イベント・舞台挨拶

『ロストケア』Speceal Screening

©2023「ロストケア」製作委員会

 映画『ロストケア』Speceal Screening が山野ホールにて行われ、上映後の舞台挨拶に松山ケンイチ、長澤まさみ、鈴鹿央士、前田 哲監督、森山直太朗が登壇した。

 本作は、日本が抱える介護問題に鋭く切り込んだ葉真中顕の第16回日本ミステリー文学大賞新人賞受賞作を、『こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話』、『そして、バトンは渡された』の前田 哲監督が映画化した。社会に絶望し、自らの信念に従って犯行を重ねる殺人犯・斯波宗典(松山)と、法の名のもとに斯波を追い詰める検事・大友秀美(長澤)の、互いの正義をかけた緊迫のバトルが繰り広げられる。

 上映後の舞台挨拶となったが、キャスト陣が登場する前に映画のエンドロールが終わると、森山直太朗が登壇。映画の主題歌「さもありなん」を生披露して会場を魅了した。森山は、「『さもありなん』は自分にとって亡き人を思いながら作った曲」と明かした。

 介護士でありながら、42人を殺めた殺人犯・斯波宗典を演じた松山は、森山の歌声を聞いて「森山さんの歌を聞いていて、僕のボキャブラリーの言葉全部を合わせても足りないくらい突き抜けた感動がありました。近くにいる人が見せる優しさだったり、温かさだったり、自分が持っている暗さだったり、悲しみだったり。そういうものを、自分の心に感じさせてくれるライブ演奏だったと思います」と大感動したことを伝えた。

 殺人犯・斯波を裁こうとする検事・大友秀美を演じた長澤は「『さもありなん』という言葉がとても印象的で、それがずっと自分の中に残っていて……。生で聴けて、本当に良かったなって思いました」と感想を述べた。

 検察事務官・椎名幸太役を演じた鈴鹿も「一つひとつの言葉が、ゆっくり心にしみてきました。映画の1シーンが思い浮かんだりして……。本当に映画とマッチした曲なんだなあって思います」と感想を語った。

 松山は試写を客席で観客と一緒に観ていたことを明し、「形になってうれしいです。実は皆さんの反応が見たくて一緒に観ていました」と挨拶。長澤は「皆さんの元に届けられてうれしいです」と笑顔を見せた。

 本作を通じてどんなメッセージを伝えたいかという質問に松山は、「もしかしたら最愛の人や、自分の親の身体が動かなくなったりして、介護っていうものと向き合わざるを得ないときが来るかもしれない。自分の人生の終わらせ方と言うか、そこに向けて備えていくということを考えさせてくれるような作品です」と語った。
 長澤は「介護っていうのが、まだ身近なものではないのかもしれないけど、どんなものだろうっていうのを知るきっかけにこの映画がなればいいなって思っています」と伝えた。

 鈴鹿は「今23歳ですが、準備するのに早すぎるっていうことはないと思います。作品は母と兄が一緒に観に行くって言ってくれているので、そのタイミングで介護について1回話そうかなと思っています。この作品をきっかけに、介護っていうものを深く知ろうと思ってほしいです」とコメントした。

 イベントでは、(本作は松山の誕生日でもある昨年3/5にクランクイン)、3月5日が松山の誕生日あることにちなみ、作品のイメージの折り鶴をモチーフにしたバースデー・ケーキが登場。サプライズで松山の誕生日を祝う場面があった。長澤が、「ケンちゃんおめでとう!」と松山に花束を渡し、森山が中心となって「ハッピー・バースデー」をキャストと客席の観客が一緒に合唱した。松山は大喜び。
 38歳になった松山は、今後の目標を「今まで通り。健康で、自分のペースを守って、好きなことをやりたいなって思っています」と笑顔で語った。また、イベントの終わりには、客席に向かって「皆さん、一口ずつ食べていってください。食べたいですよね」と冗談を飛ばして笑いを誘っていた。

 本作は、原作が出版された2013年の頃から監督と松山が温めてきた作品。現代社会に家族のあり方と人の尊厳の意味を問いかける感動作。他の共演者に坂井真紀、戸田菜穂、藤田弓子、柄本 明など実力派俳優が顔をそろえている。

登壇者:松山ケンイチ、長澤まさみ、鈴鹿央士、前田 哲監督、森山直太朗

(取材・文・写真:福住佐知子、メイン写真・森山直太朗歌唱時写真:オフィシャル素材

公開表記

 配給:東京テアトル 日活
 2023年3月24日 全国ロードショー

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