作品紹介

『老ナルキソス』

©2022 老ナルキソス製作委員会

イントロダクション

 世界で注目を浴びる『片袖の魚』(21)の東海林毅監督初のオリジナル長編となる本作は、レインボー・リール東京グランプリをはじめ国内外の映画祭で10冠を獲得した自身の傑作短編『老ナルキソス』(2017)の待望の長編化。監督は、自身バイセクシュアル当事者でもあり、主に自主作品の中でLGBTQ+と社会との関わりを探ってきた。
 「ゲイ」という呼び名もまだ一般的ではない時代から日陰者として社会の方隅で生きてきたナルシストの老絵本作家。差別や偏見との闘いの時代を経てすでに性的マイノリティが可視化されたLGBT世代のウリセンボーイ。世代も考え方も違う二人の個人的な関係の中から立ち現れる、同性愛者たちの過去と未来の「家族」にまつわる葛藤の物語だ。パートナーシップ制度は「ある」が同性婚は「ない」という中で、「家族」のあり方を問いかける。
 主演は、名バイプレーヤー田村泰二郎と、主演作が続き勢いにのる水石亜飛夢のW主演。田村は長編初主演で、出演作に『太陽』(2005/アレクサンドル・ソクーロフ監督)や『沈黙 -サイレンス』(2017/マーティン・スコセッシ監督)がある。水石亜飛夢は、2021年『国民の選択』(宮本正樹監督)と『黄龍の村』(阪元裕吾監督)の2作品で初主演を果たした。
 ウリセンボーイ(水石亜飛夢)のパートナー役では寺山武志、絵本作家(田村泰二郎)の青年時代を田中理来といった若手俳優が熱演し、日出郎、モロ師岡、津田寛治、千葉雅子といったベテランが脇を固める。また、絵本作家のかつての恋人役を村井國夫が存在感たっぷりに演じる。
 音楽は『舟を編む』(2013/石井裕也監督)で日本アカデミー賞優秀音楽賞受賞の渡邊 崇、撮影はこれまでも東海林監督と多くの作品でタッグを組んできた大河ドラマ『鎌倉殿の13人』(2022)の神田 創。

©2022 老ナルキソス製作委員会

ストーリー

 ゲイでナルシストの老絵本作家山崎は、自らの衰えゆく容姿に耐えられず、作家としてもスランプに陥っている。ある日ウリセンボーイのレオと出会い、その若さと美しさに打ちのめされる。しかし、山崎の代表作を心の糧にして育ったというレオ――自分以外の存在に、生涯で初めて恋心を抱く。レオもまた山崎に見知らぬ父親の面影を重ね合わせ、すれ違いを抱えたまま、二人の旅が始まる……。

 (2022年、日本、上映時間:110分、R15+)

キャスト&スタッフ

 出演:田村泰二郎、水石亜飛夢
    寺山武志、日出郎、モロ師岡、津田寛治、田中理来、千葉雅子、村井國夫
 脚本・監督:東海林毅
 音楽:渡邊 崇
 撮影:神田 創、一坪悠介、渡辺一平
 照明:丸山和志
 録音・音響効果:佐々井宏太
 製作:老ナルキソス製作委員会

ギャラリー

予告編

オフィシャル・サイト(外部サイト)

映画『老ナルキソス』公式サイト|2023年5月20日公開
傑作ゲイ短編映画を長編化!|自分しか愛せぬまま年老いた男はいまさら誰かを愛せるだろうか?|監督:東海林毅/主演:田村泰二郎/水石亜飛夢|映画『老ナルキソス』2023年5月20日(土)全国ロードショー

公開表記

 配給:オンリー・ハーツ
 5月20日(土)より新宿K’s cinema 他にて全国順次公開

(オフィシャル素材提供)

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