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『美男ペコパンと悪魔』第1回横浜国際映画祭 舞台挨拶

Ⓒ2023映画「美男ペコパンと悪魔」製作委員会(ヴィクトル=マリー・ユーゴー著)

 『レ・ミゼラブル』などで知られる文豪ヴィクトル・ユーゴーの唯一無二の世界観を、日本の新進気鋭のアーティストと最新技術を駆使したCGクリエイター・チームが協力して忠実に実現した映画『美男ペコパン』。

 婚約者の待つ城へ戻るために、異世界を冒険する主人公のペコパンの前に次々と現れるクリーチャーたち。現代の日本と中世のヨーロッパ大陸がシンクロしながら、倒すか、倒されるか、手に汗握る決死の闘いが最新技術を駆使した驚異のCGにより映像化される。

 この度、5月3日~5月5日に開催されている第1回横浜国際映画祭がワールドプレミアとなり、ヒロイン・ボールドゥール/亜美役を演じ、映画初主演を飾ったAKB48の下尾みう、松田圭太(監督・脚本)、堀江圭馬(企画・製作総指揮)が舞台挨拶・Q&Aに登壇した。

 本作は、堀江が長年温めて企画だそうで、「原作は、小学校3年生くらいの時に母から買い与えてもらった本なんです。挿絵なんかも幻想的でおどろおどろしくて、映画を作るにあたってその世界観を実現したかったです。ファンタジーやSFとなると、今あるのは『ハリー・ポッター』やディズニーだとかシリーズものなんですけれど、オリジナルで日本発で今までにないものを作りたかったです」と製作の意図を説明。

 映画に出てくるクリーチャーのフィギュア・アーティストは堀江が直々にご指名したそう。「個人的にフィギュアやアニメやロボットが好きで、ファンタジーを作るにあたってそういうものを出したいという気持ちがありました。私が好きな『エイリアン』はH.R.ギーガーの世界観がすごいんですけれど、私の映画では、一人の作品じゃなくて、いろいろな作家のイメージのキャラクターが出たらいいともって、違うテイストのアーティスト(SAZEN LEE、米山啓介、ムラマツアユミ)を選んで頼みました。ワンダー・フェスティバルに出かけて行って、自分の好みに合うアーティストに会って直接交渉して、そこからこの映画が始まりました」と、下尾も初めて聞くという裏話を披露した。

 松田監督は、ユーゴーの原作の脚本作りについて「堀江さんから『美男ペコパンと悪魔』を映画化したいと言われて本を読もうと思ったら絶版で売っていなくて、堀江さんから当時の本を借りました。あと何冊か原作があったので見つけて3冊違う翻訳者の方のものを読んで、イメージを膨らませました。中世ヨーロッパのファンタジーの物語に違和感なく引き込めるか注意して映画化しました」と話した。

 下尾は、主演のオファーが来て、「驚きました。短編の映画に出演させていただいたことはあったんですが、長編は初めてで、二役と聞いて、『私で大丈夫ですか?』というのが最初の感想でした。完成したものを観たら、出演できてよかったと思いましたし、もっと成長したいと思いました」と話した。

 下尾は、ボールドゥール役の役作りとして、「糸車をすることを趣味にしていると知って、実際に習いに行きました」と話すと、監督は「筋がいいと言われていました」とインストラクターの話を紹介。下尾が「(糸車の才能が)開花したので、また糸車を回す役が来たら、いつでも」とジョークを言うと、監督が「(美術部が)糸車を用意するのが大変」と突っ込む場面も。

 下尾は演じた亜美とボールドゥールと自分との違いについては、忍耐強さを挙げ、「亜美もボールドゥールも待つ女の子。健気すぎて、尊敬するレベル。私は待てない。二人とも素晴らしい女の子だなと思いました」と話した。

 下尾は完成した映画の感想を聞かれ、「CGのすごさに驚きました」と話し、監督は苦労したシーンとして、「ペコパンが(カブトムシ人間の)タレブとアイサブと戦うところ」を挙げた。監督は「綿密に打ち合わせをして、アクション部と阿久津くんでやる動きを練習して、撮影現場でアクション部と阿久津くんで一度お芝居をして、それを撮影しておいて、その後アクション部が抜けて、阿久津くんが空(から)で演技をするという工程だった」とCGシーン制作のプロセスを説明。「『合わなかったら』と仕上がるまでドキドキしたけれど、阿久津くんのアクションの筋も良かった」と絶賛した。

 撮影時のエピソードして下尾は、「私の勘違いかもしれないんですけれど、病室のシーンで、阿久津さんはベッドで寝ているんですけれど、いびきが聞こえた気がして、『ちょっと寝てかな?』ということがありました」と暴露した。

 松田監督が「ロケ地はすべて関東近郊」と言うと会場からはどよめきも! 堀江は、ロケ地選びに力を入れたそうで、「ファンタジー系なので、特殊効果がメインになるんですけれど、実際の自然の綺麗な風景を入れたいとこだわりました。個人的にカヌーが趣味なので、日本の綺麗な清流を出したくて、綺麗な川を探しました。迷いの森は、幻想的な風景がリアルに体感できるアート・ビオトープ那須を使わせていただいたんですけれど、作り物だけにならないように気をつけました」と例を挙げた。

 最後に下尾は、「公開は6月2日からです。今日は(ワールドプレミアで)早めに観ていただいたので、また上映が始まったら観に来てくださったらとても嬉しいです。何回観ても飽きない作品になっていると思うので、たくさん観てくださったらと嬉しいです」とメッセージを送った。

 登壇者:下尾みう(AKB48)、松田圭太監督、堀江圭馬(製作総指揮)

公開表記

 配給・宣伝:アイエス・フィールド
 6月2日(金)よりシネ・リーブル池袋、シネ・リーブル梅田ほか全国順次公開

(オフィシャル素材提供)

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