつも問いを投げかけるつもりで映画作りをしており、観客の皆さんにその謎解きに参加してもらいたい、という気持ちで制作している」と告白。「主人公は同じ顔の男に気がついている素振りをしないが、男はみんな同じで、気がついていないのか。あるいは男はみんな同じではないが、主人公から見ると同じように見えるのか。似ているようで実は全く異なるように、どういうアングルから問いをたてるかで全く変わってくる」と解説した。


 また観客からの質問に答えるQ&Aコーナーでは、監督の大ファンという男性から作品に美しい自然を必ず取り入れるのには理由があるのかとの疑問に「人が映画を作るときには2つのアプローチの仕方があり、例えば昔大好きだった作品の物語を繰り返し語っていくフィルム・メーカー、そして一方は世の中で起こっていることにひたすら反応しそのリアクションを映画作りに反映していく手法があり、僕は後者だ」とコメント。「そして単純に自然が大好きだし、生活の一部。それがたまたま作品に反映されている。僕の映画はシュールリアリズム的な側面があり現実や生活に即していないと思うかもしれないが、実際は現実世界のほうがどんなシュールリアリズム映画よりも奇妙。その奇妙さをベストに描きたいと思っている」と補足した。
 ジェシー・バックリー演じる主人公ハーパーのキャラクター作りに関して質問が及ぶと、映画制作時に監督は入念なリハーサルをするそうで「キャスティングする際に必ずリハーサル時間が確保できる役者さんでお願いし、契約書にも入れてもらっている」とこだわりを明かし、「2週間ほどリハーサルし毎日話し合いを重ねた。ジェシーは直感的に演じるタイプなので彼女に合わせることもあったし、役者とコラボレーションしたいと思っているので、ジェシーが演出したことに僕が反応することもあった」と撮影を振り返る。特に、主人公の怒りがこみ上げていくさまについて話し合い、「主人公の女性の叫びといったホラー映画の典型的な手法は避けたいと、違う方向性を見出してくれた」と感謝を述べた。
 また観客の女性から本作に内包されるに有害な男性性といった難しいテーマに取り組むことに躊躇してしまうことはあったか?との問いに、監督自身が娘を持つ立場として娘に向けられる世の男性の歪んだ視線を感じた経験を打ち明けながら、「(一男性である監督自身が)撮影をしながらこみ上げてくる恥や罪悪感、嫌悪感や怒りといった強い感情が渦巻いており、制止できないほどにその強い感情があり、撮影が難しかった時もあった。でも作るしかない!と思った」と心境を明かし、「自分自身に直視しようという試みのひとつであり、鏡をかざしているような気分で映画を作った」と続けた。


 最後に本作の公開を楽しみにしている日本の観客に向けて「優しく迎えてくださってありがとう! 感謝しています」というメッセージでイベントを締めくくった。

登壇者:アレックス・ガーランド監督

アレックス・ガーランド監督プロフィール

 1970年5月26日生まれ、イングランド・ロンドン出身。小説家としてキャリアをスタートし、「ザ・ビーチ」や「The Tesseract」などの作品で知られる。その後、脚本家に転身し、ダニー・ボイル監督の『28日後…』(02)でデビュー。
 その続編である『28週後…』(07)では製作総指揮も務めた。2015年、監督デビュー作『エクス・マキナ』(14)で、アカデミー賞オリジナル脚本賞のほか、英国アカデミー賞優秀英国映画賞、および優秀英国新人賞にノミネートされた。
 2018年に監督・脚本を務めた2作目『アナイアレイション -全滅領域-』を発表。2020年には単独で脚本と監督を務める8部構成のオリジナルTVシリーズ「Devs」がFX Networksで放送された。そのほか、脚本を執筆した作品には、『サンシャイン2057』(07)、『わたしを離さないで』(10)、『ジャッジ・ドレッド』(12)、ビデオゲーム「Enslaved: Odyssey to the West」(10)などがある。現在は、本作と同じくA24でオリジナル脚本の近未来のアメリカを舞台にしたアクション長編『Civil War(原題)』を監督中。


(オフィシャル素材提供)

公開表記

配給:ハピネットファントム・スタジオ
12月9日(金) TOHOシネマズ 日比谷ほか全国公開

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